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「挑戦のその先に」第1回 (執筆者:ルートインBCリーグ代表村山哲二)


ルートインBCリーグ代表の村山哲二です。2021年のドラフト会議が終わりました。過去最多、37名に70通近い調査書がNPB球団から届きました。7名が指名を受けた反面、30名が涙を飲みました。ルートインBCリーグ代表の立場でドラフト会議とそれに挑んだ選手達を2回に分けて紹介します。第1回は指名を受けた7名の選手に、第2回は指名を逃した7名の選手に、私の目線で「エール」を送ります。




①岩田幸宏(信濃グランセローズ・外野手・左投げ左打ち)東京ヤクルトスワローズ育成1位

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強豪社会人チームから活躍の場を求めてルートインBCリーグに来て2年目。野球界で最もドラフト指名されるのが難しいと言われる左打ち、アベレージヒッターの外野手です。

昨年もドラフト指名が期待されながら名前が呼ばれませんでしたが、11月に彼と話す機会あった際、完全に今年のドラフトに切り替えていました。その時の彼の言葉を良く憶えています。

“私は足と守備は自信がありますが、今の打撃ではドラフト指名されないと思っているので、このオフに徹底的にバットを振り込んで、打率と出塁率、盗塁数を上げて必ず来年は指名されるように頑張ります”

今シーズン、彼の打撃は驚く程、進化を遂げました。打率も盗塁数も昨年を上回り、複数球団のスカウトから名前がでるようになりました。

圧巻だったのが、9月23日に行われたBCリーグドラフト候補選抜対巨人3軍との試合。彼は3打数3安打と抜群のバットコントロールと力強い打球を飛ばして全打席で出塁しました。しかし集結したスカウトを最も唸らせたのは彼の一番の武器である「足」でした。その日の捕手は強肩で知られる支配下の若手捕手から2つの盗塁を決めて、野手では圧倒的なパフォーマンスを披露しました。その後、多くの球団から調査書が届いた事は言うまでもありません。

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