リビアいとし

Just Movedとデザインされたハガキを三枚、投函して。２日後に、彼女と一文字違いの名前の人から現金書留が届き。４日後に、レターパックでお守りが届いたときには教えてくれた「毎年秋には新米を送ってくれるの」と。学友だそうだ。

彼女の引っ越しを機に、私たちはともに暮らし始めた。協定などないが、私は率先して彼女の何かを手伝っている。郵便や宅配便を受けるのも出すのも、そのうちの一つ。

彼女は、路上生活をしていた女性が叩き殺されてしまった惨たらしい事件に思いを馳せていた。

事件を報じるニュースの少しあとに、ドキュメンタリーが放送された。女性にはきょうだいがいて、音信不通になる以前は女性から毎年、年末に届いていたというハガキが映ったが、返信については明かされなかった。

そろそろ、甥の誕生日のころだ。正確な日付は知らないが、9月。彼女の誕生月と一緒なのだ。ホバークラフトのおもちゃにしたそうだ。直送せずにいったん自分で受け取って確認するのも彼女らしい。「単4かぁ」と、嘆くように呟くから「明日行って買っておくよ」と答えたけれど、弟夫婦からの返信は来ていない。