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レッドソックス投手再建のキーマン3人について

 ヘッダー画像は下記より引用しました
https://www.masslive.com/redsox/2023/12/mlb-notebook-winter-meetings-offer-craig-breslow-chance-to-get-to-work.html

 どうも、bos-bosです。

 レッドソックスの先発投手補強が一向にないので退屈ですね。なので、ポジティブになろうとnoteを書こうと思います。投手力強化に向けたチーム改革はなにも選手の獲得だけではない。すでに始まっているのだということで、新体制になったチームのキーパーソン3人を紹介します。


Crig Breslow(Chief Baseball Officer)

 解任されたChaim Bloomの後任として古巣のフロントトップに就任しました。
現役時代は左のリリーバーとしてレッドソックスなどで活躍。名門・イェール大学出身で分子生物物理学と生物化学を学び、球界最高のインテリ選手と言われたことも。2013年は上原、田澤両投手とともにブルペンを支えてWS制覇に貢献したのは思い出深いですね。

 現役引退後の19年1月、現役時代にGMと選手の関係性だったTheo Epsteinのいるシカゴ・カブスでフロント入り。主に投手部門の強化、育成を任されて、20年11月にGM補佐にまで昇格するなど早いペースで出世していったことからも評価の高さがうかがえます。

 カブスは23年のチーム投手fWAR17.5(ナ・リーグ4位)を記録。生え抜きのJustin Steeleがサイ・ヤング賞候補にまで成長するなど投手力の改善に成功。レッドソックスでの再現に期待したいです。

 実は、引退直後にレッドソックスのフロント入りの可能性もあったようです。しかし、当時はDave Dombrowskiの元でWS制覇したレッドソックスでは、まだ経験のなかったBreslowが望むような役職を得られなかったために合意しなかった経緯があります。そして5年後、古巣のフロントトップに迎え入れられた。本人にとっても感慨深いかもしれません。

Andrew Bailey(投手コーチ)

 現役時代はアスレチックスでデビュー。09年にクローザーとして活躍して新人王を獲得。12年オフにレッドソックスにトレードで加入して、WS制覇を経験。Breslowとはアスレチックス、レッドソックスでチームメイトだった中で旧知の仲です。

 2020年からSFジャイアンツの投手コーチに就任。在任期間で、Kevin Gausman(現ブルージェイス)、Carlos Rodon(現ヤンキース)、Logan Webbなどが大きく飛躍。ジャイアンツ投手陣は今季も与四球率MLB1位などコントロールの良いイメージでしたが、彼自身も"Strikes are everything(ストライクこそがすべてだ)”と語っています。

 投手コーチとしての評価は高く、ヤンキースやオリオールズなど同地区のライバルも招へいに興味を示した中で、盟友がフロントトップを担う古巣レッドソックスのコーチに就任しました。

 ちなみに、SFジャイアンツで共に仕事をした投手ディレクターのBrian Bannisterの前職はレッドソックスのフロントでした。また、Logan Webbのブレイクは速球を4シーム中心から2シーム主体の東急への変更とそれに伴ったChris Saleを参考としたアームアングルへの変更が要因とされるなど、なにかとレッドソックスと縁があります。

 また、この事例はレッドソックスの若き右腕Brayan Belloにとって興味深いものです。Webbと似たようなレパートリーを持つBelloですが、4シームのRun Valueが2年続けて低調となっています。もしかしたら、投球スタイルの見直しなどがあるかもしれません。

Justin Wilard(投手コーディネーター)

 Breslow就任後、初めて外部から招へいしたフロントの人材。Breslow自身がカブスで担っていたような役割を任せた人物ですので、重要人物だと見ていいと思います。
 プロでのプレー経験はなく、大学のコーチなどを経験。2017年からツインズのマイナー投手コーチを務めて、21年にマイナーの投手コーディネーターに就任。ツインズではBailey OberやJhoan Duran、Griffin Jaxなど若手投手がメジャーの戦力となって、投手陣の強化に貢献。奪三振率はMLBトップ、チーム投手fWAR19.7はリーグ3位を記録しました。

ここで「コーディネーターとはなんぞや?」となんとなくでしか把握していなかったので、とりあえず辞書でコーディネーターを調べました。

「coordinator」は、人々や物事を組織し、調整し、一緒に働くことを可能にする人物を指す英単語である。この単語は、さまざまな文脈で使用され、プロジェクトの管理者からイベントの主催者まで、多くの役割を果たす人物を指すことができる。例えば、会議のコーディネーターは、参加者のスケジュールを調整し、必要な資料を準備し、会議がスムーズに進行するようにする。

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 要するに、投手コーディネーターは、投手部門プロジェクトの管理者みたいなものですかね。もちろん、現場で選手たちと接するのはコーチ陣です。でも、膨大なデータ資料を準備して、一人ひとりに合った指導、育成をするのは現場の方だけでは限界があるのでないでしょうか。コーチ陣とともにどのようにコミットミントしていくべきかを考えていき、効率的な強化を図るためにチーム全体を調整、統括していく役割ではないでしょうか。

三者三様の視点で投手力の基盤を作る

 オフの投手補強は必要不可欠だと思います。しかし、それだけでは不十分であることもまた然りです。結局のところ、現有戦力の底上げがなければいけません。また、補強した選手を活かせるかどうかもまた組織力が大切です。それは、組織の基盤といった最も重要なものでしょう。 

 Breslowは包括的な哲学に基づいた連携の重要性を示しつつ、それぞれの視点でユニークかつ新鮮なアイデアをもたらせると自信を持っているようです。  
 Alex Cora監督を含めた共有意識として、「ストライクゾーンで勝負すること」を挙げています。今季のレッドソックス投手陣は与四球率な改善傾向が見られましたが、以前はリーグ2ケタ順位が続いていた時期もありました。

 Breslowをリーダーとして、フロントのWilanrdがチーム全体の調整役を担い、Cora監督、Baileyコーチを中心とした現場まで一体となって強化に努めていくことが期待されます。

 もちろん、いきなり結果の出るようなことではありませんが、新しく就任した3人がどのような変化をもたらしてくれるのか大いに楽しみです。

参考文献


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