宝塚記念・考察
Twitterに上げた各馬短評がとっちらかって読みにくいので記事にまとめました。
前回の結果
日本ダービー
◎タスティエーラ
〇ソールオリエンス
☆べラジオオペラ、ショウナンバシット
→あたり
宝塚記念・前提
上半期の総決算たるドリームレース。ここ数年はメンバー集まらずスカスカの実質○頭立てみたいなレースになっていたが、今年はイクイノックスを筆頭にGⅠ馬8頭が揃う豪華レースになった。 以下、ポイントはこの時期の阪神の馬場と2000/2200の相違点。
阪神芝・馬場
開催最終週、かつ梅雨時期であるため、全体的にダメージが進んでタフ・外伸び傾向になりやすい。近2年は比較的天気が良好だったこと、例年の開催4週目と違い2週目だったこと、京都代替のために馬場を作りこんでいたことなどの影響(たぶん)で最終週まで内が使える馬場であったため、傾向としてはイレギュラー。22,21年は馬券内を馬番⑩以下の内枠馬が占めたが、20年以前は高頻度で8枠の馬が絡んでいる。先週の馬場を見ると大分フラット寄りになっている(外差し傾向に近づいている)ため、今年は20年以前の馬場をイメージしておいた方がいいかもしれない。
・阪神2000mと阪神2200m
同じ内回りを使用する2コースであるが、2200mの方が差しが届きやすい。引き込みスタートの分最初の直線が長く先行争いが長引きやすいのが主な理由。2000で先行して残した馬が2200で残せなかったり、逆に2200になった事で届く馬がいたりする(去年で言うと前者はポタジェ、後者はヒシイグアス)ため、コース特性の違いは頭に入れておきたい。 内回りらしく直線は短いので、3~4コーナーで加速しながら位置を押し上げられる馬が理想。皐月賞を予想する感覚が近いと思う(個人の感想)
ここから主観の余談
誰がどう見ても1番強いイクイノックスが有馬記念よろしく馬なりで上がって行って先行馬を潰す展開が想定されるため、前で凌ぎきって勝つ馬を狙うより後ろから一緒に上がっていって2,3着に来る馬を当てる方が現実的な気がする。
各馬考察
イクイノックス
強い。終わり。ダメ? これまで見せたパフォーマンスから現役馬の中で一番強い馬であることは疑いようがない。東京の長い直線で抜けたトップスピードを繰り出せる(秋天)上に、小回りコーナーを馬なりで上がっていく器用さもある(有馬記念)。 見えている範囲の能力だけで言えば逆らいようがない。 3歳時に秋天→有馬記念を圧勝しているのはエフフォーリアと同じだが、こちらは既に4歳春で1勝しているので状況は違う。海外帰り、慣れない栗東滞在という要素はあるものの嫌う要素としては頼りない。ある意味当然の◎候補。
ジャスティンパレス
長距離路線で開花し阪神大賞典、天皇賞・春を連勝。ただ、天皇賞・春に関しては人気のタイトルホルダー、アスクビクターモアらが前で崩れる(やや自滅に近い形)レース展開の中でルメールが上手く乗った印象で、そこまで圧倒的なパフォーマンスだったか?は疑問が残るところではある。
阪神大賞典、春天とディープボンドに同じくらいの着差(それぞれ0.5,0.4差)を付けており、凡そそのくらいの立ち位置か。ディープボンドは中距離GⅠでも上位に食い込める力はあるので、そこより明確に格上ならここでも力は上位だろうか?
