Be With Coffee

コーヒーを飲みながら、カフェで横で聞こえてくるような、エッセイを。 コーヒーにまつわる…

Be With Coffee

コーヒーを飲みながら、カフェで横で聞こえてくるような、エッセイを。 コーヒーにまつわる人間模様を綴る。 一人で?誰かと?どんな気持ちで? さまざまな気持ちでコーヒーに向き合う人々のものがたり。

最近の記事

消え入りそうで消え入りたいのは誰?

震える手がソーサーに置かれたスプーンに当たって音を立てる。 カシャン 「あっ」 そんな小さな声を反射的に言ってしまいながら、でもマグカップの持ち手に手を伸ばす。必死に震えそうな手を隠そうとしながら、いつも以上にぎゅっと持ち手を握る。 小さなコーヒーカップに入れられたコーヒーは私の手の振動に合わせて波打っていて、少しずつその波は大きくなっていく。 溢れてしまう。今日のためにおしゃれしてきたスカートに溢れてしまったら、それこそいろんなものが台無しになる。 慌てて顔をカ

    • 大人になっても大人の味

      いつからだったのだろう。カフェに入ると迷わずにブラックコーヒーを頼むようになったのは。 初めて友達とカフェに入った時、メニューをみてどぎまぎした。 カフェオレ・カフェラテ・アメリカーノ。アッサム・ダージリン・カモミール。 カタカナだらけのそのメニュー表はどれがどれだか、何が何なのかさっぱりわからなかった。 だからとりあえず一番わかりやすかった一番上のコーヒーを頼んだ。ドリップというのが何かはわからないけれどコーヒーはわかった。 「お砂糖とミルクは入れますか?」 そ

    消え入りそうで消え入りたいのは誰?