自己調整学習を進めるために


自己調整学習について、岡田・中谷・伊藤・塚野(編著)(2016)は「学習課題に応じて自分で調整する固有な過程を選択し実行すること」と定義し、次の過程を示しています。


①自分自身で固有の近接した目標を立てること
②目標に達するための有効な方略を採ること
③進歩を確かめるために遂行過程を選択的モニタリングすること
④目標を達成しやすいように物理的環境と社会的環境を再構成すること
⑤効果的な時間の使い方を工夫すること
⑥方法を自己評価すること
⑦結果には原因があると考える(帰属させる)こと
⑧これからの学習方法を調節すること


①〜⑧の過程を自分が授業で実践するとしたら、どう実践するか考えてみたいと思います。


①授業で自分のめあてを立てるようにする。(全体のめあてとは別に)

②学習法略を一覧にして提示する。

 デジタルワークシートで学習法略を選択できるようにする。

③学習過程をノートやワークシートに残すようにする。

④どこで、誰と、学習するかを選択できるようにする。

⑤1時間の授業の使い方を子どもたちに委ねる。

⑥学習方略についてどうだったか振り返るようにする。

⑦情意の感想で終わらないようにし、本時の授業での自分の取り組みを分析できるようにする。

⑧次の時間どうするか見通しを持たせる。

 ポートフォリオで学習履歴を保管し、自分で見返せるようにする。


このように考えてみると、教師が一方的に引っ張るような授業では自己調整能力は養われないということになります。

教師がこれまでの授業観を更新し、子どもに自己調整能力を養うことを目的としなければいけません。

単元の全てを子どもに委ねるのではなく、徐々に自分達で①〜⑧のように学習を進める経験を積み重ね、少しずつ自己調整能力を養っていきたいです。


参考文献

岡田涼・中谷素之・伊藤崇達・塚野州一(編著)自己調整学習研究会(監修)(2016)「自ら学び考える子どもを育てる教育の方法と技術」北大路書房


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?