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岡本カウアン氏の勇気を讃えたいジャニオタの徒然草

 担当グループをデビュー後間もなくから箱推しし始め2年になる、未だに最推しが決まらない限界オタクがこの記者会見に対して思うこと。

※同じ内容でコメント欄が公開されている別動画にもほぼ同じ内容のコメント済。パクリ記事ではなくコメ主本人である。

 某グループにハマってから今までの数年間、暴露本やそれ系の記事は読めるだけ読んだ。読んだうえでグループをこの上なく推し続けている。
 記者会見を拝見して、やっと私もこの件に向き合えた思いだ。

 前社長に気に入られたJrはデビュー前に前社長が好きな童顔低身長のままでいられるように前社長特製のホルモン剤を注射される、断るとデビュー予定が白紙になる。という内容を、推しグループにハマり始めた当初に読んだ。
 それがショックすぎて暴露内容を読み返せなくなったし、信じるのがずっと怖かった。
 テレビで童顔低身長のジャニーズアイドルさんを見る度に心が抉られる思いだ。推しグループはほぼ全員が高身長で、低身長のメンバーは確かに童顔だが他グループの平均身長を考えるとそこまで低い訳では無い。
 推しグループに対しても推しではないグループに対しても、この件の内容を読んでからというものテレビやYouTube動画を普通に楽しめなくなってしまった。

 もしホルモン注射があの暴露の通り事実だとしたら、デビューまで苦節の年数重ねた高身長勢揃いの推しグループは注射断ったからだったのかな?とか、どうしても彼らを見る度に頭をよぎる。とはいえ推しグループに対しただの想像で「その身長なら注射されなかったってことか。手つきにならなくてよかったね」なんて思えない。
 もし注射を断ってもデビューできたのなら余程の奇跡ではなかろうかとか、同じグループに童顔低身長とそうではない高身長が混ざってるのは効き目の個人差だったのかもとか、あらゆる可能性に対して余計な邪推をしてしまうようになったのは私だけであってほしい。そんな邪推に自己嫌悪になるのも私だけであってくれ。

 最大の被害者は当人達、それは事実。
 だけどファンという派生被害者もいる。アイドルはファンを笑顔にするための仕事であるはずなのに、私はもうこれ以上は純粋に担当グループを見ていけないと思う。
 前からもこれからもずっとファンだし円盤も買い続ける。だけど「純粋無垢な好き」には戻れない。過去の動画や録画を見返して、ラジオの発言一つ一つまで余計な邪推で考察をしてしまうようになった。それが悲しい。
 こんな形の『ずっと長い間辛い記憶と戦って頑張って来たんだね』という気持ちで担当グループを応援したかった訳ではない。

 でもこの件で推し当人を逆恨みするのは違う。
 ましてや岡本氏や過去に暴露した元ジャニーズの方々を「お前たちが告発さえしなければ私はずっと推しに夢を見ていられたのに」「どうせデタラメだ、私の可愛い推しはあんなに前社長を慕っているのに性的虐待などある訳がない」などと叩くことは絶対にしない。そんなこと、あってはならない。
 どんなに岡本氏を叩いたって、過去に暴露本が出版されている。告発は既にあらゆる形で何人もの元Jrによって行われている。

 何よりも、過去に裁判で生前の前社長自身が性的虐待の事実を「あったかもしれない」などと往生際の悪い言葉で逃げきれず認めている。前社長自身が既に敗訴している。その事実は覆しようがない。

 この現実に向き合わずして岡本氏を叩くのは違う。彼の勇気と覚悟を褒め称えこそすれ、踏み躙っていい理由はない。
 岡本氏の記者会見を叩くジャニーズファンは残念なことに数多い。そんなジャニーズファンに対して言いたいことが山ほどある。

「推し自身が心の整理がついて告発してくれるのを待ちたかった、岡本氏のこの記者会見によって推しの心のセカンドレイプになったら推しの気持ちはどうなる」という気持ちだとして、それは尤もだ。何せ筆者も同じ気持ちだ。推しが被害者だとして、推し自身が自ら告発してくれることを待ちたい気持ちだけは共感できる。
 だが、推しの気持ちさえ守れれば岡本氏のここまでの覚悟と勇気は踏み躙っていいのか。

