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ビットコイン・デイリーレポート2024.7.16(2024.7.15)「ほぼトラ」トレード、ビットコイン急伸、63,000ドル台回復

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ


市況概況(ビットコイン)
 15日のビットコインは続伸。BTCUSDはアジア時間帯に61,000ドル台に到達すると、ほぼ右肩上がりの展開となり、NYクローズにかけて63,000ドル台後半まで上昇した。政府や大口保有者の売却圧力が引き続き警戒されているが、その一つだったドイツの政府機関・連邦刑事警察庁(BKA)の取引所への送金が完了し保有残高が無くなったことが警戒感を薄れさせたほか、米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のキャッシュフロー推計値が先週末の時点で6営業日連続プラスを記録したことも支援要因となった。BKAの取引所への送金については、同時に取引所での売却が行われたと見られる。また、週開けの金融市場ではトランプ前大統領の暗殺未遂事件を経てトランプ陣営や共和党の勢いが増したことで「ほぼトラ」トレードが進行。外国為替市場ではドル高が進んだものの、暗号資産業界と友好的な関係を持つトランプ前大統領の選挙戦での優位性が増したことを受けミームコインを含む暗号資産全般や取引所やその関連株が大きく上昇した。これら一連の動きを受けて15日の取引ではデリバティブのショートポジションの解消が進んだ。Coin Glassのデータによると、暗号資産デリバティブのショートポジションの清算は1億3786万ドル、それに対しロングポジションの清算は2801万ドルだった。そのうちビットコインはショートポジションの清算が6584万ドル、ロングポジションの清算は977万ドルだった。このまま民主党の対応が遅れ、バイデン大統領の失速が続くようなら、「ほぼトラ」からより明確な前回トランプ前大統領が就任後に起こった「トランプトレード」へ11月の大統領選を待たずに前倒しで移行して行く可能性もあり得る。
 15日から中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで4日間にわたって行われる共和党大会の初日、トランプ前大統領は共和党の正式な候補者として賛成多数で指名された。注目されていた副大統領候補にはオハイオ州上院議員のJ・D・バンス氏が指名された。同氏は「アメリカ・ファースト」などトランプ前大統領に非常に近い政策理念を持ち、暗号資産についても米証券取引委員会(SEC)の対応を強く非難してきた。また、同氏は暗号資産業界を規制する法案(FIT21)の作成に取り組んでおり、5月に下院に提出されたFIT21を修正し、暗号資産業界により友好的なものにする計画があると一部の米メディアでは報じられている。尚、FIT21は業界を規制する法案だが、暗号資産に否定的なSECから商品先物取引委員会(CFTC)へ権限の委譲を盛り込んでいる。業界関連ではビットコインの年次カンファレンスを主催するThe Bitcoin Conferenceは15日、今月25〜27日に開催される「ビットコイン2024」にトランプ前大統領が予定通り出席する意向だと発表した。年次カンファレンスはテネシー州ナッシュビルで開催され、トランプ前大統領の講演も予定されている。
 また、この日パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はワシントン経済クラブ主催の会合で講演を行い、物価上昇ペースがFRBの目標に正常な形で戻りつつあるという確信をいくらか強めるものだったと述べたほか、米経済のハードランディングの可能性は低下していると述べた。一方で利下げに時期については何も語らず、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ及び年内3回の利下げ観測は後退した。これを受けて年内は2回の利下げという見方が現在は有力視されている。

※11日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフロー推計値はプラス7893万ドル。(プラスは5営業日連続)
※12日の推計値はプラス3億1020万ドル。(プラスは6営業日連続)
※15日分は日本時間16日午後に出揃う予定。

※15日のドミナンスは54.845%。

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