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BLUE B NOSE流 SEOスターターガイドの受け取り方

Webサイト制作やマーケティングに携わる専門家や、当事者であるGoogleですらよく分かっているか不明なSEO。専門家とは程遠いBLUE B NOSE(以下:BBN)も自己流で培ってきたSEO観を有しています。Googleが刷新を発表したSEOスターターガイドを下敷きに、SEOに対するBBN流の考え方、対策方法を簡単にご説明します。

2024年2月2日、GoogleがSEOスターターガイドを刷新したとアナウンスしましたね。こちらが変更ポイントのサマリー(※英語版)

本体(※英語版)はこちら

日本語のスターターガイドはまだ古いバージョンらしいので、どうしても新しいものを読みたい場合は、今なら機械翻訳の精度もそれなりに高いので、英語を適度な分量でコピペしていけば、概要は掴めるでしょう。
今回は刷新されたガイドも踏まえつつ、「結局SEOって何だっけ?」に対して、BLUE B NOSE(以下:BBN)なりの解釈を交え、解説してみましょう。


まずは、何が書いてあるかしっかり読もう

今回、特に抑えておきたいのは、

Things we believe you shouldn't focus on
(フォーカスすべきではないと思われるもの)

https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide#focusing から引用

今回の刷新にあたり、コンテンツの下の方でわざわざ列挙してある部分なので、Google的にはポイントだと言いたいのでは。

いくつか言及されている中で

Google Search doesn't use the keywords meta tag.
(Google検索はmetaタグというキーワードを使用しません)

https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide#focusing から引用

や、

Minimum or maximum content length

同上

と記事の長さは関係ないと言及したり、記事の重複や見出しの順序が狂っていても問題ないとか、

PageRank is just one of those
(ページランクは一つの指標に過ぎず)

同上

Thinking E-E-A-T is a ranking factor
(E-E-A-Tがランキング要因であると考える)

同上

には、

No, it's not.

同上

と回答しています。

E-E-A-Tについてはまた後で触れますが、これは当初から「検索品質評価ガイドライン」(※ 英語版)

https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

上記PDFで触れられている項目であり、

検索順位に直接影響しない

https://seolaboratory.jp/75209/ より引用

とも言われています。

ただ、スターターガイドラインでも

There are no secrets here that'll automatically rank your site first in Google (sorry!).
(Googleであなたのサイトを自動的に1位にランク付けする秘密はここにはありません)

https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide  から引用

とも書かれているように、何をどうすれば高評価に繋がるのか、詳らかにされているようでそうではないというのが実態でしょう。Googleのアルゴリズムや何をすると良いのかは、Googleの実際の取り組みも踏まえた上で、行間を読んで推測、想像する他ないというのが個人的な意見です。

Googleは「より良い検索体験」を維持したい

スターターガイドでも、

Make your site interesting and useful(サイトを面白く便利にする)

同上

とあるように、Googleは自社の検索エンジンを通じた検索体験について、その品質向上を目指していると予測できます。(Google広告で収益を上げやすくするために、Evilな進化をしている面もありますが)

そのため、検索ユーザーに良質なコンテンツを届けること、検索エンジンに良質なコンテンツであると偽らないこと、虚偽や盗用、誇大な振る舞いは慎むことを求め、Googleの印象を悪化させる行為、インチキやブラックなハットについてはペナルティを課し、全体としてGoogleに対する良い印象、信頼を保つというのが根本的な振る舞いでしょう。

検索ユーザーや、良い情報を提供する、期待通りの動きをしてくれるという印象を守ることで、Googleの評判、検索エンジンとしての優位性も守る、向上させる。それがSEOにも援用される考え方だと思います。

優良なサイトである、信用に足る情報であるという素朴な指標が、ドメインエイジであり、サイトパワーであり、ページランクでした。古くから存続し続けているドメインはそれだけ価値があるものであり、権威あるサイトからリンクされているサイト、引用されているページはそれだけ信用に足る、と。

ただ、昨今はページランクを診断する機能も使えなくなって久しく、AIやアルゴリズムの進化によって、

don't worry if you don't anticipate every variation of how someone might seek your content.
(ユーザーがコンテンツをどのように検索するかをすべて想定しなくても、心配する必要はありません)

同上

な時代なので、そういった変遷も踏まえた対策、取り組みを考えた方が良いでしょう。

一つのドキュメント、一つの文書として高品質かどうか

WebやHTMLという特性、あるいは検索エンジンとしての特性から、ドメイン名だのURLだのの固有の分野もありますが、一つの本や書面、文書として捉えたときに品質は高いのか低いのか、そこを見られているのは間違いないでしょう。

Number and order of headings(見出しの数と順序)

