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今、話題の台山原子力発電所の冷却棒の破損で、チェレンコフ光が出ていませんように

Bizarre Radioactive fluorescence inside the nuclear reactor

青い光がチェレンコフ光です。高エネルギーの荷電粒子が水などの透明な物質を通過する際に、その粒子の電磁場によって物質中の原子・分子が分極して励起状態となり、その後元の安定状態に戻る際に青白い可視光線を放出する現象をいいます。

相対性理論は真空中の光速がどんな場合にも一定(c)であると仮定していますが、空気や水などの媒質中を進む光の速度はcよりも遅くなります。たとえば、水中の伝播速度は0.75cと、真空中の光速度の四分の三にすぎません。

荷電粒子は、核反応や粒子加速器などによって加速されますが、媒質中の伝播速度を超える(つまり水という媒質中の場合、0.75c以上になる)ことが可能です。

チェレンコフ光は、荷電粒子(たいていは電子)が(絶縁された)誘電体を、その媒質中の光の速度よりも速い速度で通過するときに放射されます。この青い光ですね。

核反応よりも格段に小さいニュートリノの水通過中でも、チェレンコフ光が発生します。カミオカンデやスーパーカミオカンデは、微かなチェレンコフ光を光倍増管で増幅して、ニュートリノの観測に使っています。

チェレンコフ光の例としては、原子力発電所の燃料が入ったプールの中で見える青白い光があります。

この「青白い光を見た」場合、臨界事故の可能性があります。

・・・今、話題の台山原子力発電所の冷却棒の破損で、チェレンコフ光が出ていませんように・・・やれやれ。

フランク・ロイドのエッセイ集


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