Fight The Blues

寂しさに強くなるにはどうしたらいいのだろう?と、考えることがある。趣味を見つける、仕事に没頭する、運動する…検索すれば色々と出てくるけれど、どれも根本的な解決には繋がらない。そりゃそうだ、誰しも多かれ少なかれ寂しさを抱えて生きているのだ、という結論がいつもお決まりだ。

数年前はこんなこと考えなかった。好きなことを好きなだけ好きな仲間とやって、家では母がその話を聞いてくれ、予定のない日は海まで犬と散歩した大学生の頃。あれほど充実した日々はもうやってこないだろうと思うけれど、その頃はその頃で別の不安があった。「ずっと目指している仕事に就けるだろうか、就活に失敗したら生きていけるだろうか…。」

結局、その仕事には就けた。しかし無期限で地方配属になり、実家を出なければならなくなった。何かを得るには何かを捨てなければならないとはこのことだ、と初めて思い知らされた。

この週末、3ヶ月ぶりに実家に帰った。就職して3年、こんなに帰らなかったのは初めてだ。帰路でピンクを基調とした可憐な花束を買った。8ヶ月前に亡くなった犬に供えるためだ。あなたに捨てられた寂しさで病気になり死んだのだよ、懐いてたもんねぇ、という言葉はすっかり母の口癖となった。「仕方なかったんだよ」と返すのが精一杯、私だって辛い。悲しい。戻りたい。他の選択をすればよかったのかもしれない。そう思ってしまうことが、寂しい。

寂しさはどうにもならない。1人きりで部屋にいると、より一層そう感じる。みんな多かれ少なかれ寂しさを抱えてるんだ、だから頑張らなくちゃ、自分で選んだ道だもの、と今宵もまた鼓舞する。でもやっぱり…。

根本的な解決には至らないが、音楽には人を救う力があると感じる。宇多田ヒカルのFight The Bluesはそう感じさせてくれた1曲だ。この歌詞を噛みしめて明日からも頑張ろう。
でも………

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