バンドの歴史とテセウスの船
ファンにとってバンドの黄金期は、そのバンドを認知した瞬間に決まることが多い。
私の場合、ANGRAでは、Vo.エドゥ・ファラスキ、Gt.キコ・ルーレイロ、ラファエル・ビッテンコート、Ba.フェリペ・アンドレオリ、Dr.アキレス・プリースターというメンバー構成がANGRA黄金期だと思っている。
また、SEX MACHINEGUNSでは、Vo+Gt.ANCHANG、Gt.CIRCUIT V PANTHER、Ba.NOISY、Dr.CLUTCH J.HIMAWARIの時代が黄金期だ。
しかし、音楽活動を続ける中で「音楽性の違い(隠語)」による軋轢が生じることは避けられない。バンドの歴史が長くなるほど、メンバーの入れ替わりは必然であり、時にバンドの象徴ともいえる主要メンバーが脱退することさえある。ファンにとっては悲劇であり、バンド自体への興味を失う原因になることもある。
たとえば、Sonata ArcticaのGt.ヤニ・リーマタイネン、Rhapsody of FireのGt.ルカ・トゥリッリ、ANGRAのGt.キコ・ルーレイロが脱退したときにはダメージが大きかった。
主要メンバーが脱退してしまったら、同じバンドと言えるのだろうか?主要メンバーさえ残っていればアイデンティティを確保できるのだろうか?もしくはまったくの別物になってしまうのではないか。
バンドの存在は純粋に音楽だけでなくメンバーに依存する部分が大きい。そのため、私はバンドのメンバーが「魂」そのものだと考えている。メンバーが変わってしまうと「同じ名前の別の何か」になったと…。
新しいメンバーが加わることで新たな可能性が生まれる一方で、「黄金期」に終止符を打ってしまう可能性もある。バンドは変わり続けるだろうが、その変遷に真摯に向き合うこともファンには必要なのかもしれない。