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3 予想の要素 3-3 調教 注意点多し

1 先に結論

調教は予想するレースの出走馬の検討要素として非常に重要です。競走馬なので当然です。

しかしながら、調教に関しては注意すべき点が多々あります。予想の要素として検討する前に知っておきべき事柄があります。

これらを知らないままだと、とんでもなく無意味な検討の仕方になってしまうので注意が必要です。

大前提として調教で重要なのは、その馬の過去と現在の仕上がり具合の比較(縦の比較)だけです。その馬と他の馬の比較(横の比較)は基本的には不可能だと思った方がいいです。

競馬初心者の方々には特に読んで頂きたい内容です。

結論を先に書きます。

★結論① 調教映像や競馬新聞の調教欄を見て何かわかるようになる必要は一切ありません。プロの解説を有り難く聞くのがベストです。

★結論② 調教は予想の要素として非常に重要ですが、メインの要素にはなり得ません。この理解が非常に重要です。ベテラン競馬ファンの方々も意外と知らないことがあるかも知れません。

★結論③ 絶対に細かく検討しないこと。「最高にいい」「かなりいい」「イマイチ」程度で十分です。


2 結論①について 調教状態はプロの解説を聞けばOK

これは別項目で述べた通りです。TMや予想屋はその道のプロですので、調教の解説などはプロの解説を素直に聞いた方がいいということです。

自分なりの視点で分析して自分なりの楽しみ方を見出すことも否定はしませんが、それでは馬券が当たらなくなるだけです。何十年もの経験があるプロよりも自分の方が上だと勘違いしている人は馬券が当たらなくて当然だということです。

ただし、調教に関するプロの見解にも個人差がありますので、出来れば複数の調教派の予想屋やTMの話を聞くのがベストです。これは単なるセカンドオピニオン的なことです。


3 結論②について 調教はメインの要素にはなり得ません

(1)縦の比較と横の比較

調教は、その馬の過去のレース時の仕上がり具合(デキ)と現在の仕上がり具合を比較して検討するのは非常に重要です(以下、縦の比較)。

他の出走馬と比較すること(以下、横の比較)は基本的には不可能だと思った方がいいです。

理由は簡単で、例えば強い馬の8割のデキとそこそこ強い馬の10割(メイチ)のデキを比較してもどちらが先着するかは絶対にわからないからです。

つまり、直接的な横の比較はそもそも無理に決まってるということです。ですから、それをパターン化したりグループ分けしたり、無駄にこねくり回してあてはめたりするような予想は根本的に無理筋だということです。これを無理にやってしまうのが調教派の予想屋です。

重要なのは縦の比較だけです。

縦の比較といっても、現時点のデキと過去のどの時点と比較するのかという話になりますが、基本的には前走との比較だと思っています。

前走ではなく何走か前の好走時との比較が重要だという考え方もあるとは思いますが、それは結局は好走パターンのような杓子定規的あてはめ思考へつながるだけですし、好走時は調教以外の要素に恵まれただけかも知れませんので、あまり重視すべきではないと思っています。

好走時と比較するにせよ、あくまでも調教師などの専門家の意見を参考にすべきです。『好走時と同じくらいのデキだ』といったコメントがあれば、それを素直に受け入れるだけにすべきです。

比較対象は前走だと考えれば、例えば前走で明らかに余裕残しの仕上がりで凡走した馬でも今回はかなり上積みがありそうだとか、前走好走した馬のデキが維持されていそうだとか、シンプルで確実な比較が可能になりますので、こちらの方が妥当だと思います。

(2)そもそも

調教師の先生でさえ、調教が十分だと思ったけど実際レースが終わってみたらそうではなかった的なコメントを出すことが多々あります。調教師の先生方は、各馬について試行錯誤しながら調教メニューを検討するのですから、あまり外野が色々考えても仕方がないと思います。

厩舎によって調教の方針も大きく異なります。ハードな調教の厩舎もあればそうでもない厩舎もありますし、特徴的な厩舎もあります。そういったことに詳しくなる必要もありません

エセ調教派(調教オタクの競馬ファン)は『〇〇厩舎にしては追い切りが甘いよね』などと言いたがりますが、馬券が当たらない連中のたわ言ですので完全にシカトせねばなりません。普段から的外れなことばかり言うような人達です。知らんけど。


