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#158_【観光ガイド】徹底的に準備してから、さっぱり忘れる!

先日、安斎勇樹さんのvoicyの話を書きましたが、もうひとつよくチェックしている番組に「荒木博行のbook cafe」があります。

荒木マスターは、大学教授やセミナー、コンサルティングなど多彩な活動をするかたわら、毎日欠かさずvoicyの配信もされています。

その中で毎週日曜日に配信している「相談カフェ」というのが、アシスタント(コメント職人?)さんと荒木マスターとの掛け合いの中から面白い気づきが得られることが多く、毎週楽しみにしています。

前回は「会話の瞬発力を高めたい」というテーマでした。

私は、他人から言われたことを器用に切り返すことができず、言いくるめられてしまうことが多かったので、どのような内容か楽しみに聞いてみたところ、観光ガイドにも活かせそうなヒントが詰まっているように感じましたので、内容をなぞりながらご紹介します。


普段から考えていることしか出てこない

「会話に臨んだ瞬間に勝負は付いている」ともおっしゃっていましたが、まさしくそのように感じます。「無」からは何も生まれません。

物書きの仕事をしていて、あとから「そんなん聞いてどうするの?」ということまで尋ねてしまう悪いクセも身についてしまいましたがf^_^;)、それも含めて、思考と行動は相互に影響しているものだと実感します。

そして、華麗な瞬発力を支えているのは、地道なインプットやアウトプットの積み重ねであることを、意識させられました。

話をずらすための論点を用意しておく

詭弁な人が使うテクニックのことを指しているわけではありません。

それではどのようなことなのでしょうか。
対話では、このような例が示されていました。

  • 時間軸、範囲、立場などの変数をずらす。

  • 相手に考えさせるために土俵を変える。

  • 論点を提示して会話に間を作る。

対話の中では、弁が立つ人のペースに持ち込ませないようにするという文脈で語られていましたが、このようなテクニックを持っていますと、お客様のニーズを探る時や、お客様に理解してもらいやすい説明方法を考える時にも役に立ちそうです。
チームレジリエンスの書評の中で「差分に着目する」話を書きましたが、行き詰まった局面にハマったときは、「ずらす」ことが抜け出す糸口になるのかもしれません。

余談ですが、岡田斗司夫さんが、思考のスピードを車のギアに例えて話していた「戦闘思考力」と通ずるように思います。
※動画のリンクを探したものの、切り抜きしか出てこないので割愛します。

用意している話はえてして深まらない

シナリオやストーリーをガチガチに決めてしまうのであれば、AIとかアバターとかに任せておけばいい、ガイド人材なんて要らない、ということは何度か書いていますので、逆の視点から考えてみましょう。

同じ人が同じ話をしているのに、何度聞いても飽きない、また聞きたい、と感じた経験ありませんでしょうか。ガイドの仕事は、人にモノを伝えることですから、「プレゼン」とか「講演」とか「落語」とかに置き換えてもいいでしょう。

同じ話でもそのように感じるということは、前に聞いたときと何かが違うのだろうと思います。それは、世の中が変化したのかもしれませんし、自分の立場や境遇が変わったのかもしれません。

対馬にいて、以前来られたお客様をまたガイドする機会は滅多にありませんが、同じ方であっても、時と場合によって刺さるポイントが違うわけですから、初めてお目にかかる方が相手でも、お客様とのコミュニケーションの中でどんな話を求めているのか探りながら、相手にとって刺さりそうな手駒を放り込む余白を持っておく必要があろうと感じます。そして、手駒が多いほどに、様々な偶然を引き寄せてくると思います。

私が飽きっぽい性格だからかもしれませんが、常に変化していないと、ガイドする側が飽きてしまい、それがお客様に伝わってしまうのではないでしょうか。

旅の臨場感を上げるために

ガイドを始めたての頃は、シナリオを作ってそこから外れないよう、恐る恐る説明していましたが、筋書きがあると、その時、その場にいるという感じに欠けると思い、暗記はほどほどにして、ナチュラルに話す雰囲気を出すことに意識が向いていました。

しかし、今回の対話を通じて、偶然に出会う確率を高めるために、インプットを蓄積する(手駒を増やす)必要がある、という逆説的な気づきがありました。

意識して偶然を見つけ出すというのも変な感じですが、偶然を敏感に察知できるようになるインプットの仕方について、今後深く考えてみたいと思いますo(^-^)。

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