ビットコイン・デイリーレポート2024.8.9（2024.8.8）
リスクオンムード受け反発、ビットコインは節目の60,000ドル台回復
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
市況概況（ビットコイン）
8日のビットコインは反発。BTCUSDは前日終盤の下落が一巡すると、アジア時間帯序盤には54,700ドルをサポートに切り返し57,000ドル台を回復した。その後は欧州時間帯にかけて伸び悩んだものの、57,000ドル台は維持しつつ確りと推移した。日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託（ETF）の7日のトータルキャッシュフローがプラス4513万ドルとなり、3営業日ぶりに流入となったことが支援要因になった。
米国時間帯序盤には米労働省が発表した新規失業保険申請件数が前週から大幅に減少したことを受け労働市場の悪化に対する過度な警戒感が後退、リスクオンムードが広がるなか買い先行の展開となり59,000ドル台まで上昇した。先週、発表された米雇用統計の悪化はハリケーンの上陸などの影響による一時的なものに留まる可能性が意識された模様。この日は米株式市場も主要3指数が揃って上昇、米10年債利回りも一時は4.0％を超えるなど上昇した。ただ、昨日、今日と重要な経済指標の発表はなく、通常時ならそれほど重要視されない失業保険申請件数をきっかけとしたリスクオンムードの回復であり、その持続性についての判断は最低でも来週公表予定の米小売売上高などの結果を待つ必要があるだろう。尚、米労働省が発表した8月3日までの１週間の新規失業保険申請件数（季節調整済み）は、23万3000件と前週から1万7000件減少した。市場予想の24万を大幅に下回ったほか、約11カ月ぶりの大幅な減少となった。また、この結果を受けてシカゴ・マーカンタイル取引所（CME）がフェデラルファンド（FF）金利先物から算出するFedWatch ツールによると、9月の米連邦公開市場委員会（FOMC）での50bpの利下げ確率は前日の69.0％から現時点で56.5％まで低下。一方、25bpの利下げ確率は前日の31％から43.5％へ上昇した。
BTCJPYも同様にアジア時間帯序盤、米国時間帯序盤と2段階で水準を切り上げ、870万円台まで上昇した。また、アジア時間帯から欧州時間帯にかけてドル円はやや円高に振れていたものの、米失業保険申請件数の減少を受けて円安が進み147円台を回復したことも支援要因になった。
暗号資産関連ニュースでは日本時間8日早朝、The Blockは関係筋の話として米政府高官と暗号資産関連企業トップがオンラインで会談したと報じた。出席者は米政府からはワリー・アデイェモ米財務副長官、ラエル・ブレイナード国家経済会議議長、ブルース・リード大統領首席補佐官代理、カマラ・ハリス副大統領のクリスティン・ルシウス立法問題担当部長など。暗号資産関連企業からはリップル社の幹部ブラッド・ガーリングハウス氏とクリス・ラーセン氏、ユニスワップ社のCEOヘイデン・アダムス氏、ステラ開発財団のデネル・ディクソン氏、サークル社のCEOジェレミー・アレール氏、投資家のマーク・キューバン氏、コインベースの最高法務責任者ポール・グレワル氏、元ホワイトハウス広報部長アンソニー・スカラムチ氏が出席した。双方から多少の「不満の表明」もあったが、規制当局が何を求めるべきか、雇用と経済への影響に重点を置くことなど、事例や政策についても話し合ったという。
市況概況（イーサリアム）
8日のイーサリアムは反発。ETHUSDはアジア時間帯序盤に2470ドルまで上昇したが、その後は欧州時間帯にかけてやや伸び悩んだ。日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットイーサリアムETFの7日のトータルキャッシュフローが再びマイナスとなったことが上値を圧迫した。ただ、7日の流出も転換型で手数料の割高なGrayscale のETHEのみで流出額は引き続き減少。一方、その他ETFは低調ながらも流入となっており、トータルでのキャッシュフローには改善傾向が見られる。その後、米国時間帯では失業保険申請件数の減少を受け金融市場全般にリスクオンムードが広がるなか上昇幅を拡大し2500ドル台を回復し、一時は2600ドル台まで上昇した。
ETHJPYも同様に反発した。ETHUSDの上昇や外国為替市場での円安が支援要因となり、米国時間地には380,000円台まで上昇した。
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