2020 TOP10SONGS

先日、概要のみ2020年の10曲とアルバム10枚を紹介しましたが、今回はそれについてある程度しっかり文字で残していこうと思います。10コあるので1つ1つは軽くなっちゃうかもしてませんが、体力が持つ限り頑張ります。

10、Swingin’/LOVE PSYCHEDELICO
2020年、特に上半期では、本当によく聴いた「邦楽」の1曲だと思います。単純に曲がめちゃくちゃいいですよね。ブルースロックとか、最近のインディーロックとか、ローファイな音作りが大好きな人はたまらないでしょう。ラブサイケデリコは数曲しか知らなかったんですけど、この曲きっかけに少しアルバムとかも聴いてみたんですがよかったです。ちょっとヒップホップとかともクロスオーバーしてるのもいいんすよね。

9、Rolled Up feat.Mac DeMarco/Benny Sings
こちらもローファイサウンドがたまらない1曲。11,12月あたりは結構聴いてましたね。ヒップホップ以降、意外と生演奏やこういうローファイサウンドもまた盛り返してきた感もありますが。私はドレイクやウィークエンドの曲のようなドスッと響くキックが入っている曲も大好きですが、こういう生音のローファイサウンドももちろん大好きです。コロナ禍以降、インターネットはますます我々の生活のなかに入り込んできますが、逆光の流れとしての生音・生演奏っていうのは意外とこれから増えるんじゃないかと勝手に思っています。

8、Good News/Mac Miller
音楽の世界では、才能あるアーティストが若くして亡くなるということが起こります。今年はポップスモークがその最たる例でした。このマックミラーも2018年に26歳の若さで亡くなっています。そして本人に近い人たちが本人のコンセプトを継承して死後にアルバムを創り上げるということもある。それがこの曲が収録されたアルバム「Circles」だ。」宅録のようなサウンドはもはやラッパーではなくシンガーソングライターのような雰囲気をまとう。特にこの「Good News」は私だけではなく、パンデミックで苦しむ世界中の人たちにそっと寄り添った名曲です。

7、Dynamite/BTS
私が2020年で音楽リスナーとして一番変化した点でいえば、K-POPに精通するようになったということで。特に年の後半から、ぐいぐいとBTSやBLACKPINKなどを聴く時間が増えましたね。この曲は日本でもヒットして、音楽番組なんかでもたびたび披露されていましたね。私にまで届いてきたということは名実ともにBTSはグローバルポップの受け手ではなく、発信者になったということ。今後、彼らがどんな作品を発信するのか、非常に楽しみです。

6、Dance To Moonlight/OKAMOTO'S
オカモトズの私のnoteへの登場率も高いですね。この曲、今年はめちゃくちゃ聴きましたね。もしかしたら1番かもしれない。最高ですよ。教会の鐘から始まるきらびやかなサウンド、山下達郎やユーミンを思わせる楽曲構成、そしてパンデミックによって内側に閉じ、停滞することを余儀なくされた世の中だからこそグッと響くようになってきたリリック。「永遠なんて誓わなくていい 音は止まない Keep on Dancing」

5、Broken Boy (feat.Iggy Pop)/Cage the Elephant
めちゃくちゃかっこいい。この一言に尽きる。初めて聴いたときに久々に全身の血流がぐわあああっとなるような。この曲、実は2019年のアルバムに収録されているんですが、その時はここまで引っかかる感がなかったんですが。今回、イギーポップを客演に迎え入れてシングルカットされたこの曲を聴いたときはビビッと来たわけで。こんな感じで良い曲に出会えるとき、逆に言うと良い曲を逃しているときもあるわけで、簡単に音楽を消費できてしまうこの時代だからこそ、もっと聴き手も真剣に聴かねばと思った1曲でもありました。

4、Fdf/cero
ceroは本当にすごい。脱帽。ceroはずっと大好きで、全カタログしっかり聴いてるぐらい大好きなので、新曲が出たときもすごくわくわくしながら聴いたのですが。最寄り駅のフォームで衝撃を受けたのを鮮明に覚えています。ナニコレ、ナニコノオト状態。私はハウスやテクノにあまり詳しくないのですが、明らかにこれはヤバいやつだろうと思って、彼ら自身が公開された元ネタになった曲のプレイリスト聴いたりして、まだまだ未知の音楽はたくさんあるなあと実感した1曲であります。

3、Wash Us in the Blood (feat.Travis Scott)/Kanye West
今年は何かと音楽以外で話題をかっさらったカニエですが、7月の頭にリリースされたこの曲もめっちゃ聴きましたね。ちょうど、BLM運動も注目を集めていた時期で、この曲が共振する部分もおおいにあったのではないかと思います。カニエはガチのクレイジーなので、いろいろ言われたりすることもありますが、やっぱり作ってくる楽曲がいいので、これだから彼のファンはやめられません。

2、The Age (feat.BASI,Dhira Bongs & Keishi Tanaka)/Gotch
いろいろゴッチについては書いてきたので、今更書くこともあまりないのですが、はっきり言ってこの曲は大名曲であることは間違いないです。私の色眼鏡を抜いても間違いない。ゴッチの近年のソロ作品を構築するベースとなっているのはラップとゴスペルだと思っていて、この曲はその要素の旨味が凝縮されたような曲調で、そして彼の常に弱者の側に立ち、そっと肯定をし続ける力強い言葉。タイトル通り、この時代を生きとし生ける皆さんに聴いてほしい1曲です。

1、Murder Most Foul/Bob Dylan
「もっとも卑劣な殺人」と称されたこの曲が発表されたのは、ジョージフロイドさんが全く卑劣な殺人に被害者になる2か月前のこと。17分という長い時間に、ケネディ暗殺から数年間に起こった出来事や作品を箇条書きのように羅列していく。時代は全く変わっていない。ボブディランほどの偉大な音楽家でも何も果たせなかったかのような悲しさや世の中の愚かさを感じざるを得ない。そして、昨今のコンテンツがハイコンテクスト化する以上にハイコンテクストで、どのような形でこの楽曲を切り取ればいいのかもよくわからない。あと、とにかく音がすごい。フォークシンガーでもロックシンガーでもなく、アンビエントアーティスト。フランクオーシャンやブレイクミルズ、フィオナアップルなどが切り開いてきた領域を、ディランが卓越した言葉とギターで壁を壊してみせた。いろいろ考えられて何もわからないので、とりあえずいいスピーカやヘッドホンで歌詞を観ながら聴いてみてください。

以上、10曲です。2020はパンデミックやBLM、大統領選挙など、世界が混沌化するには十分すぎるほど濃密な1年でした。音楽などの芸術は、世の中が不安定になればなるほど傑作が生まれてくるようなパラドックスもあって、私たちはそんな楽曲を聴いて楽しみながら、何かを学んだり行動したり、できるといいですね(小並感)。


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