同上

の項目で、見出しの数や順序(例えば、h2よりh3が先に来るとか、h2よりh1の数が多いとか?)が多少乱れていても気にしないと言及されていますが、本当にそれがユーザー体験として適切なのか、本やドキュメント、文書として正しいのかを考えた場合、やはりある程度整えてあった方が良いというのが適切な判断でしょう。

Webサイト全体の構造もさることながら、1ページごとのHTMLも文書として問題がないか、見出しやパラグラフの関係が整然としているか、検索エンジンのためだけに、キーワードが過剰に盛り込まれていたり、ユーザーには目視できない形の隠しテキストが差し込まれていないか、スタイリングのためだけにstrongタグやemタグ、iタグを使っていないかどうかなど、そういった部分もある程度は見られていると思って良いでしょう。

被リンクを購入するといったブラックっぽいハットもそうですが、記事の本文やページの構成といった内部SEOに関しても、やりすぎない、文書として慎ましく、過度に存在を大きくしない、身の丈を表現しておくのが無難でしょう。

それでも、何が影響してアップデートに引っかかるのか、なぜアクセスやランクが落ちるのかが分からないというのも、SEOが難しく予測不可能なところでしょう。

オーサーランク、E-E-A-T?

「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を取ったのがE-E-A-Tで、先にご紹介した「検索品質評価ガイドライン」で触れられている概念です。かつてはE(経験)がないE-A-Tでしたが、専門性や権威性、信頼性があっても実際に経験したことでないとコンテンツの品質として担保しがたいといったところから、「やったことがあるかどうか」も評価に加えることにしたのでしょう。(いわゆる耳年増や耳学問、知ったかぶりで知識を披露されても信憑性に欠ける、良いコンテンツとは評価しにくいという判断でしょう)

急に登場した概念のようにも思いますが、(E)-E-A-Tの原型ではないかと筆者が推測するのは、Google+が存在していた頃のオーサーランク。平たくいえば、Google+のアカウントに対して書き手(Author)の評価を積み増すようなイメージ。(厳密には異なると思います)
Google+がサービスを終了させるタイミングで、オーサーランクも溶鉱炉の中に姿を消したと思っていましたが、『ターミネーター』のT-800がそうだったように「I'll be back」を果たしたのが(E)-E-A-Tだと見ても良いのではとは思っています。

もちろん、丸っきり同じものではない上に、かつてのオーサーランクがランキング要因として使われているのではと噂されていた当時とは異なり、"検索順位に直接影響しない"とされている「検索品質評価ガイドライン」で取り上げられている項目である上に、"No, it's not."と改めて述べられたので直接的な要因とはならないでしょう。

しかし、本や文書、論文等に置き換えた場合、「誰が書いたか」は重要なポイントですし、「どの出版社から出たか」も大事な要素です。コンテンツの品質を考慮する上で、書き手のE-E-A-Tや掲載されている媒体のE-E-A-Tは検討されて然るべきでしょう。

発信するコンテンツの内容にも気を配りつつ、種類によっては構造化データ マークアップ

の追加も検討してみましょう。コンテンツがニュースやブログに該当するならArticle 構造化データ

を追加した上で、"author"や"publisher"の項目にしっかり情報を追加しておきましょう。

この時、"SameAs"として他の媒体(例えばSNS)でも発信しているアカウント、活動しているアカウントやURLが存在するのなら、それらもペナルティにならない範囲で盛り込んでおくと、多少はプラスに働くのでは。ただ、"author"も"publisher"も権威や信頼性を認められなければプラスの評価に寄与しない可能性もあるので、「やらないよりはやった方がいい」レベルだと思っておいた方が良いでしょう。
こういう時のためにGravatar

のアカウントを作っておいて、SameAsに設定するのも良いかもしれませんね。

使える構造化データは、どんどん使うべし。ただし、用法は要注意で

検索結果の表示を豊かにする、よりクリックされやすくするために、ちょっとでも使えそうと思った構造化データはどんどん使うようにするべきでしょう。例えば、組織

やパンくずリスト

はどんなサイト、どんなページでも比較的使いやすい印象です。

ただ、どのページで使うかの注意は守るのと同時に、HTMLの方でもしっかり読み込めるデータ、コードを用意しておきましょう。パンくずリストの場合、Googleで推奨とされるJSON-LDであればHTMLとは切り離して記述することも可能ですが、ちゃんとサイト訪問者、ユーザー向けとしてもパンくずリストを提示してあげよう。

この時、パンくずリスト自体はolタグで実装し、外側をnavタグで囲んだ上に、navタグには

aria-label="Breadcrumb"

パンくずリストの末端の要素には、

aria-current="page"

と「aria-*属性」を追加して、スクリーンリーダーなどのアクセシビリティにも気を配るようにしたいですね。

WordPressのプラグイン等の仕様に合わせ、RDFaやmicrodataを使用しても良いですが、どちらも使わない方がHTMLとしてはシンプルで変更も容易なので、技術があるならプラグインを使わずに構築し、上記のアクセシビリティ対策も施した上でJSON-LDを選択するのがオススメです。

PageSpeed Insightsの各項目も対応すると良い?

