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「X」はやめといたほうが。。。マスク氏。

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この記事を読めば、
・ツイッターロゴおよび名称変更ニュースを分かりやすく学べて、
・あわせて商標登録の豆知識を得られて、
・明日から商標登録のことを少しだけドヤ顔で語ることができちゃう!
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1、ツイッターの名称を変更するの?


社名や商品名として付けたい名前と商標登録できる言葉やロゴは、必ずしもイコールではありません。

というかむしろ、社名や商品名は極力シンプルに!と考える人も多いため、いざ商標登録を検討したとき、商標登録へのハードルがバカ高いなんてことも日常茶飯事です。

なので、後々商標登録をする場合には、ネーミングの時点でシンプルすぎるものというのは避けなければなりません。
例えば、数字のみとか、ありふれた名字のみ、単なる地名表記とかですね。

ただ、やっぱりシンプルなネーミングというのは覚えやすく、ながったらしいものよりもはるかに記憶に残りやすいのは確か。

そんなことまで考えていたかは不明ですが(おそらく考えていない?)、
イーロン・マスク氏がツイッターロゴを「X」をモチーフにしたロゴに変更し、名称も今後「X」に変更するとのニュースが飛び込んできました!

(引用:livedoor News様記事より)

デザインされた「X」ロゴもシンプル!
シンプルの極み!!

おそらくイーロン・マスク氏は純然たる意図を持って名称の変更を決定したと思われるものの、やはり商標登録を考えると一抹の不安が。

なんとなく名称およびロゴ変更の社内会議の状況を想像できてしまう豆太郎です。こんなやり取りがきっとあったのかな?なんて思ったり。

イーロンマスク氏 :「新たな名称はどんな風にしようか??」
社内幹部     :「どうしますかね。」
イーロンマスク氏 :「めっちゃシンプルで、『X』なんてどう?」
社内幹部     :「いいですねー!『X』にしましょう!!」

社内のお抱え弁護士弁理士:「(うわー、このパターンきちゃった。名称がシンプルすぎ!!)」
※あくまで妄想です。

2、なぜ「X」は避けた方が良かったのか?


結論、ブランド価値を保護しにくくなるからです。

正直、「X」のブランド価値を保護することについては、今後とんでもない苦難が待ち受けていそうだと感じざるをえません。

Xはアルファベット一文字にすぎないので、普通の文字書体(ロゴ化などされていないもの)では「基本的に」商標登録ができません。
アルファベット一文字を一企業に独占させることは、それがたとえ一部の権利範囲であろうと、人々の使用を不当に制限し自由使用の範囲を狭めてしまいますからね。

となると、今回のロゴ化された「X」はその外観が特徴であることを理由として、まずはロゴ化された「X」で商標登録を狙っていると思われます。

ただ、この場合ロゴの「X」で一旦商標登録することになりますので、基本的にはロゴデザインをもマネした場合にのみ権利行使できることになります。

そして、ここからが極めて重要なのですが、

アルファベット一文字のXの使用は原則使用を止めることができません。

つまり、「X」ロゴで商標登録できたとしても、アルファベット一文字のXの使用を止められないことによる、ブランドの保護の図りにくさやブランドの便乗使用を食い止めにくい状況になることなどが容易に想像つくのです。

3、弁護士弁理士が狙っている奥の手は?


実は、アルファベット一文字で、かつロゴ化がされなくても商標登録できる場合があります。

それは、

そのアルファベット一文字であってもその一文字が企業名・企業の商品名等を示すものとしてめちゃくちゃ有名となればOK(商標法3条2項)

というものです。

ツイッター社を代理する日本の弁護士弁理士は、日本で商標登録することについて、

「めちゃくちゃ有名だから、(ロゴ化されていない)「X」でも登録を認めて欲しい。」

ということを狙っているのかもしれないとふと感じました。

実はこのちょー有名パターン(商標法3条2項)による商標登録については、あの有名自動車メーカーも適用を受けていました。

そう。
メルセデスベンツの商標「EQ」です。

こちらの商標「EQ」はロゴ化の程度は乏しく、少なくとも特徴的なロゴかと言われれば、そうでもないと感じます。

しかし、

「EQ」はとっても有名であるため、例外的に登録を認めましょう

と日本国の特許庁および裁判所は判断しています。

ツイッター社はもしかするとこのケースも視野に入れているのかなと感じます。
そもそも、ツイッターはSNSとして世界中で有名ですからね。言わずもがなですが。

なので、この状況を利用してロゴ化されていない「X」でも有名ですよねということを主張していくことも考えられそうです。
もちろん、アルファベット一文字ですので、とてつもなくハードルは高いですけれども。。。




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