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読書記録①

※ネタバレあります。


うまれてはじめて手に取った育児に関する本はこの「3000万語の格差」だった。昔から学術的な読みものが好きだったのもあり、購入。

子に対して特別知的に育ってほしいという願望はないのだけど、「やれるはずだったこと」を知識不足でできなかったというのが嫌でまずは話しかけからだなと思ったのが気にいったところだった。

実は読了までに5回は後悔した。
無知な私がインプットするにはすさまじい知識の量で、読み進める手が何度も止まり、最終的にはメモをとりながら読むことになってしまった。
本を読む習慣を取り戻さなくては。



文章の特徴としては感情が少なく論理に基づいた内容。好みだった。情緒的ではないけれどポジティブな気持ちで読了できる良本。
そして、とにかく目から鱗の情報が多い!!
知らなかった世界と出会えてとても楽しかった。

本題とは逸れる部分でも興味を持ったこともいくつかある。端折っているのでミスリードもあるかもしれないけど、私の解釈として残しておきたい。

①話しかけをするだけのゆとりを。

所得と学力は比例する。

これは聞いたことのある話だったけど、「お金がある=学力が高い」ではないという解釈が面白い。
高所得層の方が家族に使えるエネルギー量が多いだろうし、家庭内で飛び交う言葉の量も質も多くなるらしい。特に「話しかけ量」「禁止語を使わない」「親同士の会話量」「すべきベースの会話ではなく応対的なコミュニケーション」が重要という話だった。
わが家では、私の復職時期について議論した時に「どの選択が1番私たちにとって心に余裕をもたらしてくれるか」という着眼点に重きを置いていた。
筆者の話とは逆行しているけど、夫の仕事が今山場ということもあり、限られた時間で息子ファーストな行動やお互いへの配慮をすることがイメージできずに復職時期を先送りにした。
そういう意味では所得は下がっても言葉がけの質を上げる、というのは可能な話じゃないかなと個人的には思う。


②自己肯定感の構築

「人」ではなく「過程」を褒める
持って生まれた能力、としてではなく、挑戦や努力を褒めるとチャレンジ精神が養われて、自己肯定感が高まるという話。
私自身が親からどんな言葉を受けて育ってきたかはあまり記憶にないけど、自分のことを言われているような感覚。
私は実親に能力について褒められたことがない。そして、成果を求められ、過度に褒められたこともない。子供ながらにドライな親だと思っていたが逆だったのかもしれないとふと気づいた。
今でもその姿勢は変わらなく、寂しく感じることがあるくらいだけど、そのおかげなのかどんなことをしてもある程度まで突き詰められるし、できると信じていると思う。
成果が出たとき、能力が発揮できたとき、ついついそのこと自体を楽に褒めようとしてしまうけど、もっと過程の部分を見てあげられるように今の乳幼児のうちから私自身も訓練していく必要があるな。


③子供の意思主導で

3つのT

これがこの本の心臓部。このための272ページだけど、シンプルでよい。そして特別奇抜なアイデアでもないというのがポイント。(なので、たくさんのアイデアが欲しい人には不向きな本なのかも)

Tune in→子供が集中してることに一緒に集中する
Talk more→子供が集中してることやものへの言葉を増やす
Take Turns→子供の反応を待つ

たったこれだけ。もちろんこれらについての詳細は本文で語られています。
子供と一緒に遊ぶ、というのは意外と難しくて、なにしたらいいかわからず、こちらから遊びの内容を提案しそうにしばしばなってしまう。
でもそうじゃなくて、子供が興味を持ってることに一緒に入り込み、世界を広げるサポートをする必要があるというのが自分にとっては新鮮だった。実際にやってみると難しくて、ついこちらから遊びを誘導しようとしてしまう。
文中には明確に繋がってるものとしては語られていないけど、空間認識能力を高めるために数字や大きさ、形について話すといいとあって、言葉がけが下手な私はまずここからナレーション的に遊びに参加させてもらうのがいいかな。
それから、この本ではないけれど、感情に名前をつけて共感してあげることが大切とどこかで読んだ。
そういった言葉がけも取り入れることで言葉がけのバリエーションを増やしていけたらな。


④禁止の緩和と言語化
命令や指示は避けるべき。
というのはどこでも語られることだけど、ついやってしまう。親である自分に驕ってしまうのかな。。命令や指示は脳の思考を停止させてしまう、これくらい過激な書き方をされるとドキッとした。

でも本当にその通り。
激しく怒りをぶつけたりすることは何の意味もなく、自分の感情を整理する方法が分からなくなって出てしまったアウトプットに過ぎない。
ここに書かれているように冷静に「なぜなら思考」で話すことで自分の中でも冷静になる瞬間ができるのかなと思うので、これは正しい習慣にしたい。
なぜそれをしてはいけないのかって大人になったら無意識でやってる部分もあるから、しっかり、分かりやすい言葉で言語化していく必要があるね。



総じて、親としてはハッとすることが多かった。
④に通ずる話でもあるけど、どんな背景でその論理なのかということを知ることで横展開できることも増える。実際、この本を読んでから、日々の子供とのコミュニケーションが大きく変わった。
言葉がけが苦手な私にはこういう行動の根本に染み渡るような内容が合ってるのかもしれない。

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