消え入りそうで消え入りたいのは誰?
震える手がソーサーに置かれたスプーンに当たって音を立てる。
カシャン
「あっ」
そんな小さな声を反射的に言ってしまいながら、でもマグカップの持ち手に手を伸ばす。必死に震えそうな手を隠そうとしながら、いつも以上にぎゅっと持ち手を握る。
小さなコーヒーカップに入れられたコーヒーは私の手の振動に合わせて波打っていて、少しずつその波は大きくなっていく。
溢れてしまう。今日のためにおしゃれしてきたスカートに溢れてしまったら、それこそいろんなものが台無しになる。
慌てて顔をカ