見出し画像

卒業文集〜とうちこ〜

我ら3年ε組が得た文化体育祭優勝

3年ε組   統治行 為論

 私のとうちこ中学での一番の思い出はなんといっても第55回文化体育祭で所属したクラスε組で優勝を手に入れることができたことです。

 午前はδ組がクラス展示や徒競走、ムエタイ競技で他クラスを圧倒し、我々は諦めムードでしたが、担任の山田先生がボクシング競技中に私たちを鼓舞してくれた「肘でもいいから目に入れろ!」、この言葉が忘れられません。

 私にとって一番思い出深かった競技は、何と言ってもδ組との点数差を逆転させた借り物競争です。ε組の代表者に選ばれた私は何としても負けられないと使命に燃えていました。そこで思いついた作戦はδ組の借り物のお題の紙を書き換えることでした。隣の席の石橋くんが思いついた作戦です。このお題書き換えの遂行手段や、書き換えたお題の内容を私は聞かされませんでしたが、スタート前に石橋くんがサムズアップをしていたので安心してスタート位置につけました。
 レース序盤はδ組の高橋くんが鍛え抜いた肉体、恵まれた体格、磨き抜かれたモンゴリアン柔術を存分に活かして周りの選手は蹴散らされてしまいました。私が周りの人の靴紐を解きお題表の台に着いた頃に、高橋くんが何かを思いついた顔で校舎に向かって走っていきました。私に出されたお題はペットボトルだったので、すぐ横の放送席の水の入ったペットボトルを貸していただき一着でゴールができました。ゴール先で待っていてくれた担任の山田先生やクラスメイトの嬉しそうな顔がいまでも忘れられません。借り物競走は高橋くんが行方不明になってしまったのでδ組が最下位という判定をくだされ、ここで逆転できました。

 いろいろな思い出が詰まった私たちのクラスでした。山田先生はボクシングでの野次が教師内で問題視され一緒に卒業式を迎えられませんが、私はこのクラスでの暮らしが最高でした。消えた高橋くん、クラスメイトの石橋くん、馬、うさぎ、インコ...バラバラになってもみんなのことは絶対忘れないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?