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ビットコイン・デイリーレポート2024.7.24(2024.7.23)ビットコインは反落、トランプ・トレード巻き戻し、Mt社送金再開イーサリアムはスポットETF、米国で8銘柄上場


株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 23日のビットコインは反落。BTCUSDはアジア時間帯序盤から軟調に推移した。米大統領選からのバイデン大統領の撤退後、ハリス副大統領が候補者指名に必要な数の代議員の支持を確保したと伝わったことで、「ほぼトラ」を前提としたトランプ・トレードが一巡、ポジションの巻き戻しが強まった。また、日本時間午後には前日にテスト送金が確認されていた2014年に破綻したマウント・ゴックス社(Mt社)が42,587BTC、5110BTCを未知のアドレスへ送金したことが確認されると下げ幅を拡大する展開となり、米国時間帯終盤には65,500ドル付近まで下落した。この送金は後にMt社の別のアドレスと判明したが、Bitstampへ1,980BTC、382.377BTCの送金が確認された。また、7月16日にMt社から48,641BTCを受け取っていたKrakenが債権者に対しビットコインとビットコインキャッシュの支払いを開始したと伝わったこともあり、債権者による売り圧力を警戒する動きが強まった。一方で、米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)への流入は続いている。22日の取引での11銘柄のトータルキャッシュフローはプラス4億8588万ドルとなり、12営業日連続で流入を記録し、これが下支え要因になった。

※22日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億8588万ドル。(12営業日連続の流入)

 BTCJPYも同様に反落。特に外国為替市場での円全面高が下押し圧力を強め、米国時間帯終盤には1020万円付近まで下落した。この日のドル円は157円台から一時155.375円まで円高が進んだ。今月末に日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、日米の金利差縮小が意識されているほか、政府関係者からの日銀への利上げ要求を受けて円の買い戻しが進んだ。この日も先週の河野デジタル相に続いて、自民党の茂木幹事長が「日銀は段階的な利上げの検討も含めて、金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と述べている。FOMCは今会合で利下げは見送られる見通しだが、利下げへ向けた何らかのシグナルが示されることが警戒されているほか、日銀の会合では利上げもしくは同様に利上げへ向けた一歩踏み込んだ声明文の変更や総裁会見で語られることへの警戒感が増している模様。足元でドル円は155円が心理的・テクニカル両面でのサポートと見ているが、このまま円高が進むようならBTCJPYにも影響を及ぼし、上値抑制、下振れ拡大という展開が続く可能性もあり得る。

※23日のドミナンスは55.277%。


市況概況(イーサリアム)
 23日のイーサリアムはほぼレンジ内の動き。ETHUSDは欧州時間帯に3550ドル付近まで上昇したが、その後は失速し米国時間帯には3396ドルまで下落し前日の安値を割り込んだ。終盤は切り返したものの、前日とほぼ同水準の3400ドル台後半で取引されている。この日は米国で8社のETFの取引が始まったが、市場への影響は特に見られなかった。米シカゴ・オプション取引所(CBOE)では「Fidelity・Ethereum・Fund」、「Franklin・Ethereum ETF」、「Invesco Galaxy・Ethereum ETF」、「VanEck・Ethereum ETF」、「21Shares・core・Ethereum ETF」の5銘柄。ナスダック(NASDAQ)では「iShares Ethereum Trust」の1銘柄。ニューヨーク証券取引所(NYSE)では「Grayscale Ethereum Mini Trust」と「Bitwise Ethereum ETF」の2銘柄が上場された。尚、初日は10億ドル以上の取引があったと見られる。この日は特に大きな動きは見られなかったが、ETFが順調に保有残高を増やしていくような展開になると、市場から信託に移されることになり、結果需給が引き締まり、長期的にはETHにとってプラス材料になってくるだろう。

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