野球へたろー

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臆病なヒロインとひとりぼっちなヒーロー

“希望が心を苦しめるという恋のふしぎは、しかし彼にはすでに目新しいものではなかった。” 目でなぞった『潮騒』の一節を考える。 「うーん…。」 主人公の新治とヒロイン初江の間にはいくつもの障壁。この恋はもう叶わぬものと思われたその時、わずかに、しかし、確実に差す光明。その光を見て新治の心は安寧を失う。 分からない。物語構成、展開の常道、読書歴によって積み上げられた感情の機微の経験。頭では分かる。方程式を解くかの様に、先人よって紡がれた言葉の意味は分かる。でも、分からない。

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