POISON GIRL BANDとジンカーズ 合同コント

POISON GIRL BANDとジンカーズ 合同コント



吉田、舞台下手に腕組みして立っている
樋口と馬場、舞台上手で吉田に対して正座


明転

樋「お義父さん!娘さんを僕に下さい!」
吉「ダメだ。娘はやらん」
樋「お願いします、お義父さん!」
吉「ダメだ。帰りなさい」
樋「…」
馬場、樋口の肩を叩き『代われ』的な仕草
馬「先生!弟子にして下さい!」
吉「…ダメだ。私は弟子は取らん」
馬「お願いします、先生!」
吉「ダメだ。帰りなさい」
樋口と馬場、顔を見合わせる
樋「お義父さん!娘さんを僕に下さい!」
吉「ダメだ!」
馬「先生!弟子にして下さい!」
吉「ダメだ!」
樋「娘さんを下さい!」
吉「ダメだ!」
馬「弟子にして下さい!」
吉「ダメだ!」
樋「娘さんを下さい!」
吉「ダメだ!」
馬「弟子にして下さい!」
吉「ダメだ!」
樋「娘さんを!」
吉「ダメだ!」
馬「弟子に!」
吉「ダメだ!」
樋「娘!」
吉「ダメ!」
馬「弟子!」
吉「ダメ!」
樋口と馬場同時に
樋「お義父さん、娘さんを僕に下さい!」
馬「先生、弟子にして下さい!」
吉「ちょっと来る日ずらせない!?何で2人おんなじ日に来るの!?」
樋「そう言われましても、私は前々から今日と決めてましたので…」
馬「僕は、昨日先生の作品を拝見して、あまりの素晴らしさに、居ても立ってもいられず、それで今日…」
吉「もうわかったからさ、とりあえず今日は帰ってよ。2人同時は無理だからさ」
樋「いや、でも、何と言うか、熱量というか、ねえ?」
樋口、馬場を見る
馬「はい。今のこの熱い気持ちを伝えたいんです!」
吉「いやドラマとかでもさ、娘と弟子同時にお願いされてるの見たことないでしょ?」
馬「お言葉ですが、先生の作品は常に時代の先を行ってきたと思います。そのような固定観念に囚われるのは先生らしくないと思います」
吉「昨日初めて作品見た奴が知った風な口利くんじゃないよ」
樋「お願いします!今日娘さんを僕に下さい!」
馬「お願いします!今日弟子にして下さい!」
吉「今日を強調しないで!」
暫く『お願いします』『無理』の繰り返し
阿部、上手から登場。様子を伺いながらゆっくりと近づいてきて、突然土下座
阿「お願いします!お金貸して下さい!」
吉「何!?」
阿「どこのどなたか存じませんが、お金貸して下さい!」
吉「誰なの!?」
阿「名乗るほどの者ではございません!」
吉「名乗ってよ。お金借りるなら絶対名乗るべき」
阿「名乗ったら確定で借りれるということですか?」
吉「違う違う違う」
馬「ちょっとキミ、私の先生に向かって失礼だぞ」
樋「そうだ、私のお義父さんに向かって」
吉「そっち2人、まだOK出してないから」
阿「阿部と申します!たまたまこの家の前を通りかかったところ、2人が土下座して何かお願いしていたので、お願いしたらいける人かなと思ってここに来た次第です!」
吉「次第ですじゃないよ」
阿「土足で失礼します!」
吉「脱いで。お願いしに来た人が土足は絶対ダメ」
3人靴を脱ぐ
吉「えっ!?全員!?嘘でしょ?」
樋「お願いします!娘さんを僕に下さい!」
馬「お願いします!弟子にして下さい!」
阿「お願いします!お金貸して下さい!」
吉「もう全員帰ってよ!」
樋「お願いします!娘さんを僕に下さい…」
馬「お願いします!弟子にして下さい…」
阿「お願いします!お金貸して下さい…」
3人、前の人の台詞のケツに被せて『お願いします!~下さい!』を何周か繰り返す
吉「輪唱しないで!」
樋「お義父さんがいいと言ってくれるまで、僕は帰りません!」
馬「僕も先生がいいと言ってくれるまで帰りません!」
阿「お布団は3組お願いします!」
吉「床で寝て。てか泊まらないで」
阿「まだまだ寒い時期ではありますが、電気毛布は要りません!」
吉「床で寝て。ウチ床暖だから」
阿部、床を触る
阿「本当だ!あったかい!おい、みんな!あったかいぞ!」
樋「本当だ!」
馬「あったかい!」
3人、床を触ってキャッキャする
吉「馬鹿なの?」
阿「これでもう怖いものはありません!お金貸して下さい!」
樋「娘さんを下さい!」
馬「弟子にして下さい!」
吉「呼応しないで!」
樋「お願いします!真由美さんを絶対幸せにします!」
馬「僕も弟子として、先生の名に恥じない立派な作品を作ります!」
阿「僕は何か美味しいものでも食べます!」
吉「うん、さっきからキミだけ違うんだよ」
阿「不味いものを食べて、お金をドブに捨てるようなまねだけは絶対にしません!」
吉「それだけは絶対止めて」
阿「今のところ天一が第一候補です!」
吉「知らないよ」
阿「天一のあっさりです!」
吉「こってりにして。何となく」
樋「お願いします!真由美さんを愛してるんです!」
馬「僕も本当に先生の作品を素晴らしいと思ってるんです!」
阿「信じられないかもしれませんが、僕もお金が大好きなんです!」
吉「だからキミだけ違うんだよ」
樋「少しずつでいいんです。少しずつでいいから家族と認めていただけたら…!」
馬「僕も雑用からで結構です!」
阿「先ずは財布に入っている額で結構です!」
吉「今2千円しか入ってないけどいいの?」
阿「もう一声お願いします!」
吉「ダメなんじゃん」
阿「お願いします!」
樋「娘さんを僕に下さい!」
馬「弟子にして下さい!」
阿「まとまったお金貸して下さい!」
吉「…もう正直に言うとね、父親の我儘かもしれないけど、娘は手元に置いておきたいと思ってるんだよ」
樋「どういうことでしょうか?」
吉「嫁に出さずに婿を取って、その男に私の跡を継がせたいと」
阿「ちょっと待って下さい!じゃあこの二人の内どっちかしか選ばれないってことですか!?」
吉「何で今キミがくるの?キミ全く関係ないよね?」
馬「…お義父さん、娘さんを僕に下さい!」
樋「なっ、おい!ズルいぞ!先生、弟子にして下さい!」
阿「ちょっと待って下さい!お金貸して下さい!」
吉「キミ全然ブレないね!」
3人立ち上がり吉田の周りをぐるぐる回りながら
馬「お願いします!娘さんを僕に下さい!」
樋「お願いします!弟子にして下さい!」
阿「お願いします!お金貸して下さい!」
吉「ちょっと止めて。何なのこれ」
吉田、頭を抱えるうずくまる
3人台詞を繰り返しながら回り続けて照明F・O
吉田以外はける
吉田、舞台中央に寝転がる

明転

吉田、起き上がる
吉「…夢か。いつの間にか楽屋で寝ちゃったよ」
阿部、下手から登場
阿「吉田さん」
吉「何?」
阿「ちょっと千円貸してくんない?」
吉「…おう」

暗転

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