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幸せに、はたらく

オンラインセミナー「今こそ考える、企業経営とはたらく社員の“幸せ”」を受講しました。
このセミナーを受けた理由は、「はたらく人の幸福学プロジェクト」という、パーソル研究所と慶應義塾大学の前野隆司教授との共同研究の結果が、ウェブサイトで公開されているのを見つけて、とても興味深いなと思ったから。
興味を引かれたきっかけは、「はたらく」と「幸せ」というワードが同時に出てくることに、何となーく違和感を感じて。何で違和感を感じたのか?その理由が、自分の過去の経験にあったと気づいたので、書きます。

僕は大学1年~2年の6月くらいまで、バイト(的なやーつ)で、営業(新規・既存契約)をやってみたんだけど、自分が欲しいと思わないものを営業することがどうもストレスで、自分の性に合わないことに気づきました。

時は経って、大学を卒業するとき、仕事を選ぶにあたって、文系だから営業系の仕事になっちゃうのかなぁと(ちゃんと就活すれば、営業じゃない仕事もいっぱいあることが分かったんだろうけど)、それくらいなら公務員かなと、消去法で選んだわけです。

その際、どこかで、「はたらく」=辛い、楽しくない、めんどくさい、というイメージがあって、その対価が報酬なんだろうなぁ、みたいに思っていました。
こういう固定観念は、多分子どものころ、親を含め実際に会う大人の姿をみたり、テレビとかの情報で、醸成されていったのかなとも思ってます。
だから、「幸せにはたらく」っていうのが、なんとなく理想論ぽくて、のどに小骨がひっかかるような違和感があったんだろうなと。

さて、前置きが長くなりましたが、セミナーの内容。まず、なぜ「幸せ」になるべきか。以下の指摘。

幸せな人は、創造性が高く、生産性が高く、欠勤率が低く、離職率が低く、健康で長寿だということが研究結果として知られています。

あらためてふむふむと思ったのは、「幸せ」と聞くと心の健康が思い浮かぶのですが、身体的な健康や生産性につながる、ということが、数多くの研究で指摘されているということ。
(あ、ちなみにこの研究結果でいうところの「幸せ」ってHappy、「やったー、うれしい!」のほうではなく、しみじみと「幸せだなぁ」っていうwell beingの方の意味なんだそうです。)
したがって、はたらく人が幸せであることは、組織にとって、職員の高い生産性や、安定的な業務運営に、ポジティブな影響を与える、ということでした。
こうやって書くと、そりゃそうだよね、と思うのですが、研究結果というエビデンスの上で語られると、とても納得感がありました。
幸せと身体の健康の関係についての研究事例がこれです。

・先進国に住む多くの人で比較したところ、幸せを感じている人は、そうでない人に比べ、7.5~10年寿命が長い

マジですか、こりゃあ幸せにならないと。

また、前野教授の研究分野、「幸福学」の基本的な考え方がこちら。

・地位財(金、モノ、社会的地位)・・・幸せが長続きしない。
・非地位財(安全な環境、健康な身体、心の幸せ)・・・幸せが長続きする。

そして、心の状態には、以下の4つの因子があるとのこと。

1. 自己実現と成長(やってみよう)
2. つながりと感謝(ありがとう)
3. 前向きと楽観(なんとかなる)
4. 独立と自分らしさ(ありのままに)

この括弧内がキャッチ―で分かりやすいですよね。4.なんてレリゴーだし。声に出すだけで、少し心がウキウキウォッチングするというか。

それで、一般社団法人企業研究会という組織が、4つの因子に関係する質問を4つずつ、計16問のアンケートをとったところ、

非定型業務従事者に比べ、定型業務従事者は、1・3・4の因子が低いとの結果が出たそうです。

つまり、ルーティン作業だけだと、やってみよう、なんとかなる、ありのままに、と思いづらい傾向がある、ふむふむ。

さらに前野教授は「はたらく人」向けに因子を変えた研究を実施。はたらく人には、以下7つずつの幸せ/不幸せの因子があるとのこと。
ちょっと長くなりますが、以下の通り。これまた、カッコ内がとってもキャッチー(サッチー/ミッチー)。これを図示した資料がすごく良かったです。


○幸せの7因子
 1.自己裁量(マイペース)
 2.自己成長(新たな学び)
 3.リフレッシュ(ほっとひと息)
 4.他者貢献(誰かのため)
 5.役割認識(自分ゴト)
 6.他者承認(見てもらえてる)
 7.チームワーク(ともに歩む)
○不幸せの因子
 1.オーバーワーク(ヘトヘト)
 2.自己抑圧(自分なんて)
 3.不快空間(環境イヤイヤ)
 4.評価不満(報われない)
 5.協働不全(職場バラバラ)
 6.疎外感(ひとりぼっち)
 7.理不尽(ハラスメント)

これまでの経験で、辛かった時期を思い出してみると、不幸せの因子のどれかが関係していたように感じました。
あと、「幸せの因子」と「不幸せの因子」が排反事象ではない、というもの興味深かった。つまり、

・幸せの因子:高、不幸せの因子:低 = 「あぁ、幸せだなぁ」
・幸せの因子:高、不幸せの因子:高 = 「浮き沈み激しい」
・幸せの因子:低、不幸せの因子:低 = 「安定的にウキウキしない」
・幸せの因子:低、不幸せの因子:高 = 「しんどい(涙)」
っていう、大きく分けて4つの状態があると(「」内は僕の個人的なイメージです)。

最後に、Well-Beingを高める方法として以下が挙げられていました。しんどいときは、心に留めおこうと思います。ノッテるときは、自然とできているような。

1.親切な行動に取り組む
2.呼吸を数える(マインドフルネス)
3.最後のひと月”であるかのように過ごす
4.オープン・社交的・外交的に行動する
5.感謝の手紙を書く
6.可能で最高の未来を可視化する
7.最も大切な価値を確認する
8.楽しかった日々を再現し味わう

セミナーの模様はYouTubeにアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=Bx6waILFhh8

職場で情報共有したら、みんなそれぞれ思うところがあったみたいで、よかったよかった。

#前野隆司
#パーソル研究所

#はたらく人の幸福学プロジェクト
#幸福学 ×経営学

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