肥大化したナショナリズムと劣等感

 神代文字とは、漢字伝来以前に日本に存在した(という設定の)文字のことである。多くは江戸時代に見いだされたものの、漢字伝来以前に存在したと言う根拠に乏しいため、まぁ江戸時代の創作だろうということで決着がついた。実際ほとんどの神代文字は五十音図にそのままヘンテコな記号を当てはめただけの、デザインセンスさえあれば小学生でも作れそうな暗号未満のお粗末なものである。ところがヲシテ文字だけはモノが違った。別格に出来がいいのだ。これが本物だなどと言う気はないが、作った野郎は天才に相違あるまい。五十音図にそのまま当てはめるというスカムな特徴こそ同じものの、段と行ごとに固有の意味を有し、たったひと文字で情景を表わすことができるのである。また、文字記号の形状にも意味があり、上からエネルギーが流れてきて文字に受けとめられ、変質し、下の文字へと流れてゆくという過程を経て、単なる表音文字とはまったく比較にならないほど深く豊かな意味を込めることができる。このためヲシテ文字は縦書きでなければ本当の意味を理解できない構造になっている。あまりにも才能の無駄遣いと言わざるを得ない。黒船来航にともなう西洋化によって「文字がない=劣っている」という観念を植え付けられた日本人は、誤ったナショナリズムに傾倒してしまったのだ。

 時間切れ。

(結果として世界の遺跡から見つかった古代文字がこの神代文字に似てる!! だかなんだか、はっきり言って噴飯物の、バカみてえな、中国の中華思想と程度としては大差ない、あまりに恥ずかしいものを産み出してしまったのだ。どうしてその才能をもっと建設的なことに活用できなかったんだと、ヲシテ文字をでっちあげた野郎に言いたい)

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