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「ナミビアの砂漠」

こないだ、「ナミビアの砂漠」という映画を見に行った。

「ナミビアの砂漠」とは、山中瑶子監督、河合優実主演による映画である。
脱毛サロンで働き、彼氏と同棲しながらも毎日やり場のない感情を抱きながら悶々とした日常を送る主人公"カナ"の日常を描いている。

カナは彼氏と同棲しながらも他にも彼氏を作り、二股かけたり、その彼氏に乗り換えると段々その彼氏ともうまくいかなくなり、取っ組み合いの喧嘩を日常茶飯事のように行う。
また、職場の脱毛サロンでは後輩が入ってくるが、その後輩も小生意気な人物で、やり場のない感情を募らせていく。

この映画はZ世代がどうとか今の若者がどうとかいうのを伝える映画ではなかった。
カナは暇があるとナミビアの砂漠に設置された定点カメラに映し出される動物の生活を見ている。
この映画自体が、ナミビアの砂漠を見るように、カナの日常をただただ定点カメラで見るような映画であった。
画角も16:9ではなく4:3で撮影されており、カナのまわりだけが映され、特に状況を説明するようなセリフもなく、淡々と日常が描かれていく。

見ていて面白い映画ではなかったが、なかなか考えさせられる、考えてしまう内容の映画であった。
カナの日常を覗き見するように、淡々と日常だけを描く実験的な映画だったし、主演の河合優実さんの空虚な演技も本当に良かった。
「ルックバック」の主人公のひとりの藤野の声を当てている女優さんだが、同じ人間とは思えなかった。

もしかしたら、「ゴーストワールド」のようなカルト映画になるのかもしれない。

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