なんとか二章は出せないもんか

 俺がバッドカンパニー戦のドララララッシュになんでこんなに感銘を受けたのかと言うと、極めて高速で状況が動き続けている点がでかい。まぁ普通にイメージすると、雨あられと飛んでくる銃弾だかグレネードだか戦車砲だかミサイルだかが、高速のあまり分裂して見えるクレイジーダイヤモンドの拳群とぶつかり合って鬩ぎ合う的な、早い話がオラ無駄ラッシュ合戦の変則版みたいなシーンを想像してしまう所である。しかしそれは要するに極めて状況が安定して推移しているバトル描写である。派手かもしれないが、あまり緊迫感はない。本作の戦闘描写は違うのだ。ドララララッシュの掛け声の間に目まぐるしく状況が変化し続けている。銃弾・グレネード・戦車砲・ミサイルそれぞれの「数」「対応しやすさ」「威力」「総合的な脅威度」に応じて仗助が瞬間的に状況判断を行い、叩き落とすなり回避するなりリスクを承知で無視して他のよりヤバい攻撃に対処するなりして間一髪で致命傷を免れ続けている、そのあまりにも危うい、ちょんとつつくだけで崩れてしまいそうな薄氷の上の生存。そういうものが描かれている。制作陣は本当に本気で真面目にひとつひとつの動きにどういう意図があるのかを考えながら作ったのだろうと思う。映画でバトル描写にここまで力を込めている例を俺は他に知らない。

 時間切れ。

(ここまでリアルで激しいスタンドバトルを拝めたことは本当に幸福なことだ。良いものを見せてもらった。実写化に脊髄反射で叩いてネガキャンしまくった奴らは二度とジョジョオタを名乗るべきではない)

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