ビットコイン・デイリーレポート2024.7.12（2024.7.11）米CPIは支援要因も58,000～60,000ドルの抵抗に上昇続かず
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市況概況（ビットコイン）
11日のビットコインは米国時間帯に反落。BTCUSDはアジア時間帯では一時的に57,000ドル付近まで軟化する場面も見られたが全般的に堅調に推移した。10日の米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託（ETF）のキャッシュフロー推計値が3営業日連続でプラスを記録したほか、ドイツの政府機関・連邦刑事警察庁（BKA）の売却圧力が低下していることが好感され買いが先行する展開となった。また、先月下旬以降の下落局面では外国為替市場や株式市場との連動性が失われていたが、この日は米消消費者物価指数（CPI）の発表を控え、年内の利下げ観測を背景とした外国為替市場でのドル安も支援要因になっていた模様。
この日も欧州時間帯に入ると、ドイツの政府機関・連邦刑事警察庁（BKA）は前日に続き複数のアドレスへの送金を開始したが、特に市場の反応は見られず、引き続き堅調に推移した。その後、米労働省が6月の消費者物価指数（CPI）を発表すると、前月比、前年同月比ともに市場予想を下回って前月から低下したことを受け、市場が年内利下げを織り込む取引が活発化するなかドルが急落した。この動きに素直に反応したBTCUSDはCPI発表直後に59,500ドルまで上昇した。ただ、特に目立った材料は見られなかったものの、上昇局面で前日に続き節目の60,000ドル台に届かなかったことや先月終盤の急落の影響が残るなかで買いは続かず、この日の高値を付けた直後から反落した。その後、NYクローズにかけてこの日の上昇分をほぼ失い、現在は57,200ドル付近で取引されている。テクニカル的に58,000～60,000ドルの水準は目先の抵抗として意識されているほか、マウント・ゴックス社（Mt社）の弁済開始による債権者の売りや米政府が保管する暗号資産の売却懸念、休眠状態だった大口保有者（クジラ）のウォレットが最近動き出していることへの警戒感も58,000ドル以上の水準では売り圧力を強める要因になっていると見られる。尚、この日米労働省が発表した6月のコアCPIは前月比0.1％となり、市場予想、前月の0.2％を下回る低下となった。前年同月比も同様に市場予想、前月の3.4％を下回り3.0％へ低下した。この結果を受けシカゴマーカンタイル取引所（CME）が金利先物の価格データを基に算出するFedWatchツールの9月の米連邦公開市場委員会（FOMC）での5.00-5.25bpsへの利下げ確率は前日の69.7％から84.6％まで上昇した。また、金利先物市場では12月のFOMCまでに年内3回の利下げを織り込む動きも見られた。
このほか、外国為替市場では円が急伸。ドル円は一時157.40付近まで円高が進んだ。一部報道では関係者の話として円買い介入があったと報じているものの、財務省や神田財務官は明確な回答を拒否している。ただ、CPI直後のドル売りの流れを見て介入を仕掛けたとすれば財務省は最大限の効果が発揮できるポイントとして介入を実施しても不思議ではなく、現に161.50円付近からの円の急伸は介入によって引き起こされた動きのように見える。一方、この急激な円高によってBTCJPYはCPI直後の下落幅がドル建てに比べ拡大し、前日の安値を割り込み900万円台へと下落している。
尚、オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス（Arkham）によると11日、BKAはこの日もビットコインを複数のアドレスへ送金した。内訳は、Krakenへ375BTC、200BTC、400BTC、合計975BTC、Coinbaseへ375BTC、300BTC、400BTC、合計1075BTC、特定されていないアドレス（bc1qu3jdm・・・）へ250BTC、500BTC、500BTC、合計1250BTC、Bitstampへ375BTC、500BTC、700BTC、合計1575BTC、特定されていない別のアドレス（139PoPE1b・・・）へ1000BTC、1500BTC、1000BTC、合計3500BTC、Cumberland DRWへ151.977BTC、100BTC、合計251.977BTC、Flow Tradersへ2000BTCを送金した。この日のBKAは合計10,626.977BTCを送金した。一方、この日も終盤になって逆にBKAへの送金が続いた。Coinbaseから2回に分けて合計738BTC、Bitstampから4回に分けて1893BTC、Krakenから2回に分けて767BTC、複数の特定されていないアドレスから合計771BTCがBKAに送金された。この日BKAへの送金は合計4169BTC。現在、BKAのウォレットには前日の15,552BTCから6457BTCが減少し9094BTCが保管されている。
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