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zk頭脳警察50映画舞台挨拶@宇都宮に行って来ました

宇都宮市の中心地にある宇都宮ヒカリ座にて、デビュー50周年を迎えた頭脳警察のドキュメンタリー映画が2020年9月5日から公開され、その翌日である6日に関係者3名による舞台挨拶が決まり、日程をやり繰りして行って来ました。
当初は映画監督の末永賢さんのみの出演予定でしたが、地元壬生出身カメラマンのシギー吉田氏、そして頭脳警察のヴォーカルでありメインソングライターでもあるPANTA氏の3人が登壇することになり、告知があってから期待は高まるばかりでした。

公式サイト
沢山の著名人の方々も頭脳警察に対して
コメント寄せております。ストーリー含めて
先にご一読下さると嬉しいです。

宇都宮ヒカリ座。大手シネコンとは真逆の年季の入った映画館。上映するタイトルもシネコンでやるようなメジャーものではない拘りの作品ばかり。頭脳警察の映画を宇都宮で鳴らすのにこんなに相応しい映画館は無いかと。会場はコロナ対策の上で席数も限られてましたが、見る限り大入りの動員でした。素晴らしい。先にパンフレットを購入し、それを見ながら上映開始を待ちました。

場内が暗転し先ずは映画からスタート。
未見の方も居ると思うので基本的には
ネタバレしませんが、なぜ伝説のバンドと
語り継がれるようになったのかを
生い立ちから含めて掘り下げていました。
更には解散〜復活のエピソードや
貴重な資料映像まで。頭脳警察として
ずっと活動し続けてきた訳ではありませんが、
ブランクを感じることも無く、また
過去の栄光にすがるような活動でもなく、
正に今、現役バリバリの存在感で
どの時代であっても今の時代に響く曲や
音を鳴らしているのが本当に凄い。そして
映画のタイトルであり頭脳警察の最新曲の
タイトルでもある「絶景かな」が
映画の中で鳴り響いた時の説得力に圧倒
されてしまいました。2020年のコロナ禍
だからこそ産まれた楽曲。
映画をきちんと向き合って拝見
出来たことに感謝したいです。

上映後、すぐに壇上に椅子が用意され、
監督の末永賢さん、頭脳警察のPANTAさん、
カメラマンのシギー吉田さんの順に登壇。
マイクの準備が出来た所でいよいよイベントが
開始されました。

マスク着用と適切な距離を保った上で進行。

末永賢監督

PANTAさん

シギー吉田さん

簡単な自己紹介と映画の雑感などを御三方がどんどん語っていきました。映画が公開されてから何度も舞台挨拶やトークイベントなどがあったので、そうしたやり取りなども踏まえてお互いに質問し合う展開にもなっていきました。

末永賢監督はドキュメンタリー映画の監督をするのはほぼ初めてだったらしく、PANTAさんに出会ったのま数年前に上映された「いぬむこいり」と言う映画に助監督で参加し、そこでPANTAさんが出演したことがキッカケで知り合ったので、頭脳警察やPANTAさんに対してとりわけ詳しいわけでもなかったそうです。

この映画の監督をした片嶋一貴さんが今回の頭脳警察の映画の企画プロデュースを担当しているのと、実は宇都宮出身であり、様々な繋がりを知ることになりました。

シギー吉田さんは宇都宮市のお隣、壬生町出身であり佐野にある高校のラグビー部出身だそうで、今回宇都宮ヒカリ座で舞台挨拶があるとの事から参加したいと直訴して急遽登壇が決まりました。ラグビーをやってた時に大怪我をした後遺症で頸椎損傷。松葉杖を使用されてるのはそれが理由みたいです。シギーさんは約20年前、PANTAさんのクリスマス時期に行っているLIVEにカメラマンとして参加して以来の交流だそうです。

