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聖ちゃん日記 #3

◉第3話 -2015年6月-

楽しくなりたい。聖ちゃんと。
この頃、僕はそればっかりで。
こういうの、黒歴史っていうのかな。

聖ちゃんの心が動く勉強合宿です。同い年のるなちを好きになることと、先生を好きになることって違うのか、同じなのか。遠距離の勝太郎さんと近くにいる黒岩くん。色々比べる回でしたね3話は。「黒岩、岩崎と付き合ってる!」って九重くんの声がプールに響くシーンがすごく青春!って感じがして好きでした。

「ちょっとほっとしてる自分ってどうなの?」

っていう聖ちゃんの心の声も。プールに浮かんでる黒岩くんを映した画が本当に綺麗でキラキラしてて、あ〜夏だなって思いましたね。聖ちゃんが千鶴先生と話す会話もまた良くて。「なんだったのあれは?って」近寄ってくるのに引いていく中3男子を大人の聖ちゃんから見た印象です。実際、黒岩くんはるなちを好きではないんですが。そこから一旦、黒岩くんの方が先生と距離を置こうとするんですね。

先生の部屋で勝太郎さんと鉢合わせしそうになって、自分なんて全然子供だった、完全に負けてるって感じたから。だから同い年のるなちと、人並みの恋をする努力をしようと思った。勉強合宿が始まっても、聖ちゃんにそっけない態度をとるんですが、やっぱり気持ちは聖ちゃんに向いてる。それはるなちにも悪いと思うから「やっぱり岩崎のこと好きじゃない」ってはっきり言うんですね。そのことに対してまわりは黒岩最低って言うけど、きっとるなちってそういう黒岩くんのこと好きなんだろうなって思います。6話以降でずるいってワードをよく使うんですが、るなちから見た黒岩くんって真面目なのがひどい男なんですよ。やっぱり色んな意味で、黒岩くんだけが子供と大人の狭間に存在しているような気がします。

そしてそんな中での書き込み犯発覚ですよ!聖ちゃんを悪く言う書き込みをしていたのが海老原くんだとわかって腹が立つ自分に、ああやっぱり聖ちゃんのことが好きなんだって痛感したんだろうと思います。そしてお母さんが倒れたと聞いてから、駅へ向かうバスの中です。聖ちゃんはまだ事情を知らない。あの座ってる位置とか、震えてる手とかもうぐっときました。それから駅に着いて、全部自分のためにやったことだと知る聖ちゃん。電車に乗った黒岩くんに

「さっきの、ダメだよ殴るなんて。どんなことがあっても。私のためでも」

って言うんです。そんなこと言われてつい手引いちゃう黒岩くんの気持ちわかりますよ! 痛いほど。その後終点に着くまでの列車の中の描写、天才でしたねこれも。揺れる吊り革が映ったり、電車のガタンゴトンって音だけが聞こえる静かな沈黙だったりです。IKEAに行きます、の下りも可愛くてですよ。迷ったけど、手を触れることはしなかった。この時点では。でもその間の無言の空気感というか、視線が動く黒岩くんと動かない聖ちゃんがもう明らかに答えなんですよね。

そして最後、帰り際、ありがとうって叫んだ黒岩くんにまた心が動いた。3話では完全に、いち生徒の黒岩くんに惹かれている自分に気付くんですが、でもですよ。

「生徒だよ。終わるよ聖」

って千鶴先生に言われるシーンの聖ちゃんが、儚くて本当に好きなんです。やっぱり聖ちゃんには黒岩くんからのありがとうが、黒岩くんからの「先生」って言葉が一番効くんですよね。ふがいない自分だけど、いつでもその価値を認めてくれる存在だから。蛍光灯に照らされた聖ちゃんの横顔とあの涙を見ながらの主題歌はしんどかったですね。ここから話がしっかり動いていくんですけれども、やっぱり子星中編って本当にどこをとっても儚いんですよ。グラングラン揺れてますね全員が。そんな、聖ちゃんのいる中学3年ももう少しで終わってしまうと思うと切ない気持ちになります。


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