東京コントメンin東京グローブ座 スペシャルユニット【溺愛】

東京コントメンin東京グローブ座 スペシャルユニット【溺愛】







ジャージにTシャツ姿の美穂、下手板付き。リラックスしてヨガをしている

明転


学ラン姿の塚本、上手から勢いよく登場

塚「母さん!!」

美「あら、どうしたのナオキちゃん?」

塚「またやったろ!?」

美「ん?」

塚「母さんまたやったろ!!?」

美「はて?」

塚「しらばっくれるなよ!」

美「何のことかしら?」

塚「またジャニーズに俺の履歴書送ったろ!」

塚本、封筒を舞台に叩きつける

美「あわあわあわあわ」

美穂、舞台を大きく使って大袈裟に慌てふためく

塚「わかりやす過ぎるよ!」

美「お、送ってないわよ…」

塚「ウソつけ!もういい加減にしてくれよ!」

美「ちょっと落ち着いて、ナオキちゃん」

塚「これで何通目だよ!」

美「100から先は数えてないわ」

美穂、ドヤ顔

塚「殺すぞクソババア!」

美「まあ怖い。反抗期かしら」

塚「マジで殺すぞ」

美「ナオキちゃん落ち着いて。先ずは合否を教えて」

塚「トチ狂ってんのか?」

美「どうだったのよ?ナオキちゃん」

美穂、塚本を肘で小突く

塚「合否以前に、履歴書戻ってきちゃってるんだよ」

美「どういうことかしら?」

塚「母さんからの手紙は郵便局で止められて、もうジャニーズには届かないんだよ!」

美「あらまあ!郵便局内にナオキちゃんのライバルがいるのね!」

塚「違うよ!ジャニーズ側から受け取り拒否されてるんだよ!」

美「ええ?郵便局でナオキちゃんのライバルが働いてて、ナオキちゃんの履歴書を揉み消してるんじゃないの?」

塚「想像力が豊かすぎるよ」

美「じゃあこれからどうやって履歴書を送ったらいいのかしら?」

塚「もういい加減諦めてくれよ…」

美「ナオキちゃん、ジャニーズ事務所の最寄駅ってどこかしら?」

塚「持ち込む気かよ!勘弁してくれよ!」

美「直接持ち込んだ方が印象強いわよねえ?」

塚「強い印象が良い印象とは限らないよ!見てよこれ!」

塚本、カラーマーカーを駆使した封筒を拾い上げ掲げる

塚「最早愉快犯だよ!」

美「折角頑張ったのに…」

塚「もう潮時だよ」

美「諦めません!勝つまでは!」

塚「その精神が過去に多くの犠牲を生んだんだよ」

美「でもナオキちゃんだってジャニーズになりたいでしょ?」

塚「いや、なりたいなりたくないじゃなくて。無理でしょ」

美「どうして?何が無理なの?」

塚「ビジュアルだよ!」

美「ジャニーズに新風を巻き起こしましょ」

塚「ザワザワするだけだよ」

美「ナオキちゃん、私、親バカなの」

塚「バカ超えてキチガイだよ」

美「それはそうとナオキちゃん、少し髪が伸びてきたんじゃない?」

塚「…まだ大丈夫だよ」

美「またあのカットチャンピオンのお店予約しましょうね」

塚「止めてくれよ!」

美「どうして?またあのカットチャンピオンに切ってもらいましょう」

塚「あのカットチャンピオン、俺の頭にバリカン入れるとき、凄く悲しい顔するんだよ…」

美「まあ!12000円も払ってるのに笑顔の一つもできないなんて!」

塚「12000円も貰ってるからだよ!」

美「じゃあまた別のカットチャンピオン探すわね」

塚「どのカットチャンピオンでも一緒だよ!」

美「あ、ナオキちゃん、そろそろピアノのお稽古の時間じゃない?」

塚「やだよ。行きたくないよ」

美「またそんなこと言って。ただジャニーズってだけじゃダメな時代なんですからね」

塚「ジャニーズも無理だし。これどう考えてもピアノじゃなくてドラムの手でしょ!」

塚本、手を付き出す

美「ドラムでもいいのよ。でもジャニーズでドラムは松岡くんがいるから、ちょっとだけ分が悪いわ」

塚「ちょっとだけじゃないよ!」

美「ピアノは国分だから何とかなるでしょ?」

塚「やめとけよ!」

美「さあ、お稽古に行きましょう」

塚「嫌だよ」

美「行きましょう」

塚「嫌だ!」

高「ただいまー!」

ブレザー姿のギース高佐、上手から最高の笑顔で登場

美「あら、クニヤスちゃんお帰りなさい」

高「母さん!簿記3級受かったよ!」

塚「逆逆!」



暗転

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