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マンガ「日本人と天皇」まとめ・感想

〈この本の概要〉

原作:漫画「美味しんぼ」で知られる雁屋哲、1998年から2000年にかけて週刊『金曜日』にて連載された。

天皇とはなんなのか?

君が代の本当の意味とは?

近代天王制(明治時代〜1945年まで)の毒とは?

象徴天皇制(戦後1945年〜現在まで)は本当に無害なのか?

教育勅語とは…?

これらに対しての深堀と問題勃起がなされています。

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〈現憲法の問題点とこの本の主張(一部抜粋)〉

・天皇はそもそも会ったこともない人であるのに、マスコミは様付けをしている。

・終戦は1945年で、憲法はアメリカGHQが出したマッカーサー草案を元に政府が翻訳、改文したものが今の憲法になる。

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・憲法第一条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」とあるが、1946年当時、国民による投票などが行われてはおらず、当時の政府が勝手に決めたことであるのに、国民の総意という表現をしている。

・憲法が作られてから74年経っているにもかかわらず未だに国民の総意となっている。

・天皇は日本国の象徴という訳の分からない第一条。キリストの象徴は'十字架'もしくは'キリスト'、武士の象徴は'刀'、で日本の象徴は'天皇'。今実際に生きている人間を国の象徴とするところからまずおかしい。

・憲法の前文では、「国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と書いてあるにも関わらず、''天皇を象徴''とし(第一条)天皇は投票で決まるのではなく、血統によって決まるシステム(第二条)。

→憲法第2条 「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」

・天皇は国民ではないという論法があるが、それは天皇に対する差別発言ではないのか?

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〈近代天王制と象徴天皇制〉

戦前、日本は明治時代から近代天皇制といわれるものであった。それは教育勅語や上下関係を利用した体罰などでの大衆洗脳であり、戦後象徴天皇制となった今も、脈々と受け継がれている。

上のものには逆らっては行けない。自分の意見を上司に話すことは無礼、など、これにあたる。他には、自分以外の誰かを持ち上げ、自分をその下に置き、持ち上げられた人を支持しないと周りから裏切り者、異端として攻撃する風習があり、それも近代天皇制の毒である。

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さらに代表される近代天皇制の毒が'教育勅語'である。2012年大阪幼稚園児が教育勅語を暗唱させられている。教育勅語については下記を参照。

〈教育勅語についてとその問題点〉

原文(読まなくても○)

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訳(読まなくても○)

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つまり↓(マーカーの部分は読んで欲しい!)

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・「我が皇室の…」→天皇自ら出した日本書紀には、歴代天皇の数々の悪行が記されており、代々築かれてきた徳は決して深く厚いものではない。また、この日本書紀が正しくないとされる説もあるが、それでは天皇は万世一系ではないことになるし、またこのようなデマをもし天皇が書いたとするなら、そんな人が徳が深く厚いわけはない。

・「父母に孝行し…」ここは一見道徳的な部分が書かれているが、教育勅語を推し進める人のほとんどはこの部分だけを切り取って、ほら、教育勅語のどこが悪いんだ?と言い出している。しかしその後の文を読んでみてほしい。

(教育勅語は危険ではないと主張する動画を見つけたので貼っておく。→2013年投稿「第二回教育勅語危険論には逆から読んで倍返しだ!」

)

・「そしてもし危急の事態が生じたら…」読んでいただけるともうわかると思うが、ようは戦争になったら天皇の為に命を捧げろと言っているということである。


)2012年投稿 大阪の幼稚園児が教育勅語を暗唱させられる動画を見つけたので転載しておく。
https://youtu.be/Wo_fxeRIER4 )

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〈天皇制から自由になるためには〉

・天皇制から解き放たれ、自由になるために必ず必要な事項は、「憲法から天皇条項をなくすこと」は最重要項目である。
・天皇制の呪縛から解き放たれ、自由になる為には、どうしたら良いか?それを話し合っていくことが自由への手掛かりになる。

〈感想〉

本作は天皇を悪いやつ!天皇はいなくなればいい!と言ったことを言いたい本なのではなく、これまで行われてきた天皇を中心とした大衆洗脳の歴史、そして日本に深く根付いている天皇制(近代天皇制と象徴天皇制)という制度・システムに対して問題を勃起しているのだと感じた。

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この本はマンガ+文での解説と言った方法で書かれており、かなり読み進めやすかったように思う。また自分の実体験と照らし合わせてみても共感できる部分は多々あり、たまたま読んだ本ではあったけれど、本当に読んで良かった。

教育勅語の点なんかは、もしも自分の子供がいつのまにか教育勅語を暗唱させられていたら、と思うとゾッとした…。

「日本の象徴が天皇」というのがおかしいという話も個人的には納得できて、別のものを日本の象徴として捉えた方が良いのではないかと思う。天皇自体はいわば日本のシャーマンのようなものであると思うから、大切に扱われた方が良いとは思うが、そこに権力を血統によって与えてしまうのは憲法の前文に反すると思う。

その他、物語の主人公達は正義感に溢れ、大人たちはかなり悪く書かれており、人柄が2極化されていた。その点が、もう少し人間味のあるキャラ配置はなかったのかなと思う。悪を正義が成敗する!というような歌舞伎っぽさが若干あったように思う。

「日本人と天皇」は気になった方はぜひ読んでみてください。知り合いならタダで貸します^ ^

ではまた〜

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〈本作「天皇と日本人」の参考文献〉

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