スライド1

僕は「プロテイン」を買ってるんじゃない、「自信」を買ってるんだ。



まずは古代バビロンの石板に書かれているかもしれない、商売の本質をとらえた逸話を紹介する。


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ーーとある2人のボディービルダーがいた。

バビロンの大商人が「何を買っているんだい?」と聞くと、片方は

「プロテインを買っています」

もう片方は

「自信を買っています」

と言った。

バビロンの大商人は、『自信』と答えたほうにはそれまで築き上げた「すべての財産」を与え、『プロテイン』と答えたほうには気絶するまで「張り手」を与えた。ーー

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商品にはメリット(利点)とベネフィット(恩恵)がある。


プロテインの場合でいうと、プロテインという手段によって「筋肉がつく」のはメリット、「自信がつく」のはベネフィットだ。


ただ、この話を聞いて「だから何?」と言うお前の口にプロテインを流し込みながら言い聞かせなければならない


「お客さまは商品を手に入れたいわけやない!!」

「より幸せな未来を買うんや!」


商品はな、幸せを運ぶんや。

それを誰よりも知っているのは、この僕だ。


ーー大学に入って初めてのゴールデンウィーク、圧倒的に予定がなかった僕は、何かしたいと思って家でゴロゴロネットサーフィンをしていた時、こんな文言を見つけた。


「暇で金欠な大学生はヒッチハイクをすべき」


次の瞬間アマゾンに飛び、でかいスケッチブックとでかいペンをポチッた。

緊張のヒッチハイクデビュー、最初は宗教勧誘狙いの人に難なくのせてもらえた。

そして洗脳完了後、おろしてもらったサービスエリアでスケッチブックを掲げたのだが・・・。


誰も乗せてくれんやんけ。


通りかかる人には「マジ?」と言われ、休んでいる運転手さんにも笑われた。

その中で、「私たちもヒッチハイクしているんです(笑)」と名乗ってきた女性2人組が来て、となりでスケッチブックを掲げだした。


ばかやろう!!

ライバルやんけ!!ワイの島やぞ!!


こいつらの無邪気な顔面に「地獄方面」と書きたいのを我慢しつつ、会釈し、しばし雑談した。

彼女らは大学生で、僕と同じく時間はあってもお金がなかったらしい。この暇人めが。


思えば、なんでわざわざヒッチハイクしてるやつを乗せにゃならんのだ。

乗せてもメリットないやんけ・・・。

それでも、乗せるひとがいるのはなぜだ・・・。


「・・・。」

「・・・。」

「・・・!?!?」


その真理に気づいたとき、僕はジャンプし始めた。

最初は小刻みに、内村航平の鉄棒のように最初はゆっくり、ただ、着実に勢いを増しながら。


そう、現代の内村航平、こいつを乗せるベネフィット、より幸せな楽しい未来を演出したのだ。


隣で暇人が笑ってきた。かわいかったが、そんなことは関係ない。


すると、こちらを指さした若い女性2人組が寄ってきて、

「何してんの君(笑)。乗る?」


勝った。

圧勝だ。


こうしてあっさり乗せてもらったのだ。ーー



いいか?よく覚えとけ。

お客さまにはな、ベネフィット(幸せな未来)を提示するんや。


お前という商品をヒッチハイクで売り込むとき、お前の特徴はなんだ?ドライバー側のメリットは何がある?

ーー(特徴)ーー

・ヒッチハイクしてる

・男

・なんか飛びはねてる

ーー(メリット)ーー

・乗せられる

・話せる

・暇しない


そして、そのメリットによって叶う幸せな未来、ベネフィットは何か?

ーー(ベネフィット)ーー

・楽しそう

・どんな人か知れる

・今後のネタになる


などなどあるが、要するに、ドライバーが求める幸せな未来は何か?


「楽しいドライブ」、これだ。


じゃあどんなやつを乗せたい?

「乗せたら楽しそうなやつ」で間違いない。


じゃあそれを欲していそうな、乗せてくれそうなターゲットは誰だ?

簡単やな工藤、ヒッチハイカーが狙うべきターゲット、それは楽しくドライブしたそうな人や。


だから楽しそうにサービスエリアから出てきた女性2人組に向かってピョンピョンはねた。

最初は「え?(笑)」という感じだったが、無駄に動く僕のほうに来て、

「何してんの君(笑)。乗る?」


と言ってきたわけだ。


といっても、シンプルに考えれば簡単な話だ。


・小さい字でスケッチブック掲げておどおどしてる2人組

・でかい字でピョンピョン飛び跳ねて満面の笑みのワイ


せや工藤、乗せたくなるのは、このワイや。ーー



このメリットとベネフィットの話が分かってから、僕は自分が何かを買う時の心理に目を向けるようになった。


保険は「安心」を買っている。

モンスターは「がんばれる感」を買っている。

紙の本は「読んだ感」を買っている。


買い手側がどんな未来のために買っていくのか?


メリットで比べると、プロテインのライバルは「他のプロテイン」だ。

だが、ベネフィットで比べると、プロテインのライバルは「自信がつくもの全般」、たとえば「自己啓発本、スーツ、美容院」だって考えられる。


特徴・メリットを考えろ。

ほしい人を探せ。

メリットによって得られるベネフィットを訴えろ。


現場からは以上です。






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