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「ゼロトーキング/はるまきごはん」考察・妄想


※全て私の独自解釈です
※一応考察記事を名乗ってはいますが、後半になるにつれてどんどんただの妄想になっていきます。不愉快に感じる方も多いであろう内容なので、嫌になったらすぐに読むのをやめてください。



まず全体を軽く解釈



もう、着いたのね
正面あたりで待ってるわ
ええ、楽しみよ
あなたの声が聞けるなんて

ゼロトーキング

最初の歌詞、実は解釈に結構悩みました。というのも、ドロシィが電話越しに喋ってるようにしか読めないんですよ。
「ええ、楽しみよ」と言ってるんだから、その前に「楽しみ?」みたいな問いかけをしているはずでしょ?

でも、ここの場面、よくよくMVを見てみると、

明らかに黒電話ですけど、どこにもコードが見当たらないんですよ。
つまり、ここの場面での大令嬢ちゃんは、ドロシィに電話してるフリをしているだけなんです。目バキバキで。
いやほんとに何してんの?

背、伸びてるね
知らないリングがお似合いね
ええ、感情論者の
言葉はすっかり意味ないもんね

ゼロトーキング

「リング」をどう取るかですが、せっかくなので指輪と言うことにして、恋人の存在を匂わせましょう。

大令嬢ちゃんは、実際に会ったドロシィが何も話してくれないことに、この時点では自分が感情論者であると反省(?)しています。

あの頃私たちは 喧嘩もよくしたけど
海の見える街展望台 マリィゴールドが咲いている
私たちの見た夕焼けは やり直せないよシスター

ゼロトーキング

思い出描写。
前述の考察から考えて、「やり直せないよシスター」はドロシィ視点の言葉でしょう。そこまで許せないことなのでしょうか。
マリーゴールドはたくさんの花言葉があるのですが、幼い憧憬に似合うのは「友情」とかですかね。
シスター、同性愛の相手という意味もありますけど、ボカロPが新曲を投稿するときにTwitterに載せるポエムに「話の減った姉妹の話」と書いてあったので、少なくとも2人が姉妹であることは間違いありません。


大きくなって話も減って
Zero Talking Talking Talking
まだ諦めてないよ
一回だけ私を見て
Zero Talking Talking Talking
せめて話してよ!

ゼロトーキング

ここ何気に違和感があるんです。
話「も」減ってるらしいのですが、そらだと「大きくなって」と上手く繋がらないと思いません?
他になにか減っているものがないと「も」とつけるのは不自然に感じます。
では、「大きくなると減るもの」とは何でしょうか。なぞなぞみたいですね。

そう、嫌なのね
言葉はどっかに行ったのね
もう好きにして
"…一旦お茶でも振る舞います"

ゼロトーキング

ここの「そう」も、「ドロシィが口を利いてくれない」という事実に対する反応だと受け取ります。

「一旦お茶でも振る舞います」はMVを見る限り独り言のようです。許せないのにお茶を淹れているのはやはり違和感があります。
また、「好きにして」と言われてお茶を淹れる人はあまりいないように思えます。メイドすぎやしないか。

熱湯正論 Suger & Milk
機嫌を治してQ.E.Tea
メタルの葉っぱを絞ったシルバー
剣に鍛えてさしあげます

ゼロトーキング

「正論」は「感情論者」と対比になっています。つまりここはお茶を淹れながらドロシィが独り言の正論を言っている場面です。
細かい話ですが、機嫌を「治して」と表記しているのは違和感があります(普通は「直す」を使うらしい)。

考えすぎかもしれませんが、ここでいう「機嫌」とは、例えば鬱のような、病的なものなのかも。

今でも夢に見るわ あなたが笑う顔を
四つ葉の見つかる昼下がり 二人で半分レーズンパン
私たちはまだそこにいる どうにか気付いてシスター

ゼロトーキング

大令嬢ちゃん視点の歌詞と考えるのが自然でしょう。幼年時代の思い出を回想して、今では変わってしまったドロシィに、また昔のように笑って欲しいと願っている場面です。
……願っている?
それにしては「私たちはまだそこにいる」って言い切るのは違和感があります。さすがに感情が重すぎるんじゃ。

お腹が減って話も減って
Zero Talking Talking Talking
背中向けてないで
一回だけ赦してみて
Zero Talking Talking Talking
なにか話してよ!

ゼロトーキング

「赦す」とは重い。なんの罪を犯したのですか。



ちょっと文字数が多くなってきたので場面を飛ばしますね。
冗談です。あとで戻ってきますし、まだまだ続きます。






ドロシィ、帰ってない


いや帰ってないですよ。
まず第一に、マリーゴールドだけが入ったスーツケースを残してどうやって荷物をまとめるのかという現実的な問題があります。


というかちゃんとヘリポートだったんだな



そして何より、ドロシィが乗ってきた超絶危ないスケスケヘリコプターの描写なんですが、


これが行き


ラストシーンで飛び立つとき

人が乗ってないですよね?