クラシック時代はイクイノックスらと明確に差をつけられており長距離路線のメンバー弱化で浮上したのか馬自身の成長なのかがやや判別つかないのが難しいところ。人気しそうな今回積極的に買いたくはないが、メンバーを見渡してみると実力は上位で暫定〇評価。
ジェラルディーナ
オールカマー、エリ女を連勝でGⅠ制覇、更に有馬記念でも3着と強いオンナ。 ただこの3戦は何れも恵まれポイントあり。オールカマーはイン前馬場の内枠、エリ女は外差し馬場の外枠。有馬記念は先行馬をイクイノックスが綺麗に掃除してくれた後のバテ差し着狙いという感じで額面通りのパフォーマンスとは受け取りにくい。内で閉じ込められて動けなかった大阪杯では見せ場なく凡走(詰まってたけど)しており、今回のメンバー相手だと力が足りなさそう。小回りコーナーでの加速は得意で阪神2200は向くコースであることは間違いないのだが… 現状無印。
ディープボンド
ジャスティンパレス相手に明確な力の差を見せつけられているため、春天から更にメンバー強化されるここはなお厳しい。ジャスティンパレスの更に上にイクイノックスが居そうなことを考えても頑張っても3着までか。無印。
ブレークアップ
ディープボンド同様、ジャスティンパレスを倒す力がない。同じ理屈で無印。
アスクビクターモア
高レベルな22クラシック世代において皐月5着ダービー3着菊1着はとても価値が高い。ダービーはハイペースを前受けしてドウデュース・イクイノックスに続いていたし、菊花賞はハイペース逃げを打ったセイウンハーデスを早めに捕まえに動いて凌ぎきった。速い時計での走破能力が高くイメージとしてはタイトルホルダーに近いタイプか。
近2走はいい所なしだが、出遅れ&不良馬場の日経賞と京都でやっちゃいけないレースをした春天はノーカウントでいいと思う。 タイトルホルダーに近いタイプなので例年の宝塚っぽい外差し馬場になるとマイナス。道悪でハッキリパフォを落とすので良馬場は必須条件。 馬場の助けは必要そうだが素の能力は十分で、小回り高速条件ならイクイノックスと戦えそう。○候補(良馬場限定)
ボッケリーニ
GⅡ、GⅢで強い競馬をしてGⅠで壁に阻まれている馬。京都大賞典ではヴェラアズールに力差を見せられているし、力があるならジャパンカップか有馬記念のどちらかでは見せ場を作れたはず。現状無印。
ドゥラエレーデ
ホープフルSのレースぶりからトップナイフと凡そ同じくらいの力かなと思われるため、53kgの軽斤量を貰っても戦えるとはあまり思えず。前が恵まれるような馬場になりそうにないのも厳しく、現状無印。
ライラック
主な戦績は昨年のエリ女2着だが、ジェラルディーナのところで書いた通り外差しが圧倒的に恵まれたレース。同じ進路を通してジェラルディーナに完敗しているので、この馬がしっかり走る展開になってもその前にジェラルディーナがいることに… 無印。
ダノンザキッド
謎の馬。終わり。ダメ? 人気のない時に走り人気して凡走する馬券の教科書みたいな馬。内、外回り問わず阪神では安定して走るらしい。 とはいえ、大阪杯は絶妙なペースで逃げた武豊ジャックドールの後ろあたりのベストポジションを確保し、イン前馬場の恩恵を活かしきっての3着という内容で、大阪杯→宝塚記念でパフォ落としそうな競馬(間にQE2世挟んでるけど)。脚質は自在なので(ほんま勘弁してくれ)今回は後ろから追い込んで来るかもしれないが… 人気しないなら抑える、くらいの温度感で良さそう。現状△候補まで。
スルーセブンシーズ
牝馬限定ハンデ重賞を何とか勝った馬なので力は足りなさそうだが、中山牝馬Sでのコーナーの加速力はいい物がある。中山専用キャラが走りやすい舞台ではあるので、コーナーで足が使えるような馬場と枠になれば出番があっても。△評価。
余談
なんと凱旋門賞に出走登録しているらしい。ロンシャン2400と阪神2200はリンクがあるらしい(真偽不明)ため、陣営が本気で凱旋門賞狙えると思って登録しているなら楽しみがある。
ヴェラアズール
ジャパンカップの内容がとても強い。直線でなかなか進路が開かず追い出しが遅れたが、前が空いてからは鋭く伸びて前にいたシャフリヤールを差し切った。メイチ仕上げ、かつ得意の東京2400だったシャフリヤールを後ろから差せる瞬発力は素晴らしく、瞬発的な加速力はメンバー随一。小回りコース(中山2500)を2回走って、3勝クラス3着有馬記念10着と小回りが苦手な戦績だが、個別にレースを見ていくと ・サンシャインS:中間緩みのラスト5,4Fで連続13秒台のラップを後ろから進め物理的に届かないレース。それでもコーナーでは上手く加速できているし、前で完璧に進められたブレークアップに迫っていた。
有馬記念:JCメイチでお釣りなし、4コーナーでは既に手応えなし と、「小回りが苦手で負けた」という内容ではなかった。 長い直線がベストな馬ではあるものの、JCで見せたパフォはかなり高く、後方脚質組では一番狙いたい。〇候補。
