ビットコイン・デイリーレポート2024.7.11(2024.7.10)ETFへ大規模流入、独BKAの送金続く
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
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市況概況(ビットコイン)
10日のビットコインは小幅続伸。BTCUSDは前日の流れを引き継ぐなかアジア時間帯は堅調に推移した。特に日本時間午後になって米国で上場されているスポットビットコインの上場投資信託(ETF)のキャッシュフロー推計値が出揃うと、3営業日連続で大規模な流入となったことに素直に反応、59,500ドル台まで上昇した。尚、9日のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフロー推計値はプラス2億1633万ドル。3営業日連続でプラスとなり、この間の流入額は6億5433万ドルに達した。この日の主な内訳はブラック・ロックのIBITがプラス1億2103万ドル、次いでフィデリティのFBTCがプラス9095万ドル、21SharesのARKBがプラス4330万ドル。一方、グレイ・スケールのGBTC は3750万ドルの流出となった。
その後はやや伸び悩みつつも、この日の高値圏を維持していたが、欧州時間帯に入るとドイツの政府機関・連邦刑事警察庁(BKA)からの送金が確認され始めると徐々に軟化しNYクローズにかけて上昇幅を縮小する展開となった。ただ、ETFへの流入を受けた上昇分はほぼ喪失したものの、57,000ドル台は維持されており、現在は57,500ドル付近で取引されている。オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると10日欧州時間帯に入ると、ドイツの政府機関・連邦刑事警察庁(BKA)は前日に続きビットコインを複数のアドレスへ送金した。内訳は、特定されていないアドレス(bc1qu3jdm・・・)へ190BTC、500BTC、200BTCの合計940BTC、Krakenへは750BTC、375BTCの合計1125BTC、Flow Tradersへは1000BTC、127.391BTC、3000BTCの合計4127.391BTC、Coinbaseへは500BTC、375BTCの合計875BTC、特定されていないアドレス(139PoPE1b・・・)へは1500BTC、750BTC、1000BTCの合計3250BTCへ送金した。この日BKAは10,853BTCを送金した。
一方、この日も終盤になって逆にBKAへの送金が続いた。Krakenから4回に分けて合計903BTC、Bitstampから10BTC、特定されていない複数のアドレスから合計1529BTCがBKAに送金された。この日のBKAへの送金は合計2442BTC。現在、BKAのウォレットには前日の23,964BTCから8412BTC減の15,552BTCが保管されている。今後もBKAの取引所への送金は行政上の手続きとして続くと予想されるが、BKAのウォレットに保管されているビットコイン量は送金が始まる前の3分の1以下まで減少しており、BKAの送金に対する市場の過度な警戒感は和らぎつつある。
ただ、マウント・ゴックス社(Mt社)の弁済開始による債権者の売りや米政府が保管する暗号資産の売却懸念、休眠状態だった大口保有者(クジラ)のウォレットが最近動き出していることへの警戒感が燻っており、これらの新たな動きには今後も注意が必要になるだろう。
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