食べ放題が苦手なのです
食べ放題というワードに、心躍る人は多いと思う。
なにしろ、人間の三大欲求のひとつである食欲を、心ゆくまで満たすことができるのだ。快楽の極みであるといっても過言ではない。
しかし私は、どうしても食べ放題が苦手なのである。
元来の小食ぶりが最大の理由ではあるのだが、本質を紐解いてみると、「何とも言えないプレッシャー」に屈しているのが要因となりそうだ。
どういうことか。食べ放題には「元を取る」というワードがついて回る。元、つまりお店に支払う代金よりも食べなければならないという暗黙のルールが存在する。
厳密にどのくらいの量を食べれば元が取れるのか、という計算式はケースバイケースだろうが、「最低限ここまでは食べないと損だ」という線引きが無意識のうちに行われる。こうなると、お腹を満たすという本来の目的は眼中になくなる。お腹いっぱいの状態でも、元が取れていなければ負け。無慈悲なほど厳しいゲームであり、のしかかるプレッシャーは半端じゃない。
元を取ることが最大の目的である以上、限界まで食べきるのはマスト。そうなると、当日の朝はもちろん、前日の夜から胃のコンディションを整えるのは基本の基。夜遅い時間の食事は控え、朝は多くともチョコ2個くらいにしておく。そして試合当日には、胃薬をしっかりとカバンに忍ばせよう。優秀なドクターも勝利には不可欠だ。個人戦に見せかけて、実はチーム戦なのである。
コンディショニングはもちろんのこと、「試合に絶対勝つ」という強いメンタルも必要だ。気持ちで負けてしまっては、フードファイトを勝ち抜くことなどできない。何事もそうかもしれないが、メンタルが一番重要なのである。
(この結論に納得がいかない、そこのあなた。カバンに入れた胃薬を飲めばスッキリできるかもしれませんよ。)
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