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BTCUSDは続落もBTCJPYは円安を支援要因に小反発 10月アノマリーと9月アノマリーの2024年結果と検証 ビットコイン・デイリーレポート2024.10.3(2024. 10.2)

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市況概況(ビットコイン)
 2日のビットコインは小幅続落。BTCUSDは前日までの中東情勢の緊張を背景としたリスクオフトレードによる過度な売り圧力は減退したものの、全般的に上値の重い状況が続いた。日本時間午後に出揃った1日の米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローはマイナス2億4253万ドルとなり、9営業日ぶりにマイナスとなったほか、9月5日以来の2億ドルを超える流出となったことも上値を抑える要因になった。

※1日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはマイナス2億4253万ドル。流出は9営業日ぶり。

 米国時間帯には米ADPリサーチ・インスティテュートが発表した民間部門雇用者数が市場予想を上回って前月から増加したことが好感され、米株式市場が上昇するなか62,400ドル付近まで強含む場面も見られたが、買い戻しが一巡すると終盤にかけて失速し、前日の安値を割り込み60,035ドル付近まで下落した。節目の60,000ドル割れは回避したものの、外国為替市場では引き続きドルが上昇しており、ドル建てで取引されるBTCUSDを圧迫した。尚、米ADPリサーチ・インスティテュートが発表した9月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は14万3000人増となり、市場予想の12万人増を上回った。また、8月の雇用者数は9万9000人増から10万3000人増へ上方修正された。

※日本時間10月3日AM6:00現在のドミナンスは58.000%。

 2日のBTCJPYは小反発。BTCUSDが方向性を欠く展開となったものの、外国為替市場での円安進行が支援要因となり、日本時間早朝から堅調に推移すると、911万円付近まで上昇した。「石破ショック」を背景とした円買いポジションの巻き戻しが進むなか、石破首相が植田日銀総裁との会談後に「個人的な意見としては金融緩和路線を継続することが望ましいと考えている」と述べたことを受け、ドル円は146円台まで上昇した。ただ、NYクローズにかけてはBTCUSDの失速を受けて上昇幅を縮小する展開となり、一時は880万円付近まで下落した。

以下はビットコインの9月アノマリーの検証と結果、10月アノマリーについて

 ビットコインは9月に下落しやすいというアノマリーが存在しているが、2023年、2024年と2年連続で上昇した。市場参加者にとっては2017年から2022年にかけて6年連続でマイナスとなったことが強く印象に残っているのかもしれない。一方で、過去14年間で9月中に記録した最大のプラス騰落率は11.79%であり、過去12年の平均値でもプラス6.9%であるのに対し、期間中に記録したマイナスの平均値は11.86%とプラスの最大値を上回っており、明確なエビデンスはないものの、アノマリー的には9月は下振れしやすい月ということが言えるかもしれない。ただ、結果としては月末時点で12年中7回の下落という微妙な結果となっている。

 一方で上昇しやすいと言われている10月は過去11年間の月末時点でプラスを記録した年は9回あり、アノマリーとしての確度は高いものとなっている。また、10月中に記録したプラスとマイナスの平均値を比較した場合でもプラスの平均値が26.31%に対し、マイナスの平均値が4.19%となっており、昨年までの結果を踏まえれば上振れしやすい月ということが言えるものとなっている。

市況概況(イーサリアム)
 2日のイーサリアムは続落。ETHUSDは、ビットコインの下落やETFのキャッシュフローの低迷を受け全般的に軟調に推移した。また、中東情勢悪化への警戒感が強まるなか外国為替市場でドル高が進んだことも圧迫要因となり、米国時間帯終盤には一時2356ドル付近まで下落した。日本時間午後に出揃った米国のスポットイーサリアムETFの1日のトータルキャッシュフローはマイナス4851万ドルとなり、2営業日連続で流出となった。

※1日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス4851万ドル。
※転換型のGrayscale のETHEのキャッシュフローはマイナス2664万ドル
※日本時間10月2日AM6:00現在のドミナンスは13.776%。

 1日のETHJPYはETHUSDの下落と外国為替市場での円安が同時進行したことで352,000~360,000円のレンジ内で方向感を欠く展開となっていたが、米国時間帯終盤に円安が一服すると節目の350,000円を割り込み345,000円付近まで下落した。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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