マガジンのカバー画像

ヒンズー教と仏教の原風景

44
フランク・ロイドです。CERN(セルン、欧州原子核研究機構)、KEK(高エネルギー加速器研究機構)、スーパーカミオカンデ、多元並行宇宙(マルチバース)間の記憶転移、縄文海進と古神…
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

ヒンズー教と仏教の原風景Ⅰ

世界の様々な歴史書を読む、司馬遼太郎まで書いているのだが、古代に栄えた #原インド人 の #ドラヴィダ人 の文明が、印欧語族である #アーリア人 が #インダス川 流域から #インド亜大陸 に侵入・侵略して、インドでの支配的な種族となった、とある。 本当かな?と思うものである。 インド・アーリヤ人の場合は、『 #インドへのアーリア人の侵略 』と表記しておいて、ゲルマン民族の場合は『 #ヨーロッパへのゲルマン民族の大移動 』と表記する。 『侵略』と『民族移動』では意味がおおきに

ヒンズー教と仏教の原風景Ⅱ

1996年11月、1997年2月、この2回にわたって、私はパキスタンの北西部、アフガニスタン国境から程近い地図にも載っていないチャシュマという村に出張した。 そこはインダス河河岸の村で、そこから流れ出るインダス河の支流に水力発電所を設置するプロジェクトであった。 最初の出張は、シンガポールからバンコック経由でパキスタン中部パンジャブ州のラホールに降り立ち、ラホールから車でチャシュマに旅するものだった。直線距離としてはたいしてない。しかし、尾根越えで道がうねっている場所が多

ヒンズー教と仏教の原風景Ⅲ

表題のヒンズー教と仏教の話。 まず、ヒンズー教よりも古い仏教から書きましょう。 え?ヒンズー教は仏教よりも古いのではないかって?いえいえ、土着の原始宗教としてはヒンズー教も古いですが、宗教として体系化されたのは仏教が先です。 こんなにざっくりとしてはいけないのですが、古い順に、 1.原始アーリア人の宗教、原始ドラヴィダ人の宗教 2.原始バラモン教(顕教的、小乗的) 3.原始仏教(顕教、小乗) 4.原始ヒンズー教(密教的、大乗的) 5.インド南部仏教・ラマ教-チベット/

ヒンズー教と仏教の原風景Ⅳ

地球を地質年代で見ると、冥王代、始生代、原生代とほとんど生き物などがいない頃から、古生代、中生代、新生代と巡り巡る。そして、人類の黎明期、それも文明とか有史とかいうと、この最後の新生代の中のさらに第四紀という地質年代のさらにさらに完新世と言われる時代(今から1万年ほど前から始まる)でしかありません。そして、この完新世という地質年代の中ですら、人類が文明とやら歴史とやらを作り始めたのは、完新世中期以降からということ。 地球の地質時代区分、新生代の詳細 完新世の前の更新世は、

ヒンズー教と仏教の原風景Ⅴ

転生とは、肉体が生物学的な死を迎えた後には、非物質的な中核部については違った形態や肉体を得て新しい人生を送るという、宗教的な概念です。生まれ変わりとも呼ばれます。インドの宗教、ジャイナ教、仏教、シーク教、ヒンドゥー教の中核教義です。 日本の仏教用語では『輪廻転生』という言葉が知られています。しかし、輪廻と転生は一つの言葉でくくられるものではありません。 輪廻は、生まれ変わりを流転として捉えられます。生物は永遠にその存在のカルマ(業)の応報によって、車輪がぐるぐると回転