そうなると当然、ドロシィはまだ屋敷内にいるはずです。

なぜでしょう。

可能性1:普通に仲直りして同居(同棲)

これを通すためには、ドロシィの現旦那(?)をどうにかして処理する必要があります。ぼくが勝手に既婚って仮定したんだけどね。

可能性2:ドロシィがもうこの世にいない

はい。ブラウザバックしていいですよ。

問題のシーンは、ラストの、ドロシィの腕が扉の中からニョキって出てくるところです。


勿論、これを抱きしめ返してる腕の形と取ることもできます。
しかし、わざわざ2人の仲直りを私たちに伝えるためだけに、こんな不自然なシーンにする必要があるでしょうか。なんかもっと他に伝え方なかったんですかね。

ところでこのシーン、よく見ると縮尺がおかしくないですか?
ドロシィの腕に対して、メイドの体と扉が小さすぎますよね。
ドロシィが急に縮むとも考えにくいので、メイドと扉が小さいのでしょう。
そうやって見ると、ドロシィが地を這いながら必死に外に出ようとしているようにも見えてきませんか。

ところで、こんなに小さいメイドと扉なんてあるんですかね。






妄想のギアを上げる


さて、そろそろお客さんも減ってきた頃でしょうし、一回今までの疑問点をさらいますか。

これ以降、この屋敷はこの世のものではないという考察を展開します。

謎1:同時に存在する昼と夜

お気付きでしょうか。
作中、基本的に外は夜ですが、一部窓の外が明るい描写が存在します。


他にも1番終わりの間奏とか

で、どう考えても時系列が合わないので、こっちは夜!あっちは昼!みたいな感じでしか説明がつかないんです。
この屋敷の周辺では時間軸が相当歪んでます。
だから「私たちの見た夕焼けはやり直せない」んです。物理的に、太陽が沈みも登りもしないから、夕焼けが見れないんです。

いやいや待て。ラストのヘリポート側は太陽出てただろと。
これについては最後に話します。

謎2:ワイヤレス黒電話

大令嬢ちゃん、久々にドロシィに会うから、ちゃんと話せるか緊張して、事前練習してたんでしょうね。それぐらいしか目を赤くしてあんな独り言してる説明はつかないと思います。

で、なんで黒電話の模型なのかって話です。あの見るからに由緒正しそうなお屋敷ですから、そこら辺に転がってたっていうことも無きにしもあらずです。
ただ、個人的にもっと納得いくのが、黒電話が2人にとって思い入れの深いものだという解釈です。

そんな昔の時代の話なのかというと、そんなことはありません。これは、冒頭とラストに登場するガラケーの描写から分かります。


ちなみにこのガラケーそのものに関しては本当に謎なので記事の最後まで何も明らかになりません

しかし今言ったことが全て真なら、2人ともちょっと若すぎますよね。
問題ありません。時間軸が歪んでいるんですから。(強い)

謎3:黒電話、直ってる

あの黒電話はまだ登場します。

なんとここではコードが繋がっています。
誰かが直したんでしょう。当然、黒電話としての本来の機能である会話をするためにです。ここでは現代の電波は通じないのでしょう。ガラケー発信しても繋がってなかったでしょう?

さて、この黒電話で誰と誰が会話するのでしょう。大令嬢ちゃんとドロシィはすぐ近くにいるので、目下必要ありません。しかし、主要登場人物それくらいしかいませんね。
……では、私が新たな登場人物を定義します。ドロシィの夫、仮に男Aとしましょう。2人が話すため、ドロシィが修理したんです。そんなことできんの?
一枚目の画像で乱雑にうち置いてある様子を見ると、話してる途中に大令嬢ちゃんが力ずくで切った可能性もあります。


謎4:大きくなって減ったものとは

これはもうストレートに言います。
代謝です。
ドロシィは現実世界では普通にいい歳になっています。

謎5:お茶を振る舞う理由

実は、お茶を振る舞っているのはドロシィだけではありません。
直前に大令嬢ちゃんもポットを渡されています。ティーカップではなく、ポットをです。

さらに、このリアクションを見る限り、今まで散々無視され続けてきたドロシィから渡されたとは考えにくい。となると、渡した人物は自然にメイドの中の誰かということになります。
普通、メイドが主にポットを差し出すでしょうか。
また、大令嬢ちゃんも「もう、好きにして」と言われてお茶を淹れているわけです。
以上より導き出せるのは、ここでは紅茶を淹れることが上位の人間の役目になっているというこです。

