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【麻雀】Mリーグ 10月3日開幕戦

今年からAbemaプレミアムに加入したのでMリーグを見てました。面白い試合もありますが「プロ」としてこの試合はどうなん?みたいな試合も多々あります。その解説は間違っているでしょみたいなものもあります。

私は元々昔雀鬼流出身で桜井章一信者であります。Mリーグの解説は雀鬼がたまに来てくれた方が良いと思うし、大昔のように雀鬼会メンバーがこのMリーグのメンバーに入ると面白いのになあと思っています。

私の麻雀の見方

私の麻雀の見方は雀鬼流から学んだものです。それは以下の通りとなります。
①運を天運・地運・人運に分ける事
②長考に意味なし。リズムと姿勢が大事。
③麻雀は総合格闘技。総合格闘技に立技・寝技があるように、面前でダメなら鳴いていくなどの工夫をすべし、です。
④早すぎるドラ切りやカンは他人に迷惑がかかる。
⑤全ては「円(縁)」で繋がっており「アヤ牌」が存在する。

①場による天運がありましてそれは大体東場の早めに出ます。それが一人に偏っている場合や二人に偏る場合など様々です。逆に言えばその日の自分の運(天運)に見合った打ち方を図っていくというのが自分で作っていく「自運(地運)」となります。その上記2つ以外に人による運というものがあります。相手のミスによって自分が上がれてしまう、というケースです。それは「人運」と呼びます。だから私はどのプロがどんなミスをしたかを見ています。少し性格が悪いかもしれませんがAbemaの実況や解説者は角が立つのでそこはスルーしている気がします。勿論天運の流れが強ければ多少のミスをしてもその場では勝ててしまうケースは多いです。ですが何回も試合をしているとそれが徐々に面に現れて個人成績という形で表面に出てしまいます。

②長考に意味なしです。本来なら迷うべきでない所で長考するプロを私はプロとは認められません。対局を見ている人や観客の人の時間を不必要に奪っている人と私は思います。どこで「迷うか」でその人の雀力が透けて見えます。同じように「理牌」しないプロも好きじゃないです。Abemaが言うようにライト層にもアタックしたいのであれば見られている意識を持って欲しいです。

③過剰な面前思考を持っている雀士が多い気がします。特に女流雀士は「鳴かない」美学みたいなものがあるんじゃないかと思えるくらい鳴きが下手ですね。立技だけは凄いが寝技がザルな平本蓮選手や萩原京平選手がRizinで勝ててないのと同様に鳴きが下手な選手は個人成績下位に多い気がします。

④早いドラ切りはポンされるとそれだけで満貫確定。カンも同様にドラを増やします。ドラ切りやカンをするなら最後までその局は前に出て戦う責任を持つ事。ドラ切りやカンをして状況を見ておりる雀士がいますが言語道断だと思います。

⑤こうやって対局全体を見ると「アヤ牌」が存在するのが良くわかります。最近はyoutubeなど切り抜き文化が盛んですが麻雀においては切りぬいてみたところで何も本質は解らない。全てを通して見て全てはぐるっと「縁」が「円」で繋がっている。そういうところを見るのが「人生の学び」だったりするのでないかと思うのです。

1試合目(魚谷、佐々木寿人、萩原、鈴木優)

1試合目のポイント

東1局 魚谷選手から7巡目以下のようなリーチが入る

手なりで東1局なのでここはどの選手が打っても問題ない所。ここはこのリーチの形が2色である事と少しだけ対子の色が見えます。ドラが2枚も重なっている事が大きい。

そしてこれに対して鈴木優さんは下記の形でリーチ。

ここで私が思うに大事なのはドラの7万、ロン牌の7筒、自身の上がりの7ソウと「7」のアヤが強く出ていると言う事です。

で問題は鈴木さんが次の東1局で下記の手に7巡目になった時に

この7ピンをツモぎってテンパイ取らずの選択をします。これはかなりの悪手でこれはツモ切りリーチか3色の手替わりを選ぶ一手と思います。次順7ピンツモでもしシャンポン受けにしていけば一発でツモあがりとなっていた局でした。

ここから①順子手→②対子手と順子手の複合→③対子手の流れとなっていきます。②の流れがきた時にどうしても3色ではなく2色形の手になっていきます。

鈴木さんは手の高さと役を優先して打っていきますがこの後も乗り切れずに4着に終わっています。自分の意思と流れが最後まで噛み合ってなかったと言えると思います。

東2局佐々木寿人は以下のリーツモドラドラの2000、4000のツモあがり(2色役なし)

