見出し画像

さわきゆりさんに「殺意」結末編を書いて頂きました!

さわきゆりさんに、小説「殺意」の結末編を書いて頂きました。まずはこちらをお読み下さい。

…読んで頂けましたでしょうか?いかがでした?


ワタクシの感想

運よく抽選に当たった時から、ゆりさんは結末をどう持っていくのだろう、奈緒を自立させるか、それとも母親のもとに戻すか、それか洋子目線で最初から物語をなぞるのか、などなど色々想像をしてました。

何となく、ナイフは振り下ろせないんじゃないかなと思いつつ、でも、もしそうなった場合は警察の視点で書いて取調室で泣かせるのかなーなど。いやー、事件が起きず、泣いて心の内を話せたのが父親でホント良かった。

ゆりさんは奈緒を普通の27歳の女性として描くことを選んだと、伝わりました。普通は母親を刺そうとはしませんが、そうなった過程、心情を読者に伝わるように、ごく丁寧に描かれていて、うん、そうだね、奈緒、そうだよね、ウルッ。

私が特に心に刺さったのは、奈緒が、父親に話した洋子の仕打ちの一つ。「奈緒を思い通りにするために、嘘すれすれの誇張をすること」。

あのですね、私、すごーく心当たりがあるんです。ですがね、渦中にいると気づかないんです。そんな筈はない、いくら何でもおかしいと思っても、勢いで段々そう思わされ、気づくと母の意に沿うような選択をし、安心している自分がいるんです。

でも奈緒は既に気づいているようです、この罠に。普通の感覚の持ち主なのでしょう。

また拾って頂いた設定で嬉しかった一つは、父親のセリフにある「奈緒は、男を選ぶのにも、お母さんの目を通すようになってたのか」です。

そうです、男を選ぶのに「も」なんです。奈緒は多分、意識してか無意識か、全てがそういう考えになっているんでしょうね。でも、ようやく「おかしい」と気づけたようです。

この母娘の関係を打破するには、第三者が介入するしかないというゆりさんの考え、私も同じです。父親が頼れる人で、救われました。

夫婦、父親と娘、両方とも関係性はそう悪くないように見えます。想像ですが、奈緒は母のやり方にずっと不満を持ち、耐えていた、しかし父親には心配をかけまいと、ずっと言えなかったという設定なのかなと思いました。

父親は、妻に娘への干渉をたしなめる程度はしていたが、そこまで酷く、また奈緒が負担に感じていることには気づかなかった。3年前ぐらい前から、妻の様子がおかしいことには気づき、心療内科に連れていったのかなーなど。書かれていない部分を考えました。

ナイフを振りかざす手を、止めてくれて良かった、そして奈緒の気持ちに気づいてからは、行動が早いですね。いざという時に、頼れる、守ってくれる人がいることは心強いですし、奈緒は幸せになれると思いました。お母さんのことも、お父さんに任せましょう。時がたち、また3人で会える日が来るといいですね。

そして、そうなの、そうなの!と頷いたのが、「殺意」について書かれた最後。

ごめんね、お母さん。でも、私はあんなふうに、誰かに殺意を抱くなんて、もう絶対に嫌なの。

母親に殺意を抱いてしまった、その心情を描き、それが嫌だから離れる道を選んだ。タイトルを作品のテーマの一つとし、回収している!これには、唸りました。私も、結末編を書いたのですが、「殺意」回収したかな。うーむ。

…そうなんです。書いてるんです、それも2パターンも。飽きるほど推敲したので、読み直さず、明日出しちゃいますが、結構ぶれてます。特に一作目が。もう、読んで笑ってくださいっ。…と、最後は自己援護になりましたが、

ゆりさん、企画して頂いたピリカさん始め、すまいるスパイスの皆さん、本当にありがとうございました。



この記事が参加している募集

#読書感想文

187,975件

ありがとうございます。励みになります。