特別に、ましてや一番なんかには
これから先の人生で、何かの1番になることはきっと無いと思う。
そうなるだけの努力は嫌いだし、頑張ることも避けてきて、真剣という言葉から目を背けた。
最下位では無いが、特筆されることもなく、記憶に残らないような人生。ダイジェストにすらして貰えないような、そんな一生。
時々落ち込む、何者でもないことにひどく。何者かであろうとした事なんてないのに、何故か時々その歪んだ憧れや嫉妬が顔を出す。
ここからまた、大学院の入試だとか、資格試験、そこから更に入社試験、その後も、またその後も、ずっと何かしらの問題が私を殺す気で待っている。
たぶん、殺される。
何もしてないのに越えられる訳が無い、何かした者ですら、越えられないことが常なのに。
生きていく上、勉学や運動、芸術とか知識、人間関係、それら全てで、
私は特別でもなければ、ましてや一番なんかにはなれなかったし、これからもなれない。
何かでも、誰かでも、一生、無い。
不幸だとは言わない、当然の結果だから。
何もしないものが何も得られない、そんなことは小学生でもわかる理屈だ。
この生き方は楽だと思う。努力や頑張りによって疲れることも、痛むことも、辛いことも、苦しむことも、泣くことも、悲しむことも、絶望することもない。
ただ、気づいてしまった時に、たまに意識してしまったその時に、何も持たない自分が、誰も周りにいない自分が、酷く惨めで、みすぼらしく見えるだけ。
寝て起きたらきっと忘れるくらいの、そんな気まぐれな思いだけれど、
これはきっと、いつでも私を殺すことができる。
でも、怠惰な私は、死にたくないけど、今日は寝る。
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