PageSpeed Insights

もGoogleがわざわざ用意して使いやすくしているということは、こちらのスコアも対策しておくと、Googleが望ましいと考えるサイトへ近付くと予想されます。ここでは表示速度に関するスコアチェックに目が行きがちですが、アクセシビリティ、ユーザー補助の項目もしっかり対策しておきたいところ。

平たくいえば表示速度、正確にはCore Web Vitals(コアウェブバイタル)

ですが、

2021年からランキング要因に組み込まれるとされている

https://digitalidentity.co.jp/blog/seo/core-web-vitals-2.html より引用

指標です。
"検索順位に直接影響しない"とされている「検索品質評価ガイドライン」で言及されている

ページエクスペリエンスを高める

https://seolaboratory.jp/75209/ より引用

にも繋がってきます。

単に表示速度が速いかどうかという域を出て、インクルーシブに使いやすいかどうか。HTMLの構造や「aria-*属性」、適切なタグの使い分けが重要になってくるのも、最終的にはそこへ帰結します。

使いやすさには直接含まれていませんが、ダークモードに対する対応、引いては読みやすいコントラスト比という要素は、PageSpeed Insightsの「ユーザー補助」でも指摘される項目です。HTML/CSSとしても適切なコードを追求しつつ、ユーザー補助の観点でカラーマネジメントも導入する。その副産物でダークモードにも対応しておく。そうすると、ユーザーエクスペリエンスを高めることにも繋がっていくのでは。

一過性で必要ないと判断される要素に、公式診断ツールとしてのPageSpeed InsightsやOS、ブラウザの機能拡張を伴うダークモードなど、色んな企業がここまで一斉に力を入れることもないでしょう。裏を返せば、これらも今後しばらくは求められていくという予測で良いでしょう。

適切な構造、適切なタグによるHTML/CSSコーディングで「やりすぎない内部SEO」がメイン

何度も繰り返しになりますが、Googleがスターターガイドの

Number and order of headings
(見出しの数と順序)

https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide  から引用

の項目で、順序なんて「フォーカスすべきではない」と明記していますが、インクルーシブなアクセシビリティを考慮すると、全くもってそんなことはありません。

やはり適切な文書構造、適切なタグを用いたHTML、時にはCSSによるスクリーンリーダー対策、それらを動的に処理するJavascriptといった内部対策がメインにはなってきます。

h1タグの数なんてどうでもいいと言われても、mainタグの中で上の方に1回だけの使用に留めるべきだし、h2タグの方が大見出し、h3の方が小見出しになるべきです。mainで扱わないものは外に出し、headerやfooter、addressタグやdlタグ、articleやasideタグも無理のない使用を心がけ、読み物としても自然なドキュメント、HTML/CSSとしてもおかしくないソースコードとなるよう、留意すべきです。

見た目とタグの役割は切り離し、strongやem、bやsmallといったタグも役割優先でスタイリングは極力切り離すようにしましょう。太字のスタイルや下線のスタイルが欲しいだけなら、spanにclassを指定して、CSSでスタイルを割り当てればいいのだから。

キーワードを過剰に盛り込まない。見出しで過剰に取り上げすぎない。
自然な文章、インクルーシブでアクセシビリティの高いHTMLにすること。その上でE-E-A-Tを満たしつつ、

Make your site interesting and useful
(サイトを面白く便利にする)

同上

であること。

これがSEOの基本ではないでしょうか。

基本を抑え、Googleの先、行間を読む。アップデートと小手先テクニックで右往左往しない

Googleが求めていること、あるいはこれから進もうとしている先をしっかり把握して、小手先のテクニックに走らず、基本に忠実に色気を出しすぎない、控えめな態度で良質なコンテンツ作りに注力していれば、不意のアップデートでランキングが多少上下したところで、焦る必要はありません。(実際には、そうも言ってられませんが)

「なんとかハック」に走ること、「今はこれが流行りだ」と小手先のテクニックに走ること。こういったことを避けることが大切です。

また、これも繰り返しになりますが、

There are no secrets here that'll automatically rank your site first in Google (sorry!).
(Googleであなたのサイトを自動的に1位にランク付けする秘密はここにはありません)

同上

と今回引用したスターターガイドにも書かれています。Googleが掲げていることだからと鵜呑みにすることが必ずしも正解とは限らない、それを盲信しても裏切られることがあるというのが経験則です。

誰のどんな方針を取り入れてSEOに取り組むかは、もちろん皆さんの自由ですが、誰の話に耳を傾けた方が良いかは、今一度しっかり検討しておきましょう。

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