「性的虐待なんてデタラメだ、有り得ない。だって推しは前社長を今でも慕っているし良い思い出ばかり話しているのに」?
 前社長の敗訴という事実がその盲目的なファン心で覆せるというならば、いつまでも『日本の芸能界は枕営業も権力にものを言わせた性的虐待も一切ないクリーンな世界です』と夢を見ていればいい。夢を見るのは個人の選択なのだから、それこそわざわざ岡本氏を叩かず変わらぬファンを続ければいいだけだ。

 どれだけテレビが取り上げないままでも、テレビより遥かに広い世界であるインターネットではもうこの事実を揉み消せはしない。
 ジャニーズ事務所の前社長は練習生を依怙贔屓し、デビュー如何を性的虐待によってコントロールした。前社長はグルーミングという洗脳によって所属アイドル達を虐待した。未成年の純粋な心を何百人と踏み躙ってきた。その事実に日本が目を背け続けるのはもう限界だ。先にBBCが切り込みドキュメンタリーを作ったという事実がどれだけ恥ずかしいことか。筆者はもう盲目なファンではなく筆者なりに向き合っていきたい。
 こんな洗脳と虐待が過去も現在も未来永劫も、許されていいはずがない。所属アイドルのファンという気持ちと前社長への憤りは別。

 声を上げられない現所属アイドルやJrを、どうか責めないでほしい。お前たちも立ち上がれとか、生前に言わなきゃ意味が無いとか、どうか追い討ちをかけるようなことはやめてくれ。
 性被害は実際受けなきゃわからないおぞましい負の記憶だ。こんな記者会見という環境で、YouTubeで見られる永遠に残り続ける映像の形で、普通のメンタルの人間がとうてい言える訳がない。
 岡本氏の勇気と覚悟が尋常ではないだけだ。性被害の告発は、彼のように当たり前にできることなんかじゃない。

 悲しいことに、岡本氏を叩くコメントがジャニーズファン・ノットファン・アンチ関わらずたくさん見受けられる。
 その中でも特に筆者は、先述した「前社長が死ぬ前に言え、死んだ後では意味が無い」というコメントの多さにショックを受けている。

 このコメントができる人達は、きっと性被害にあったことない幸せ者だ。そしてどこまでも残酷で悪意のないセカンドレイプでもあると感じている。

 そんなに言うなら一度でも性被害に遭ってみればいい。電車や中古ショップで数秒触られただけでも、された人間にしかわからないおぞましくて思い出したくない記憶なのに。筆者だってこうしてnote原稿打ってるだけで思い出すのがしんどい(この原稿を打つのにトラウマが邪魔して暫くかかった)

 被害内容の大小関係なく、性被害の経験自体を告発するのにどれだけの勇気と心の整理の時間を要するか。それを知らないのは幸せな人生だけど、知ろうともしないで簡単に「生きてる間に言わなきゃ意味が無い」なんて言わないでほしい。お願いだから。お願いだからもう言わないでくれ。それ以上岡本氏と過去の被害者一同の心の傷を抉らないでくれ。
 BBCのドキュメンタリー映像も見てくれ。被害を告発した方々のうち、お年を召した方でさえ途中で言葉を詰まらせている。あれが前社長の名誉を陥れるための演技だったとは、筆者には思えない。

 岡本氏にとって恐らく、記者会見に応じたこと自体が自分の塞がっていない傷を自らナイフで抉る行為に等しい。
 永遠に閉じ込めておきたいはずの忌まわしい記憶を全て自分の手で原稿として用意して、何度も自分の目で読み返して推敲して。数多の記者が待つ広い会場で一人壇上に上がり顔と名前を公表し、自分の口で原稿を読み上げ、自分の声を自分の耳で聞く。そしてその映像と音声が、この先永遠にYouTubeに残り続ける。
 それがどれほどの苦痛でありどれだけの覚悟を要したことなのか、どうか想像だけでもしてほしい。

『生きている間は権力が怖いから言えなかったけど、今ならやっと公表できる』じゃない。
『前社長の生死関わらず彼自身が公表できるようになるまで心の整理をつけられたのがたまたま今のタイミングだった』だけ。

 他人への思いやりは想像力から始まる。どうか、自分のコメントを投稿前に今一度読み返してはくれないだろうか。岡本氏を傷つける内容であるかどうか推敲してから投稿しても遅くはない。どうかお願いだ。

 筆者のこの記事自体が『性的虐待など事実無根だと信じたいファンにとって配慮のない発言』であることは重々承知のうえで、上記を投稿させて頂く。


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