失格人間紀行(予告)

平凡な大学生だった僕は、ある日全てが面倒くさく感じてしまった。
ふとした思いつきで大学に退学届を、バイト先に辞めるというメールをおくった後に、
最低限の着替えと必需品、
本やゲーム機を売ったお金と少しの貯金、
そして型落ちのカメラを持って旅に出た。
家族には旅に出るとだけ書き置きを残し、
仲の良い数名の友人にも同じようなメッセージを残して。
スマホもパソコンも、僕と見知った誰かを繋げるものは何も無い。
「失格人間」である僕の、人生最後の拙い紀行を読んで欲しいと思う。
行く先々で撮った写真と、旅の中で書いたこの記録だけを遺して、僕は死ぬ。
いつか誰かがこれを見つけた時、捨てられない程度には面白い話でも書けたらいいけど。

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