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〈録画配信&まとめ記事〉高橋宗瑠さんに聞く「ビジネスと人権」の視点

大分と時間が経ってしまい恐縮ですが、3月27日に開催したZoomイベントの録画映像と報告記事をアップします。

このイベントは、毎年3月に世界中のパレスチナ連帯運動、とりわけBDS運動に関わる市民グループが連携して行っている「イスラエル・アパルトヘイト週間」の一環として取り組まれたものです。今年も、イスラエルのアパルトヘイト政策に関する啓蒙イベントが、世界中の都市やオンラインで開催されました。

今回、BJBでは、元国連人権弁務官事務所パレスチナ副代表で、現在大阪女学院大学院教授の高橋宗瑠さんにインタビュー形式で話を伺いました。お話していただいた話題は、以下の8点です。

話題1:2009年から2014年まで国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副代表を務められたということで、その間ラマッラーで長く生活されていたかと思いますが、具体的にどのような仕事をされていたのでしょう?

話題2:国連におられた時期、人権理事会で入植地ビジネスに対する規制を求める議論が本格化しつつあったと思います。イスラエルロビーの動きを含め、当時、この動きをめぐるせめぎ合いのようなものについて、印象に残っているエピソードなどありますか?

話題3:「どっちもどっち論」的なパレスチナ問題認識の人が多い中で、高橋さんはそういう気配が全くないように思います。ご自身では、その辺の立ち位置についてどう認識されていますか?

話題4:ご著書『パレスチナ人は苦しみ続ける:なぜ国連は解決できないのか』の中で、パレスチナ問題が国連人権理事会の常設議題となっていることについて、いくぶん公平性に欠けると書かれています。このことについてもう少し詳しくお話いただけないでしょうか?

話題5:「ビジネスと人権リソースセンター」日本代表をされていた時期、対イスラエルBDS(ボイコット・資本引き揚げ・制裁)運動といろいろなかたちで連携していただきました。日本のBDS運動がより発展するためのアドバイス等あれば、よろしくお願いします。

話題6:この数年、様々な機関・NGOがイスラエルのパレスチナ人政策がアパルトヘイト禁止条約が定めるところのアパルトヘイトに相当するとした報告書を出すようになりました。ICCの捜査も始まっています。このような流れについてどう思われますか?

話題7:ウクライナ侵攻後のロシアに対する国際的な制裁の動きの素早さは、イスラエルに対する国際社会の動きの鈍さを際立たせたように思います。同時に国連の権威そのものの低下が免れ得ないようにも思われます。この間の動きについてどのように感じていますか?

話題8:国連人権理事会特別報告者の最新の報告書はアパルトヘイトを認める内容ですが、イスラエルのパレスチナ市民やパレスチナ難民に対する体系的な人種差別を対象としておらず、国連の現在の限界も示しています。高橋さんはこの報告書をどう評価しますか?

以上のテーマについて丁寧なお話を伺った後、いくつか、参加者の方からの質問や意見にも答えていただきました。イスラエルの右傾化が止まらない現状を憂慮する声に対して、イスラエルの中からの変革は非常に難しい状況であり、BDS運動こそが現状を変えていく鍵の一つだとの心強い言葉で話を締めくくっていただきました。

高橋さん、お忙しい中でのご出演、ありがとうございました。


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