(3) 調教タイムはほぼ意味無し※超重要

調教タイムを細かく分析するのは全く意味のない行為だと肝に銘じなければなりません。

以下で調教タイムに関する注意点を書きます。

①計測方法の問題点 自動計測など

2011年に美浦坂路コース、2012年に栗東坂路コース、2021年美浦ウッドコース、それぞれが手動計測から自動計測になりました。栗東ウッドコースに至っては2021年の12月から自動計測になったばかりです。

つまり、わりと最近まで手動だったのです。手動=ストップウォッチです。しかも斜めから見て計測したり遠くから望遠鏡で見ながら計測したりとか、極めて誤差の出易い状況下での手動計測です。

そんなもん参考にしても何にもならないに決まってます。

コンマ数秒単位で加速ラップだとかそうじゃないだとか、それでグループ分けしたりパターン化して当てはめて予想する行為がいかにバカらしいかを知るべきです。

しかも、自動計測になった途端に手動計測時代では考えられなかったような速いラップを刻む馬が頻出しましたし、コンマ数秒どころか2秒くらい違うという記事もありました。コンマ1秒差が1馬身か0.6馬身違うと言われる競馬界でこの誤差は・・・。

また、自動計測になっても以下で述べる他の複数の要素によってコンマ数秒の違いは簡単に出てしまいますので、調教タイムをあまり厳密に検討しても全く意味が無いことを知るべきだと思います。

②乗り手の違い

調教時に馬に乗っている人物についても、けっこう体格のいい助手が乗る場合もあれば小柄な助手やジョッキーが乗る場合もあります。ハンデ戦などでは斤量が1キロ違えば1馬身違うとかコンマ1秒違うなどと言われていますが、競馬新聞の調教欄なんかに乗り手の体重が表示されているのを私は見たことがありません。私が買ったことが無い新聞には記載があるのかも知れませんが・・・。

いずれにせよ体重が何キロも違う場合には調教のタイムにも影響が必ず出るはずです。コンマ数秒どころではなさそうです。

また、乗り手の体重が同じだとしても一流ジョッキーが乗った場合とそうでない場合でもタイム差が出そうです。


③調教師の指示など

乗り手は基本的には調教師の先生の指示通りに走らせますので、”馬なり”、”強め”、”いっぱい”などと調教欄に記載されます。

調教映像を見ても、”馬なり”にしては手が動いているだとか、そういった細かなことを気にし始めるとキリがなくなります。それだけでもコンマ数秒は違ってくるはずです。

また、調教の時間帯まで解説する専門家がここ数年で増えてきましたが、ハロー掛け直後なのかそうではないのかでもコンマ数秒は確実に変わるはずです。1時間で100頭以上の馬が走るので、後半はかなり馬場が荒れるらしいです。

ですが、コレもあまり気にしない方がいいというだけの話です。


(4) 調教と本番(レース)の関係性

調教を予想の要素として重視すべきではない理由の続きです。

馬によっては、調教だけはいつも抜群の動きを見せる馬もいれば、元々調教駆けしない馬もいます。

”調教番長”といわれるような馬は、調教の動きだけは毎回とんでもなく凄いですが、本番ではさっぱりダメだったりします。逆に、元々調教は動かない馬でも本番ではしっかり結果を残すような馬もいます。

こういった馬はかなりたくさんいますので、やはり横の比較そのものが無理筋だと考えた方が良さそうです。


(5) 私の検討の仕方

調教師や専門家の解説を聞きながら一応調教映像も見ますが、プロの解説をありがたく思いながら参考にします。

プロの解説を聞いて、『最高にいい』、『かなりいい』、『イマイチ』この程度の認識です。特に3段階と決めているワケでもありません。

各馬の検討の仕方は別項目で詳しく書きますが、調教状態は各馬ごとにプラス要素かマイナス要素として考える程度で、他の要素で比較できない場合の最後の手段になることが多いです。

この程度で十分です。

というより、あまり細かく検討しても意味がありません。その理由は上記に書いた通りです。

調教派の予想屋は全然当たりません調教をメインにしてはいけないのだと、その事実から学ばねばなりません。

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