確かに、日本の茶道は主・ゲストが自ら茶を点てますが、ここで振る舞われているのは紅茶(ミルクティー)であって、イギリスのアフタヌーンティー文化では茶を淹れるのは給仕スタッフの役目です。
結論を言いましょう。ここでは文化の混濁が発生しています。何によるものかというと、空間的な歪みによるものです。

謎6:2回目の晩餐の大スクリーン

これ。

背景が、かなり高層階からのものに見えます。どうやって見ているのでしょう。
真っ先に思い付いたのは、幽体離脱説です。というのも、この場面で大令嬢ちゃんは一切動いてないんです(ドロシィもだけど)。
体も物理法則を無視できるようです。
改めて自分とドロシィの関係を客観視したかったんですかね。いよいよ「その時」が近づいていますから。

謎7:大令嬢ちゃんの罪とは

いや実はこれは全く分かりません。自慢の妄想力を駆使しても、さすがに情報が少なすぎる。ドロシィが口を利かなくなるほどの罪であること、大令嬢ちゃんが感情論者であることぐらいでしょうか。
ただ、その何かしらの罪が彼女に及ぼした影響については、ここまでの妄想から推測できます(言葉の組み合わせは悪いが)。

すなわち、大令嬢ちゃんは罪の罰として混沌とした異世界の屋敷に流されたということです。もっとシンプルに、あの世ということでもいいかもしれません。

謎8:ドロシィはなぜ来たのか

この世界に来たということは、何か罪を犯したのでしょうか。しかし、ラスサビ前で帰ろうとしていますよね。

もう帰るのね
まるで彦星と織姫ね
まあ、私たち
奇しくも人間ですからね

ゼロトーキング


ヒントになるのは、またしても黒電話です。

ここに転がっている黒電話で、ドロシィは罪を赦される旨の連絡を受けたのではないでしょうか。
私が想像するプロットはこうです。

ドロシィが結婚生活で何か罪を犯す↓
男Aから罰を受ける

ドロシィが屋敷世界にやって来る

屋敷で大令嬢ちゃんと再開する
(こうして見ると、ドロシィが全く屋敷に馴染もうとしなかったことにも、ただの喧嘩以上の意味を見出だせます。屋敷に馴染んだら永遠にこの世界にいることになる気がしてしまいそうです)

男Aから赦しの連絡を得る

大令嬢ちゃん、駄々を捏ねる

強引に自分のものにしてしまう


さよならなんて習わなかった
Zero Talking Talking Talking
もう何も話すな!
一回だけ蓋してみた
Zero Talking Talking Talking
全て忘れろよ

ゼロトーキング

……誰と「話すな」と言っているんでしょうね。
私にはもう、男Aと、何も話すな、全て忘れろと言っているようにしか聞こえなくなってしまいました。

ドロシィの腕の話ですが、改めて2通りの説に整理します。

1つ目は、大令嬢ちゃんとのキスによって、この世界に閉じ込められてしまったという説です。
もう一度言いますが、この世界の者と繋がってしまったのであれば、もう現世には戻れないという前提に立っています。だから、逃げようにも逃げ出せない。

2つ目の説ですが、ドロシィが罪を重ねたのでこの世界から出られなくなったというものです。
もう一回画像載せますけど、

やっぱり抱き返しているようにしか見えない、抱き返しているはずだ、という考えに基づいた説です。

既婚の身で、夫以外の女の愛を受け入れてしまったから。愛してしまったから。
もう彼女に帰る資格はなくなってしまった。

2番のBメロの夢の場面、もしかしたらドロシィ視点の歌詞なのかもしれません。
赦せないはずなのに、今でもあなたの笑っている顔を思い出してしまう。私を思い出の中に縛っていることに、早く気づいて。

そしてドロシィは、結局思い出を受け入れることにしたのです。

ここまで読み進めてくださった奇特な皆さんなので、結末はお好きな方を選んでください。すいません偉そうに。




そういえば、最後ヘリポートに太陽が出て明るくなってるじゃないですか。

あれは自分の中で結構明確に答えが出ていて、

「夕焼けをやり直すから」

だと思ってます。

ほんとのほんとにラストシーン、ドロシィが置いていったスーツケースの中のマリーゴールドに、影が近づいてきます。

頭の形から、メイドっぽい帽子を被っているドロシィの影だと思われます。

結果的には取り戻せたんだね。




申し訳ございませんでした


かなり気持ち悪い記事に仕上がりました。というかこれ読んでる人は果たしてこの文章で私の妄想を理解できたのだろうか……というか、辻褄が合わないからここは異世界だ!って、あまりに短絡的すぎないか……
私はただ、はるまきごはんって歪な世界、歪な感情を描くのが上手いよねーということが言いたかっただけなんです。信じてください。

……まあ、楽しいですよ妄想は。皆さんも是非してみてください。そしてそのまま心の中に閉まっておくのかいいかもしれません。

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