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関心領域の異常

2023年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、2024年5月24日の上映から1週間が経過した「関心領域」の、noteでのキーワード検索が2,000件を超えている。

同じくパルムドールを受賞し、2024年2月23日から上映している「落下の解剖学」の同条件の検索件数は600件だ。

2022年パルムドールの「逆転のトライアングル」およびグランプリの「CLOSE クロース」「Stars at Noon」の検索件数は300件程度。それらに比較をすると「関心領域」の関心度合いが異常なのがよくわかる。

この映画を見た後に、NoteやSNSにその感想を吐露したくなる気持ちはよくわかる。むしろ対面の友人や家族よりも、ネット越しの誰でもない誰かに宛てることで、自分自身と壁打ちがしたくなる。これは製作者の意図に即した行動であり、思惑通りと言わざるを得ない。またこの映画は、視聴をするために、ある程度の背景の知識を要求とする。その知識の量と理解の深さ、解釈の仕方は人それぞれだ。それを映像で押し付けることは一切せずに、視聴者が能動的に受容まはた発信をする。その連鎖が過去の悲劇を過去のものにはさせない関心領域へと誘い込む。私もその一人だ。


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