魚谷さんは東3局の6巡目以下の手牌となります。

手牌だけ見ると234の3色を見て3ソウを切る人がほとんどだろうと思います。少し長考して選んだ魚谷プロの選択は2色となる3ピンでした。(ちなみに解説の土田さんも流れが見えておらず3ソウで良いんじゃないの〜と呑気に言っておられました)

次順やはりツモは縦に伸び2ソウをツモってリーチ。

ノベタンを一発ツモの3000、6000。これが結果的に勝負を決めました。この上がり形を見ても一見綺麗な順子手に見えますが2色、面子と対子手の複合形とも言えます。少し対子の風が吹いていたからこそ、ノベタンを1発ツモできたのですよ。

東4局はハギーが7巡目この手牌で5ソウ(赤)をツモぎる。この時少し雑だな〜と思いましたし、場を読めてないなと感じました。

7巡目でこの手牌なら1色はかなり遠く七対子が第一本線だと思うのですよね。そして次順ション牌のドラの1満もツモぎる。結果的にこれが裏目に出てドラをまた持ってきてしまう。まあこの形でドラのツモ切りは無いよね。ドラが一色手じゃないよ、と教えてくれているのに。普通に打っていればハギーはこんな形でリーチだったと思う。

前局で鈴木優が2色を1色に変えて行ってたけどこのハギーもやり過ぎ。場を読めてなかったとは言えるしまあ誰も言わないけどこれはミスだよね。

そんな中、我らが寿人の手牌にも異変が見える。

この1シャンテンからツモが縦に重なる形になり、テンパイ取れず。これは順子手が上がれないと言う事を意味します。東4局萩原は7対子のみの1600上がり。しかしながらこれは複合形の手牌が各人入る中でハギーの方に風が吹いていることを意味します。

南1局は魚谷さんが以下のような形で手なりのリーチを打って出る。この日3度目のイイペイコー形のやはり2色の順子形。待ちの1万が前局のアヤが少し見えます。

ここに1発で鈴木優が飛び込む。裏1でリーチ一発平和一盃口赤裏の12000。この手は手なりでサクッとこの手が入るのは魚谷さんの方に天運があるのかなと見えました。鈴木さんはこの局が悪いと言う事ではなくその前やさらにその前の局がちょっと場からかけ離れた打ち方をしているなと感じました。天運がなかったのも確かですがだからと言って地運を積み重ねているような打ち方ではなかったですね。

次局、鈴木優は下記の手を5巡目リーチ。普通なら楽勝なんですけど対子場気味でこの運気だとこの好形が上がれないんですよ。。

で数順後寿人から下記のリーチ。正直言ってこれは寿人さんの上がりとおもいましたね。だってアヤがかかっている1万を暗刻にしているんですもの。しかも面子手と順子手の複合形はこの流れだと上がりやすいんですよ。

とはいえ魚谷さんが鳴いた後に隼人さんが上がったので魚谷さんが自分の運を佐々木寿人さんにトスしたように見えました。700、1300の上がり。

南3局ハギーは5巡目4万をツモって4ソウ、5ソウと落としていく。実況席で騒いでいたけど当たり前じゃん、とは思った。だってどう見ても対子手なんだから。4sを落とした段階では7対子と両天秤だったとは思います。

鈴木優は数順後この形になるが4ピンでテンパイ取らず。これはちょっと違うなあ、工夫や努力という物でなく、ただ欲と望みだけが先走っている気がする。。

この手は黙聴かリーチでも良い。2ピンか4pを重ねたら複合形でリーチで良いと思うんですけどねえ。。

魚谷さんも地味にミスをしていて

これを3ピンをツモぎってしまう。本来ならここは9s切りの一択で数順後以下のような形でテンパイしていたと思います。ちょっと場にそぐわないので闇テンで良いですけどね。おそらく東3局の自分の上がり形に似ているので意識を引っ張られすぎたんでしょうねえ。

ハギーよりこの形でのツモリ四暗刻のリーチが入る。この局だけを見れば萩原は工夫を入れているとは思うのだがやはり1万のアヤを作り出してしまっているのは萩原だと思うのですよね。だからこれは上がったらおかしくて結果が出る局ではないだろうなあと思って見てました。

