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上質な「認知・判断・実行」とは。その育て方や練習の方向性とは。

バスケットボールは対人戦だ。

事前にこれをやると決められた動きをどれだけ美しくこなしても、得点できるとは限らない。

スリーを打とうと決めていて、どれだけ美しいフォームで正確無比なシュートを放とうとも、ディフェンスが近くにいればブロックされて終わりだ。

ただし、仮に素晴らしい動きをしてシュートを打ち切ったとしても、そのシュートが全く大外れしていれば、それもまた得点にはならない。
あくまで「正確な動作ができること」というのも重要な要素だということは否定する気はない。

ヒトが行動決定するまでのプロセスは

1.認知
2.判断
3.実行

と言われる。

認知とは五感を駆使して情報を集めること。
判断とは得た情報を元に最適な行動を決定すること。
実行とは決定された行動をイメージ通りに遂行すること。

自転車で横断歩道を渡る時で言えば

1.信号を見る
2.青だった→進む動きをしよう という選択をする
3.イメージ通りにペダルを漕ぐ

という流れになる。

スポーツにおいてもこの3段階は確実に存在している。

バスケットボールは認知・判断に求められる水準が非常に高いスポーツだ。

・疲労による脳のパフォーマンス低下
・時間がないことによる余裕のなさ
・認知すべき情報の多さ
・求められる判断の複雑さ

本気の試合はゲームスピードが非常に速い。
次の一手をゆっくり考える時間がないのだ。
瞬間瞬間でほぼ反射のように正解を導き出さねばならない。
それも、疲れている状況で。

「そもそも今この瞬間何を遂行すれば良いのか導き出せない」
「そもそも今何が起こっているのかすら分からない」
という状態に陥っている選手は少なくないだろう。

認知・判断が不足した状態のままシュートを実行したら、ブロックされるかもしれないし、ブロックされないかもしれない。

ブロックされれば明らかに失敗だし、ブロックされずにシュート成功したとしても、100回に1回の成功をたまたま1回目で引いただけで、実際には失敗と同義だったりもする。

実力の高さとは、再現性が高い成功ができる選手のことだ。

求められる水準が高いからといって、認知・判断を放棄してはならない。

認知・判断を抜きにした、中身のない成功に溺れてしまうと、そう遠くない将来で壁にぶち当たることになるだろう。

持論だが、認知・判断には「コンセプト」が存在している。
どんな状況を目指してそれを行うのか、といったところだ。

私はコンセプトを2つに分けて整理している。

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