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台湾はなぜ親日国なのか

200億円の義援金

東日本大震災の義援金として200億円を日本に寄付した国を知っていますか。

それは台湾です。

台湾は日本の五分の一に満たない人口ながらも、当時その義援金の総額は世界一であったと言われており、人口比率の面からみた一人あたりの寄付金額は、更に群を抜いて世界一であったようです。

2017年3月 西日本新聞より(台湾の寄付総額が250億円)

200億円という金額は記録に残っている義援金としての総額ですが、実際には、個人的な繋がりでも相当の寄付を受けたケースが多くあり、統計に現れない善意も多くあったそうです。(張栄発さんという方は個人で10億円もの義援金を日本に寄付したそうです。)

東日本大震災 宮城県 気仙沼市の写真

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これは、台湾の方がどれだけ日本のことを想ってくれているかという一つのエピソードですが、実際、台湾旅行にいったことのある方や台湾人と接したことのある方なら、台湾人の国民性や台湾の文化は日本と近しいものがあり、台湾が親日国であることを肌で実感された方も多いのではないでしょうか。

台湾はなぜ親日国となったのか

ところで、なぜ200億円もの義援金を寄付してくれるほどに、台湾は親日国となったのでしょうか。

時は遡り、1945年に日本が太平洋戦争に敗戦するまでの50年間、台湾は日本の統治下にありました。

その間、日本人の高圧的な態度に対しての批判が一部あったものの、全体的には日本人の勤勉さや、インフラ建設に対する日本人の前向きな姿勢を評価する雰囲気が確かにあったようで、特に日本軍が台湾から引き揚げた後、中国(中華民国)に返還されてからは、日本と中国の違いを強く意識するようになったと言われています。

日本軍兵士とその家族

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欧米をはじめとする植民地政策の多くは、その領地を搾取の対象とみなすものであったのに対し、日本の植民地政策の基本的な考え方は、当時中国本土と比較して近代化の遅れていた台湾をなんとか近代化させようという心がけであり、交通・医療・教育にも積極的に力を注いできたそうです。

現代の外国人労働者との関わり方について

私は、台湾が親日感情を抱くまでのこのような歴史は、少子高齢化、グローバル化によって、まさに外国人労働者との関わりが増えてくる現代の日本人にとって、重要なヒントが秘められていると思います。

外国人を単に労働力としてみなすその態度は、当時、植民地を搾取の対象とみなした国家の態度と重ねることができますが、その代償は後世に渡る人々が払い続けることとなります。

逆に、当時の日本人は想像も出来なかったと思いますが、植民地として統治していた国であっても、相手を想う心を持って接した過去は、東日本大震災時に多額の援助を受け取る未来に繋がります。

現代の私たち一人一人の外国人労働者との関わり方は、私たちの問題以上に、その後世への影響の方が大きいのかもしれません。

今日、日本へきた外国人に日本・日本人に良い印象を持ってもらって帰ってもらうことが出来れば、きっと将来日本人が海外へ進出した時にも同様の扱いを受けるはずです。

たとえそれが雇用主と労働者という関係であっても、相手の成長を想う心やそのための行動はきっと言葉を越えて外国人にも伝わるのだと思います。

当時の日本軍が台湾へ尽くした心遣いにならって、現代に生きる我々日本人も、外国人の将来・成長を願う心を持って接していきたいものですね。