内容は多岐に渡り、末永監督の映画制作に対する拘りとして、映画はあまり見せ過ぎない、お腹いっぱいにさせない程度にチョット見せる位のが丁度良いと言う事に気付き、以来その手法を採用している。今回の映画でも相当な撮影記録が残っているし、オーディエンスが大合唱するような曲もあったけどその直前までしか映さないなどにしたとの事で、映画観た方も同じ気持ちになってくれたら嬉しいと仰ってました。

それから話は頭脳警察再結成LIVEの件になり、PANTAさんがその裏話を披露。映画でも映像が取り上げられ、酩酊状態でLIVEをしてたメンバーのTOSHIさんとのやり取りなども教えて下さりました。PANTAさんは酒呑みやアル中に近い人達を今まで沢山近くで見てきたので、数年前にWOWOWのドラマでアル中の役柄を演じる事になったのだけど長年の経験からバッチリ演技出来たそうです。

ここで司会の方から、来場者から登壇者に質問したい人がいればどうぞと言う質問コーナーになりました。最初の質問の方は、加齢により身体が痛んだりしませんか?みたいな内容だったと思いますが、それに対してPANTAさんは「身体中至る所がボロボロだけど、そうしたことと上手く付き合っていこうと思っています」みたいな回答でした。今は歳相応に髪も染めずやっていますとの事。

続いては僭越ながら自分が質問させて頂きまして「頭脳警察50周年に合わせて若いメンバーと組んで一緒に活動されてますが、それは若いメンバーに自分達のやってきた事を伝承する為ですか?」とお聞きしました。するとPANTAさんはすかさず「そんな事ないです。むしろ、若いエキスを吸いとってやろうかと思っています」と仰ってくださりました。海外だと所謂レジェンドと呼ばれるようなミュージシャンに若いミュージシャンが憧れ、良い形で連なっていくけど日本ではあまりそうしたものが無い。だったら自分達が憧れられる存在になれば良いじゃないかと思ったとの事でした。末永監督もフォローとして、「今回の新曲の作詞作曲はPANTAさんだけど、編曲とかは若いメンバーに任せてますし、良い意味での相乗効果が出ていると思う」と仰ってくださりました。思慮の浅い質問だったかもしれませんが、優しくお答え下さって感激しました☺️。それにしてもPANTAさんの語り口は優しくて穏やかで、同性の私でもウットリしてしまうような素敵な声。それが歌になると強烈な歌声なので、そのギャップにもやられてしまいます。

終盤に、PANTAさんが影響を受けた音楽として「ケンタッキーの我が家」や「素晴らしい世界」を挙げていたのが印象的でした。

他にも多岐に渡る話題がありましたが、記憶が朧げですのでトークショーの話題はこの辺で。

終演後にはロビーにてサイン会。
映画のテーマ曲にもなりました「絶景かな」
のシングル盤や映画のパンフレットなど購入。PANTAさんだけでなく監督や吉田さんにも
サインをお願いしましたら、PANTAさんと
並んでサインさせて頂くなんて恐縮ですと
仰りつつも、PANTAさんが書きなよと
促して下さったので書いて頂きました。

個人的な話ですが、私がPANTAさんを初めて拝見したのは2002年。アルバム「波紋の上の球体」をリリースした時に仙台でライブがあり、仙台地区で熱烈にPANTAさんをサポートされてた方と交流があった事から観に行ったのがキッカケでした。

仙台でPANTAさんや頭脳警察のライブを何度か主催されてて、3回ほど観に行かせていただきました。ライブ後の打ち上げもお誘いありましたが当時はビビってお断りしてしまいましたので、今回は思い切ってPANTAさんにそんな事も含めてお話させて頂きました。

PANTAさんは本当に優しく、仙台の共通の知り合いにもご無沙汰だから宜しくお伝えくださいと仰って下さりました。


2023年7月7日、PANTAさんが御逝去なさりました。心よりお悔やみ申し上げますと共に、ささやかながらこの加筆修正した記事を捧げたいと思います。ありがとうございました。


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