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読み方を変えたら景色が変わった

 ここ数年は、自己啓発書やビジネス本を読むことが増えた。
それは勉強熱心だからではなく、「自分には足りないものばかり」「どうにかして変わりたい」「救われたい」という気持ちから。
 読み終えた直後は、ひとまわり大きくなった気になる。ところが、何も変わらない。変わらない自分を本のせいにしてまた似たような本を買う。
それを何度か繰り返して、もう読むこともなくなる。
時々視界に入る読まれなかった本を見て虚しくなる。後ろめたくなり自分に言い訳をすることが多かった。
 それでも完全に自分を諦め切ることもできず、どうにかしたいと思っていた時、「今度こそ解決できるかも!」と読み始めたのが
【1日30分でも自分を変える”行動読書” アクションリーディング】。


本の読み方はひとつじゃなかった

 読書スタイルには「受け身」と「攻め」があるということにまず驚いた。
いままで本の読み方に違いがあるなんて考えたこともなかった。
けれどいわれてみれば思い当たる「受け身」の読書スタイル。
「なんとなくタイトルに惹かれて」「良さそうだから」と読む理由はいつもぼんやり。書かれていることをやった方がいいと思っても行動に移さない、まさにわたしの読書スタイルが、文字を目で追って終わるだけの受け身の読書だった。
 だから、どんなに良い内容でも何も変わらない。何も変わらないから喜びもない。どうせ何も変わらないと諦めてる。という悪循環になっていたことがわかってきた。
 

人は何歳になっても成長します。
中略
自分はもう40歳だから、50歳後半だからこれ以上成長しない、頭も動かなくなった、という人がよくいますが、これはただの逃げではないでしょうか。逃げてもいいことは何もないので、ぜひ深い知恵に触れて元気を出してくださいね。

赤羽雄二『1日30分でも自分を変える”行動読書” アクションリーディング』

 この悪循環を変えて「攻めの読書」を身につけられたら、こんな自分でもちょっとは成長できるのかも⁉︎とこの言葉に励まされ希望が見えてきた。


「攻めの読書」って何?

 一言でいうと、「仕事やプライベートの充実につながる成長できる読書」ということらしい。そのために読み方の工夫や時間の確保の仕方、ただ読むだけで終わらせない方法が具体的に書かれている。 

・読む前にその本から何を得たいのか?なぜ買ったのか?を意識する
・大事なところには線を引く
・読んだ直後にメモを書く

 特にいままでの自分の本との関わり方と全く違っていると感じた部分だ。本当にそうだと思った。「これを知りたい!」とか「どうしてこんな問題が起きるのだろう」とその本を読む意図がはっきりしていなければ自分の主体性なんてどこにもない。なんとなくテレビをつけ、なんとなく眺めて、内容なんてほとんど覚えていない時と似ている。得たいものを意識して読めた時初めて、自分から本の中に欲しい情報を取りにいくことができると分かった。
 そして感動したり、すごいと思ったところには遠慮なく線を引き、読んだらすぐに思いつくことを書き出す。
 できるところからすぐに取り入れてみた。数日後にはこれまでと本との距離の違いを感じるようになった。
 

本との距離が縮まった

 書店で本を選ぶときワクワクする。
お気に入りの服を買ったような感覚に近い。それくらい大事にしたい。
大切にしすぎていた。折り目はつけたくないし、絶対に汚したくなかった。そのせいか今思えば、初対面の人との当たり障りのない会話みたいにその距離はどこかよそよそしかったような気がする。
 ところが、そんなこと御構い無しでどんどんマーカーを引く、耳を折る。を繰り返すうちに「え?何これ?」本との一体感を感じた。距離がグーンと縮まってよそよそしい関係から”自分のもの”といった感覚に変わった。
そう感じるといままでより俄然「知ること」「理解すること」が楽しくなってきくる。いままでが”受け身の読書”だった意味がわかってくる。それまでどこか他人事だった内容が自然と自分に当てはめて考えるようになる。関係ないと思っていた話が急に自分事になってきた。
 「そうか、そういうことだったのか‼︎」
 自分に当てはめて読み進めてみると、いま自分が抱えている問題を解決するためにこんな風にしてはどうか?と積極的に考える自分がいる。そこから得た”こと”をやってみようとワクワクする。
 楽しい気持ちで動きたくなる感覚って忘れていたかもしれない。


これからの読書

 夢の国に行くより書店の中を散策する方が好きだ。美しい装丁にうっとりしたり、ハードカバーの重厚感を感じながら表紙をめくる瞬間のときめき。フレーズの見事さに感心したり漢字の意味を考えながら知らない言葉のいみを想像したり。アミューズメントパークのような心が踊る場所。ぶらぶらしながら気に入った本を選ぶ。いままでは、書店に行くことの延長線上に全ての読書があった。だけどそれはリフレッシュするための娯楽として別枠にしておこう。
 では、これからの読書をどんな風に楽しむのか?読む目的を意識して自分の生活の中に読書を組み込む。過剰な気遣いをやめて本との距離を縮める。本が教えてくれたことを自分に照らし合わせて咀嚼する。吸収して栄養にする。知識の栄養を蓄えたら今度はどんな風に動き出そうか?そんな風にワクワクしながら変わっていく自分を感じられる読書にしよう。
 読み終わることが目的じゃなくて、それをこれからどう活かしていくか、が読書の醍醐味だったと気づいた。

 自分の栄養になる読書に変えていこう。それが自分を変える攻めの、行動読書なんだと思った。
 スタートはこれからだ。

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