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㊗「百年の孤独」文庫版発売

ガルシア・マルケス「百年の孤独」が文庫化され、カバーの美しさも相まってか売れ行きが好評のようだ。

しかし、私はこれを読んでもないし、買ってもないので、その内容を論じることが出来ない。買っていない理由は、単行本が自宅に積んであるからで、読んでいない理由は、すでに2度ほどチャレンジして、2度とも途中で挫折したからだ。とても悔しい。

私には「読むことは決まっているけど、それがいつなのかは決めかねている本」というのが結構沢山あり「百年の孤独」もそこに分類されている。さらにこの本は「リベンジ」という特別なバッチも付いている。一度挫折したにもよらず、再度読みたいと思わせるからには、それだけの魅力を感じているということだ(または意地)。ちなみに、現在読んでる最中のニューロマンサーも同じリベンジ本なのだが、すでに挫折をしかけている…。なお、私は自分が挫折した本(つまらなくて中断をしたのではなく、読みたいのに読めなかった本)を読了している方にあうと、素直に尊敬する。

「百年の孤独」に話を戻す。少し紹介をすると、ノーベル文学賞を授賞したガルシア・マルケスの代表作である。また、新潮社の「考える人」という雑誌が2008年に発表した「海外の長編小説ベスト100」では、堂々の一位を獲得している。

1「百年の孤独」ガルシア・マルケス
2「失われた時を求めて」マルセル・プルースト
3「カラマーゾフの兄弟」フィードル・ドストエフスキー
4「ドン・キホーテ」ミゲル・デ・セルバンテス
5「城」フランツ・カフカ
6「罪と罰」フョードル・ドストエフスキー
7「白鯨」ハーマン・メルヴィル
8「アンナ・カレーニナ」レフ・トルストイ
9「審判」フランツ・カフカ
10「悪霊」フィードル・ドストエフスキー

海外の長編小説ベスト100

そして、元ネタは何なのか解らないが、この本は『文庫化したら世界が滅びる』と言われており、その方面でも界隈をざわつかせていた。(この都市伝説の由来をご存じの方がいましたら、是非教えてください)

つまりは、何故かこれまで文庫化されていなかったが、今後はおそらく新潮文庫の100冊の常連になるであろう、大変結構な作品なのである。

しかし、ネットで検索をすると、私と同じく挫折している方も多いようだ。そして、そんな「百年の孤独」落伍者の私たちのために、なんと新潮がネタバレ注意の「「百年の孤独」読み解き支援キット」なるものを無料公開している。なんと、やさしい世界なんでしょう。

ちなみにですが、ガルシア・マルケスの別の著書である「予告された殺人の記録」は好きだ。これは、物語というかルポルタージュのような独特な作品で「百年の孤独」とは随分と毛色が異なる。実話がベースの、嘘のような本当の話で、事実は小説よりも奇なりと言わんばかりの不条理さと、その表現手法には結構な衝撃を受けた。一方で「百年の孤独」「ビッグ・フィッシュ」のようなファンタージの印象で、ファンタージが過ぎるせいか、いったい何を読まされるんだ?と不安を抱えたまま迷子になりがちなので、いつになるかは分からないけど、この読み解き支援キットを道しるべに、今度こそリベンジを果たしたいと思う。


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