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Double Fantasy 展 まとめ

12月29日に行ったDouble Fantasy 展で思ったところをまとめます。

ネタバレを含みますので、これからご覧になる方はご注意ください。

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まずはジョンレノンミュージアムを思い出す展示がたくさんあった。Bed Inのギター、軽井沢で過ごした時の服…「久しぶり!」と言いたくなる感覚。

ジョンレノンミュージアムと違っていたのはヨーコの人生・活動の解説がジョンと同じくらいに濃かったこと。インタビュー映像もピンポイントで持ってきていて、とても分かりやすかった。

どうしてもヨーコは「ジョンレノンの妻になった東洋人」と見られていて、彼女のアーティストとしての才能、実績がなかなか語られないような気がするのだけど、いやいやなかなかに考えさせられるコンセプチュアルアートなんです。見る人の行動、心を動かすもの。

ジョンと出会った時に実際にあった展示の再現もあり、ジョンとヨーコの出会いを細かに想像できました。

出会い以降は、2人での活動の解説になるんですが、平和活動が主になっていく。

ジョンの知名度と作詞作曲の才能と、ヨーコのメッセージ性が融合して、Bed In、Baggismという活動やImagine、War Is Over (If you want it) という曲になっていく。

2人が出会ってなかったら、それぞれ「ある程度成功した人」で終わったと思うんですけど、2人が出会ってすごい作品ができた。そう言う意味で2人は「最良のパートナー」だったと言えると思います。

でも一度彼らは別居してるんですよね。5年くらい一緒にいたあと、(ジョンの行動が一因とされていますが)1年以上バラバラに活動してます。

これは私の完全な推測なんですが、活動のパートナーとしては成功したけど、まだ2人は人生の伴侶とはなりきれてなくて、すれ違いが出ていたのかなと。でもここですごいのはヨーコはジョンに、公認の愛人を別居中つけさせるんですよね。いや普通それできる?と思うんです。ジョンを分かってるからできる。ヨーコは7歳半くらいジョンより年上なのでそこはやっぱりジョンより大人ですね…。

結果別居した翌年に2人は再会して、また一緒に生活し始めるんですが、そこで「2人には家庭生活が必要」と話して、その後2人の子どもショーンを授かるんですね。

展示の記載に、「流産や様々な問題に直面した」といったものがあったので、ショーンを授かるまでもいろいろあったんだろうなと推察します。(ショーン生まれたときヨーコ42歳なんですよね…当時としちゃ結構な高齢出産ですし…)

で、これは有名な話ですがショーンが生まれてからはジョンは音楽活動を休止して主夫業に専念します。このころ使ってた抱っこ紐があったんですけど、あれ、手足出る穴ない!ってなりました。(当時はその方が子どもが落ち着くとされてたんでしょうか)

ショーンと過ごす様子のビデオも展示で見ましたが、ここでほんとジョンが一パパの顔になってるんですよね。ああ、これまで得られなかった家庭での幸せが得られたんだね…と感じました。でも子ども見ながらパン作るってどんだけやる気に満ち溢れてるんだ笑

(補足: ジョンレノンは幼少期、父親が失踪したり母親に育ててもらえず叔母の家で育ったりと苦労してます。ヨーコとの前にひとり奥さんがおり、その間にも息子がひとりいますが、ビートルズの活動で多忙かつ自身の幼少期から愛情の注ぎ方には苦労したようです)

ジョンが狂信的ファンに射殺されてしまったあとのショーンのインタビュー映像があって、何歳くらいかよくわからないんですけど(12〜15歳とか?)、「パパ(ジョン)と一緒に遊んだりした時間が一番懐かしい、一緒にいてくれるだけでよかったんだ」というニュアンスのことを言っていて、ジョンは父親としてショーンに一緒に過ごした大切な時間をしっかりプレゼントできたんだなと感じました。

今私も息子がいるので正直ここで涙しました。

いや絶対ジョンは無念だったと思うんです。出したばかりのアルバムがどうなっていくかも見れず、翌年に行くはずだったワールドツアーも叶わず、可愛い可愛い5歳の息子と愛する妻との生活をいきなり奪われたんですから。

でもジョンが伝えたこと、伝えようとしたことは、家族や周りにちゃんと伝わってて、だからこそ今回の展示がある。

そしてこの展示を見た人が、自分の生き方や世界に目を向けて考えて行動していくんだなと。

日々を大切に、自分で考えながら生きよう、そう思わせてくれるとてもいい展示でした。

2月18日まで会期が延長されるようなので、興味のある方はぜひ!




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