同順この形で寿人から追っかけ

そして赤5ピン一発ツモ。リーチ1発ツモドラ3のハネ満の上がり。いや〜ずるいなと思いましたが魚谷さんの前局、本局のミス、ハギーのドラ切りのミス、鈴木優さんのちょっと場にそぐわない打ち方それら全てが人の運となって余りミスの少なかった佐々木寿人さん側に運が流れたと思うのですよね。まあそう思うのが妥当と思います。

この後に鈴木優さんの愚形の上がり(この流れだとやはり愚形の方が上がりやすい)、四暗刻の流れの工夫を見せた萩原さんがやはり7対子の場に沿った上がりをしてジエンド。天運に恵まれ東3局の工夫を見せたハネ満ツモの魚谷さんが1着、全体的にミスが少なかった佐々木さんが2着、この3人の中では投牌の姿勢とリズムは悪いが途中から場に乗り始めた萩原さんが3着、天運に恵まれず又少し強引な打牌をした鈴木さんが4着でまあ妥当な結果だったと思います。

1試合目の感想

まずハギーの顔が常に暗く辛気臭いのが気になりました。二階堂瑠美さんみたいにヘラヘラしているのもどうかと思えますがそっちの方が好感が持てます。「面白い麻雀」を打ちますってまず貴方の顔が面白くないのよ。猫背、リズム悪いし、意味なく盲牌するし昭和のコタツ麻雀を引きずっているんですよね、この人。

天運は魚谷さんにずっとあったと思います。この対子形と順子手の複合形の中で一盃口が入るって最高なんですよ。逆に鈴木さんは流れが全然なかったと思うし工夫も出せなかったと見ます。まあこの程度の選手でないと思うので今後もウォッチしたいと思います。

2試合目(伊達、瑞原、本田、近藤)

伊達さんの四暗刻

南2局に伊達さんの四暗刻の上がりがありました。この四暗刻は見事な上がりでした。

順子形、一色形の複合のような形になっており凄く手組みが難しかったと思います。ただこの1局を追う事に私は価値があるとは思ってなくてそこに至るまでの経緯を辿っていく事に意味があると見ます。伊達さんの工夫(地運)、他のメンバーのミスそういうものが重なって四暗刻が成り立ったのだと主張したいです。

瑞原さんの天運

瑞原さんは序盤にこの手牌になってツモ3万をツモ切ります。通常の打ち手なら3色を見て6万、7万を外すか、少し緩い打ち手なら9ソウを2枚外す選択をすると思います。

ですが瑞原さんは3万をツモ切り。

そしてこの形で追っかけリーチ

瑞原さんはこれを一発ツモ。リーチ一発平和赤裏裏の6000オール。見事な打ちまわしでした。次局は対子形の同時性が見える場でしたが瑞原さんがノーミスで8巡目テンパイ。それをツモリあげて3200オール。近藤さんの追っかけリーチを受けながらのツモ上がりでこの時点での天運は瑞原さんにかなりあったと思うのですね。

雀鬼は本当のプロ同士の戦いになると地運どうしの戦いを好み、東一局で天運に恵まれる事を良しとしないそうです。伊達さんの工夫により天運に恵まれた筈の瑞原さんはこの2局以降卓上から存在感を消していきます。

伊達さんの工夫

伊達さんは東1局に以下のような先制リーチを打ちますが空振ります。

伊達さんはこの1局を見る限り「メタ認知能力」みたいなものが優れているのだと思います。女流麻雀打ちの人って面前思考が強いのですが伊達さんはかなり適切に鳴いていきます。恐らく面前でいくと流れに乗れないと判断したのだと思います。この辺が全局で西を鳴かなかった近藤さんとの差となって徐々に現れてきます。東2局で以下の700 1300の上がり。ただ1万を捨てての上がりでありこの時点では伊達さんに流れはまだ来てない。

次局この形で7ソウのツモあがりをします。実況解説がずれていて「伊達がやりにくそうにしている。近藤を警戒している。受けを意識している」みたいなことを言ってました。伊達さんは東は鳴く事を想定していて最後にドラのペンチャンが残る事が見えていたと思います。鳴いて苦し待ちになるのは見えるし鳴く分リスクがある。というかそれが見えて解説できなきゃプロじゃないでしょって解説の土田さんには思いますね。。

