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タイトルがもっと普遍性のあるものだったらと残念な「ミレニアムマンボ」

この映画、ちょうど2000年に制作されたんです。
台湾のホウシャオシェン監督作品で、主演はスーチー。
スーチーをご存じない方のために簡単にご説明しますと、いい体しているんですよ~。
それが幸か不幸か、女優としてのキャリアのスタートはほとんどポルノまがいの映画ばかり。
今風の言い方をしたら、丁度いいブスさで、なまじっかいい体しているから本人も割り切ってエッチな映画に出まくっていたんだと思います。
台湾の映画は全部モロ出しですから、スーチーもそれなりにハードな撮影をこなしていたことと思います。

まぁ、最終的にはハリウッド映画からオファーが来るまでの、台湾を代表するスター女優になったので、めでたしめでたし。

ホウシャオシェン監督はニュータイワンシネマのスター監督のひとりで、小津安二郎をリスペクトしていることでも知られています。
中でも「非常城市」は世界的にヒットしましたね、私は見てないんですけれど。

今回ご紹介する「ミレニアムマンボ」は、セクキャバみたいなところで働いているスーチーと、そのヒモみたいなダメダメ彼氏との関係と別れ、って静謐な作風のホウシャオシェンとしては、かなり攻めてる映画です。
だから、タイトルが惜しいんですよね。
せめてもうちょっと「ミレニアム」にこだわらないで普遍的なタイトルをつけてあげたら、もっと後世に語り継がれる映画となったんじゃないかなって思うんです。
たしかこの映画は原題も「千年禮志」みたいな、漢字は間違っていると思いますけれど、バカにつける薬がないタイトルだったはずです。
なんでホウシャオシェンがそこまで世俗にべったり引っ付いたタイトルをつけたのか、内容が良かっただけに残念です。

だって、でしょ?
フェリーニ、ヴィスコンティとあともうひとりどなたか映画監督を集めたオムニバス映画、「ボッカチオ’70」だってそこまでヒットしていないでしょう。ロミーシュナイダーからソフィアローレン、アニタエクバーグまで揃えてコレですよ。
(アニタエクバーグはちょっと論外ですけれど)
ダメなんですよ、映画のタイトルにやたらと年号なんかを入れたら。
あとで見る人が古くさいって先入観を持ってしまうから。

ミレニアムマンボもそのパターンで、今まったく話題にもなっていないでしょう。
ホウシャオシェンは上手な脱がせ方で、スーチーをとても良く撮っているのにもったいないですね。

スーチーは結構、香港映画にも出ているんですけれど、カネシロタケシと同じような扱いで、あんまり広東語が上手じゃないんでしょうね、いつも脱ぎ要員で、「島から来た娘」だの「田舎育ち」だのの設定で、あまりセリフのない役が多いんです。
一番極端だったのは「わすれな草」のカメオ出演かな?

ま、そんな苦労人のスーチーが母国、台湾で伸び伸びとセクキャバ嬢を演じているこの映画、スーチーの体目当てだけでもいいから、見てみてね。

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