ビットコイン・デイリーレポート2024.9.18（2024. 9.17）イベントリスク（FOMC）控えビットコインドミナンス上昇
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市場調査室
暗号資産グループ
市況概況（ビットコイン）
17日のビットコインは反発。BTCUSDは前日までの売りが一巡しアジア時間帯には57,500～58,400ドルのレンジで伸び悩む場面も見られたが、その後は57,500円を下値支持に堅調に推移した。日本時間午後に出揃った米国のスポットビットコイン上場投資信託（ETF）の16日のトータルキャッシュフローがプラス1290万ドルとなり、3営業日連続で流入となったことや米連邦公開市場委員会（FOMC）での大幅利下げ観測が支援要因になった。
米国時間帯では複数の経済統計が発表され、米小売売上高が市場予想を上回ったほか、米鉱工業生産も市場予想を上回り、米経済の底堅さが示された。ただ、金融市場はFOMCの結果発表を控え全般的に様子見姿勢が強まっており、9月のFOMCでの50bpへの利下げ確率に大きな変動はなかった。一方、暗号資産市場ではビットコインドミナンスが上昇しており、イベントリスク回避目的でアルトコインからビットコインへと資金が移動したと見られ、BTCUSDは一時61,340ドルまで上昇した。尚、ビットコインドミナンスは米国時間帯には58.50％まで上昇した。その後は、ロンドンフィックス通過を経て利益確定の売りに押され節目の60,000ドルを割り込む場面も見られたが、終盤には59,700ドルを下値支持に切り返し60,000ドル台を回復した。
この日、米商務省が発表した8月の小売売上高は季節調整済みで前月比0.1％増となり、前月の1.1％増から減速となったものの、市場予想の0.2％減に反し前月から増加した。また、米連邦準備理事会（FRB）が発表した8月の鉱工業生産・製造業生産指数は季節調整済みで前月比0.9％上昇となり、市場予想の0.3％上昇を大幅に上回った。7月は前回発表時点の0.3％低下から0.7％低下へ下方修正された。一方、この日発表されたこれらの経済統計はFRBの大幅利下げを容認する内容ではなかったものの、シカゴマーカンタイル取引所（CME）が30日物FF金利先物から算出するFOMCでの金利見通し（FedWatch ）では50bpの利下げ確率が63％と前日の62％からわずかながら上昇した。ただ、金融市場では25bpの利下げ予想も根強く、株式市場や為替市場では結果待ちのムードが強く、市場参加者らは慎重な姿勢を維持している。
17日のBTCJPYは反発。810万円を下値支持に堅調に推移すると、BTCUSDの上昇や円高一服を受けて米国時間帯には869万円付近まで上昇した。その後は利益確定の売りに押され848万円付近で軟化する場面も見られたが、前日比プラス圏を維持しており、現在は855万円付近で取引されている。この日の外国為替市場では欧州時間帯から主要通貨に対し円売りが優勢になった。FOMCを控えポジション調整の売買が中心になったと見られ、ドル円は米国時間帯終盤には142円台まで円安が進んだ。また、この日発表された米経済指標で米経済の底堅さが示されたこともドルの買い戻しを誘ったと見られる。ただ、引き続き9月のFOMCでの50bpの利下げ観測が優勢となっている。
市況概況（イーサリアム）
17日のイーサリアムは反発。ETHUSDは前日までの下落が一巡し、アジア時間帯には2268～2318ドル付近で伸び悩む場面も見られたが、その後は堅調に推移し米国時間帯中盤には2396ドル付近まで上昇した。ただ、NYクローズにかけてはプラス圏は維持したものの、利益確定の売りに押され上昇幅を縮小する展開になった。引き続きETFの低迷や大型アップデートによる需給の緩みが意識されている模様。ドミナンスも今週に入って13％台が続いており、BTCに次ぐ優位性も低下している。
17日のETHJPYは反発。ETHUSDの上昇や外国為替市場での円安を支援要因に米国時間帯中盤には339,700円付近まで上昇した。ただ、その後は利益確定の売りに押され上昇幅を縮小する展開となり、現在は331,000付近で取引されている。
（当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています）
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