ドラをツモ上がり本田さんの鳴きテンパイも殺した事によりここから少しずつ伊達さんの流れになってきます。下記の手で地獄の西単騎をツモ上がりハネ満は東1局に上がった瑞原さんの七対子の西単騎に重なりました。この局に河に西を2枚並べてしまった瑞原さんから伊達さんに確かに流れが変わった一瞬でした。

近藤さんの失策

東1局の近藤さんが無筋を飛ばしての以下のツモリ三暗刻のリーチは良かったと思うのですね。

だけど次局この手牌で字風西が対子で瑞原さんから出た西を悠然と見送る。これが一つ目のミス。積もりあいで負けて去年MVPである親の連チャンが続いていてこの時点で54900点となっています。優先すべきは親を落とす事でありツモが良い瑞原さんの西を食いとる意味でも即ポンすべきでしたね(結果的に親は流れましたが)

東3局近藤さんは序盤に中対子落としをしてこの形で高め三色のリーチとなるが近藤さんに工夫は見えず小場でもあるのでこれは「高めツモ」とはならないだろうな、と見ていると案の定瑞原さんから1ソウが出て2000点の上がり。近藤さんには流れは来てないなと思える局でした。ここで伊達さんはちゃんと高め四ソウをキャッチしているのですね。

そして運命の南2局

親の本田が 5巡目あたりにこの形になる。

この白引きに対し何とここで本田さんは加カンしてしまう。これはかなりの失策でペンチャン、カンチャンの苦しい形を残しているのでここは6万切りの1手しかない。そして7ピンか3ソウをツモった段階で初めて加カンしてテンパイ。もしチーテンなら白を切る。プロとしてこの手順しかなかったと思うのですね。何か焦りが本田さんの方にあるなあと感じました。

でこの局には近藤さんにも流れがきており以下のような形で七対子のテンパイ形が入る。一旦受けを考え7万切り。字牌かドラを持ってきて七対子リーチの手順になりました。

そしてその数巡後今度は神の悪戯で発をツモってきます。

ここで発をツモって何故か近藤さんが長考しました。「何を考えているのだ、こんなの発切りの一手だろ」と思っていたら何とこの発をカン!

いやいやいやいや、この発カンはあきまへんて!これは本当に世紀のチョンボだと思う。四暗刻を見るにしても七対子を捨てる判断はどこにもこの時点で必要なかったように思ます。ここでリーチと来られたらその分裏ドラを乗せられてしまう可能性がありますしね。

数巡後、伊達さんからリーチが入り慌てて食い仕掛けして下記のような発、トイトイのテンパイ。そして白をカンした本田さんはドラの南を掴んで責任を取らず降りてしまう。

でも時すでに遅しで伊達さん四暗刻を積もりあげられてしまう。足らればですが本田さんと近藤さんのカンがなければこの四暗刻は恐らくなかったと思います。七対子で近藤さんの上がりが濃厚だったと想像します。だってアヤの北が手牌に入ってましたからね。この伊達さんの四暗刻の上がりは伊達さんの地運と近藤さん(本田さん)のミスによる人の運が入って成り立ったもののように見えました。

四暗刻を上がった後の伊達さん

興奮冷めやらぬ中、本田選手から早い順目で以下の手でリーチ

数巡後この形からマンズはないと見たのか三万を切っていく。安パイがないのでここは4ピンでよかったかなあと思える局でした。

ただ本田さんの上がりは裏ドラにこの局のアヤである西が伊達さんにニッコリ笑いかける北裏ドラでリーチ裏ドラの8000点。

次局手を伏せてノーテンで対局終了となりましたがこれは凄くわかるのですね。上手く打てていれば以下の断么七対子赤一を上がれていた局でしたから。

伊達さんは四暗刻を上がった後にいつもは対局後に飲む水を飲んでしまったのですね。これで少し緊張の糸が切れてしまったような気はしました。思わぬ上がりは自分にもダメージを与えます。陽が極まれば陰となる。自分のツモと自分の気持ちが噛み合ってないのを伊達さんは感じていたのではないでしょうか。

2試合目の感想

伊達さんは凄く良かったです。内容のある打ちでした。でもそれをさせてしまったのは近藤、本田両名の打ち方であったと見えます。そういう所も踏まえて実況解説してくれよなとはつくづく思います。この局は北と西がアヤ牌として随所に見られたように見えます(独断)。学びの深い対局ではありました。

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