ユニコーンライオン
21宝塚記念の2着馬ではあるものの、当時はイン前が使える綺麗な馬場で、レイパパレとの行った行っただった。メンバーレベルもクロノジェネシス、レイパパレ、カレンブーケドールくらいしか強い馬のいないレースだっただけに、相手強化で馬場も向かなそうなことしは難しいか。無印。
ジオグリフ
皐月賞馬。この世に2頭しかいない、イクイノックスに土を着けた馬。 皐月賞では外差し馬場を完璧に活かしきった競馬だったりかかって行ってしまったイクイノックスを完全マーク出来たりと恵まれた要素はあったが、それでも能力があったからこその差しきり勝ちだったと思う。
ダービーや秋天のような極限のスピード勝負的なレース質は向かないので、持久力とコーナリングを生かせる宝塚記念は絶好の舞台で巻き返しが期待できる。先週までのような高速馬場だとパフォーマンスは上げられないので、一雨降るなどタフ馬場側に振れてくれれば。条件付き〇候補。
カラテ
タフ馬場で長く脚を使えるタイプで、例年っぽい宝塚記念の馬場なら合う。高速良馬場だった秋天、JCでそれぞれ勝ち馬に0.7差で走れる力はあるので、条件さえ向けば浮上出来ても。タフ馬場条件で△候補まで。
モズベッロ
さすがに厳しい。雨が降って欲しいが、雨が降ってパフォーマンス上げそうかつ力が上の馬も多く… 無印。
プラダリア
キレないバテないディープなのでタフっぽい宝塚記念は向くのだが、日経新春杯では似たような条件設定で59kgのヴェルトライゼンデに完封負け、キングオブドラゴンにも先着されている。そもそもの能力に疑問符がつき、無印。
暫定印(枠順確定前)
◎イクイノックス
〇ヴェラアズール、アスクビクターモア、ジオグリフ、ジャスティンパレス
△ダノンザキッド、スルーセブンシーズ、カラテ
イクイノックス以外は混戦。
〇印の中では
馬場関係なく買いたい→ヴェラアズール
高速馬場なら→アスクビクターモア
タフ馬場なら→ジオグリフ
実力上位(消極的)→ジャスティンパレス
といった温度感。
イクイノックスから多点に流すと当然プラスは難しくなってくるので枠順、天気を見ながら絞っていきます。
(結局◎単勝1点で良いやんの可能性もあり)
阪神芝(内)・馬場
視覚的にははっきり内側は傷んできていて各ジョッキー内を開けるような進路取りが多いが、10Rのシナモンスティック・ラクスパラディーがイン前で残っており意外と内は使えている。
インが一発アウト、外回した馬のみ来る、のような極端な外差しにはならなさそう。前提の欄では皐月賞を予想する感覚、と書いたがその馬場状態とは違うイメージになると思う。
走破時計は先週に引き続き速めで、10Rでは3勝クラスとしても速めの時計が出ている。去年と同水準の速い馬場だと思うが、今年は極端にペースを引っ張る馬はいないので2分10秒台前半くらいの決着タイムになりそう。
暫定印(前日)
◎イクイノックス
〇アスクビクターモア
▲ヴェラアズール
(☆スルーセブンシーズ)
各馬短評
◎イクイノックス
20以前宝塚のような馬場だと3枠5番はあまり歓迎できる馬場ではなかったが、土曜日段階のような馬場であればインを追走して外に持ち出すタイミングだけ。
⑫アスクビクターモア⑯ユニコーンライオン⑱ドゥラエレーデと先手を主張したい馬が外から突っ張りそうな並びになったため隊列は縦に延びる可能性が高く、外に持ち出す難易度は比較的低め(鞍上の腕を考えれば)。
強い馬が特に嫌える要素もないのでそのまま本命とする。
〇アスクビクターモア
高速良馬場が必須条件だっただけに土曜日時点の馬場なら絶好。ユニコーンライオンとドゥラエレーデが外にいるのは少しやりにくいが、菊花賞の競馬からハイペースを前で押し切る形になるのは歓迎。
▲ヴェラアズール
一瞬のキレタイプなので例年(20以前)の宝塚っぽい馬場で外を回して加速し続けなきゃいけない馬場はちょっとしんどい(各馬考察で書いた通りこなせなくはないと思うが)。
内で溜めて前が空くのを待つ騎乗でいい馬場(と人気)なのはプラス。馬群に突っ込めるし、空いたスペースをスパッと抜ける加速力もある。
ただその騎乗が本当にベストなのか、またその通り鞍上が乗ってくれるかも未知。ギャンブル要素はあるが、上手く運べれば。
(☆スルーセブンシーズ)
逆に例年(20以前)の宝塚っぽい馬場で外を回して加速する競馬の方が良かった。オッズ的にもすぐ下のボッケリーニとの間に断層ができているが、純粋な力だけでいえば流石にボッケリーニの方が上では…と思うとなかなか手が出せない。印としては残すが恐らく買わないと思う。
想定買い目
◎-〇馬連orワイド
◎〇▲三連複1点
◎イクイノックスの時点で散らしてオッズは取れないのが確定しているので、不的中を甘受して1点で買いたい。
◎単勝1点でええやんのオッズになる可能性も(わずかに)あるので直前まで推移は見守りたい。
最終的な買い目はTwitterにて。